5月22日(土) 2010 ヤマザキナビスコカップ
湘南 1 - 2 浦和 (14:00/平塚/12,322人)
得点者:22' ポンテ(浦和)、25' 三平和司(湘南)、58' エジミウソン(浦和)
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スピラノビッチのロングフィードをエジミウソンが落とし、柏木陽介が右にはたく。走り込んだポンテに与えられた角度はけっして大きくは見えなかったが、それでも彼にとっては十分だったようだ。右足から放たれたシュートは力強く、確実にゴールネットを揺らした。22分のことだ。
先制を許した湘南もすかさず反撃に転じる。25分、パス&ゴーで坂本紘司が相手を引きつけると、左サイドで受けたハン・グギョンは逆に動いてクロスを送った。ファーサイドで動き出したのは、ヤマザキナビスコカップ第1節清水戦以来となる先発に抜擢された三平和司だ。「あのシチュエーションはそれまでにも何度かあったので狙っていた」と、のちに明かしたように、序盤にも坂本がキープする間に中山元気と永田亮太、そして三平が同時に相手DFラインの裏を突くなどしていた。これはオフサイドの網に掛かったものの、25分のこの場面では巧みに裏を盗み、落ち着いて右足を振り抜いたのだった。
一進一退の攻防のなか、32分には坂本が中山を追い越してペナルティエリアに進出し、折り返しにふたたび三平が合わせた。また村松大輔のインターセプトを機に、臼井幸平が自陣から猛然と駆け上がったシーンも目を引いた。前半終盤、湘南はふたたびリズムを手繰り寄せていた。
しかしゴールは必ずしも流れとは同期しない。試合後、反町康治監督は振り返っている。「ゲームの主導権を握る時間帯はここのところ増えてきてはいるが、一瞬の対応の悪さで失点してしまう」。実際、先の浦和の先制点も、前線からのディフェンスが機能し、湘南がリズムを掴みかけていた矢先に生まれていた。かたや一瞬の隙を誘う浦和の個々の駆け引きも見逃せない。
一方のフォルカー・フィンケ監督は、「うしろからゲームを組み立てる能力を持っている」と、先制の起点となったスピラノビッチについて触れた。58分に刻まれた決勝ゴールにもこの21歳の若きDFは絡んでいる。スローインを受けたスピラノビッチは左サイド深くでマークをかわし、ふわりとラストパスを送った。そしてエジミウソンがニアで競り勝ち、ヘディングシュートをねじ込んでみせたのである。
ふたたび1点をリードされたことで湘南のメンタリティがもしも折れていれば、残された30分あまりはきっと長いだけの時間にまとめられていただろう。もしかしたら先日のG大阪戦のように、さらなる追加点を瞬く間に奪われていたかもしれない。だが初夏のような強い日射しのもとでも、反撃に走る湘南の足は止まらなかった。失点直後には村松が取り返さんと持ち上がって自らシュートを撃ち、あるいは村松のインターセプトから坂本や臼井を経由して攻め込んだ。かたや浦和も中央堅く、ゴールへと向かう槍のような攻撃をたやすく通してはくれない。逆に終盤には、ポンテとエジミウソンが立て続けにシュートを狙い、湘南のコーナーキック明けにはカウンターで2対3の数的優位をつくりもした。湘南はこれをも凌ぐと、4分のロスタイムに懸けるが、ゴール前を襲った途中出場の新居辰基のシュートも枠を捉えきれず、長い笛を聴くのだった。
「決勝トーナメントに進出するために貴重な勝点3を取ることができた」と、フィンケ監督は総括した。阿部勇樹や田中達也という日の丸戦士不在のなか(田中達也はFIFA登録30人のメンバー)浦和は勝利し、Bグループ首位を守った。また試合後には、途中出場した湘南の中村祐也に浦和サポーターから拍手が送られ、中村もあらためてゴール裏へと赴き、古巣のあたたかい声援に応えた。
一方、反町監督は言う。「前回対戦(リーグ戦5節 /jsgoal_archive/result/2010/0403/20100100010620100403_detail.html )とおなじ2-1というスコアだが、そのときと比べれば我々のチームもよくなっているとは感じている。ただゲームに勝てなかった事実は見直さなければいけない。明るい兆しはすこし見えてきたので、来週の2ゲームに繋げていきたい」。
ヤマザキナビスコカップと中断期間を経て、次回、両者が平塚で顔を合わせるのは、8月21日のJ1第20節である。そのときこそ逆の結果を掴みたい。日々の徹底が行くあてを拓くことは、自分たちの足跡が教えてくれる。
以上
2010.05.23 Reported by 隈元大吾
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