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【J2:第14節 横浜FC vs 鳥栖】プレビュー:鍵は「走る力」と「助けるプレー」。岸野サッカーのお手本を披露する鳥栖を迎え、横浜FCは反撃の狼煙を上げたい。(10.05.21)

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5月22日(土)J2 第14節 横浜FC vs 鳥栖(19:00KICK OFF/ニッパ球チケット販売はこちら
スカパー!生中継 Ch184 18:50〜(解説:前園真聖、実況:関根信宏、リポーター:高木聖佳)
--試合速報--
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シーズン前から、間違いなく注目カードに挙げられていた横浜FCと鳥栖の試合。その理由はもちろん、昨シーズン鳥栖を率いていた岸野靖之監督が、今シーズン横浜FCを率い、主力選手も横浜FCに活躍の場を求めたところにある。しかし、第13節終了時の順位は、鳥栖が4位であるのに対し、横浜FCは15位と対照的だ。岸野監督が「シーズン前にはこの試合は特に意識することになると思っていたが、今の成績で特別な感傷に浸っている場合ではなくなった。『鳥栖』ということは関係なく勝つことだけが重要。チームをどうよくするかで頭が一杯」と語るように、横浜FCにとっては、因縁の対決という以前にチームの立て直しが求められている。

横浜FCは、前節の福岡戦で大黒将志が先制ゴールを挙げながら、逆転負けを喫した。良い感じで試合を進めていても、ミスや失点からペースを相手に渡してしまう試合が続いている。時間が進むにつれて攻守の意識統一が失われていく大きな要因として岸野監督が挙げていることは「走る力」と「チームを助けるプレー」の2点。それも、フィジカルの問題というよりも意識の問題だと語る。

「走る力が弱くて2度追い、3度追いができない。そして、他のプレーヤーのピンチを助けるため、そして他の選手を楽にするために走ったり、声を掛ける。そういったチームスポーツで大事なプレーで負けている」(岸野監督)

というように、サッカーのベースとなる動きにおいて、チームとしての改善点は多い。確かに8得点でゴールランキング単独トップの大黒の得点力は魅力だが、それだけでは『どんな相手でも勝てるチーム』にはなれない。地道な努力が必要となるが、この2つのポイントを強化することが、横浜FCが持つポテンシャルを結果に結びつける鍵となる。

そして、今週加入したホベルトは、その強化にとって大きな切り札となる。「自分はチームのために働く選手。まとめるところと、ディフェンスのところは手伝えると思う」とホベルトが語るように、今の横浜FCに最も必要とされる選手であることは確かだ。「戦うし、球際も強い」(武岡優斗)、「プレーが安定しているだけでなく、走れるし、体張れるし、味方のために自分を押し殺すこともできる」(岸野監督)と、横浜FCにとってベースとなる戦い方を注入できるか、その期待は大きい。

横浜FCが目指す姿という意味では、鳥栖は良いお手本。前節の岐阜戦は、その強みを見せつける試合だった。局面の強さだけでなく、FW、MF、DFのそれぞれのエリアが層になって粘り腰を発揮した。そして、セカンドボール、クリアボールを確実に拾いつづけ、ハーフラインから自陣側で相手にボールを持たせる場面は少なかった。そして、息の合ったプレスから奪った3ゴール。岸野監督が常に口にする「とことん、しつこく追い回すチームになりたい」という言葉がぴったりの戦いぶりだった。

もちろん、この戦い方は鳥栖が年月を掛けて積み上げてきたもの。スタイルの完成度を単純比較すれば、鳥栖のほうに一日の長がある。しかし、横浜FCとしては歩みを止めるわけにはいかない。鳥栖に走り負けず、鳥栖以上のチームワークを見せられるか。この試合における横浜FCの大きなテーマとなる。

鳥栖にとっては、自らのスタイルの完成度を見せつけたいゲーム。横浜FCにとっては、スタイルを積み上げ進化のきっかけにしたいゲーム。表面的な因縁に囚われるだけではなく、似通ったスタイルを見せつけ合う試合を堪能したい。

以上

2010.05.21 Reported by 松尾真一郎
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