スカパー！生中継 Ch183 18:50〜（解説：田中孝司、実況：桑原学、リポーター：飯田留美）
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Ｊ２リーグ戦第12節福岡戦を１−１（千葉の得点者はＭＦ佐藤勇人）で引き分け、７勝３分２敗の勝点24とした千葉。次の第13節は試合がなく、ここで草津に４−１で勝った甲府が８勝２分２敗の勝点26として２位に順位を上げ、千葉は３位に後退した。だが、５月18日の午後練習後、千葉の江尻篤彦監督は「順位は気にしていない。こんなものだと思いますよ。（Ｊ１昇格争いは）最終節までもつれると思っている。今は（第13節終了時で勝点30の首位の）柏、甲府の２チームにくっついていくことを考えている」と話した。
今節の東京Ｖ戦に臨むにあたり、江尻監督は先週の後半から今週の前半まで、選手たちにハードな練習（例えば５月18日は午前練習が２時間、午後練習が２時間半）を課した。過去にＪ２で苦しい戦いをしてきた経験を生かしている柏と甲府の戦いぶり、今後の対戦に向けた第13節の水戸vs熊本、草津vs甲府のスカウティングから、「（千葉の）選手には厳しさを乗り越えてもらいたい。泥臭く勝点３をあげられるチームになりたい」という思いを改めて強くしたからだ。「東京Ｖは個々の能力が高い選手が多い。しかも、若いチームだから勢いもある。時間とスペースを与えたらやられる。それだけにもう一度徹底的にやって、いい精神状態で東京Ｖ戦を迎えたいと思った」（江尻監督）。18日は東京Ｖ対策でもある豊富な運動量、判断と動きのスピードを求められる練習に時間を費やした。
東京Ｖ戦からは、ＤＦマークミリガンがオーストラリア代表招集のため不在。現在、ＤＦは茶野隆行、池田昇平が別メニュー調整のため、ＤＦ福元洋平とセンターバックでコンビを組むのはＤＦ青木良太が濃厚だ。出場すれば今季初の青木良は「やるしかない。いいプレーをすればチームは勝つ」と意気込む。また、前述の福岡戦は負傷欠場したＤＦ渡邊圭二に代わり、最近は３トップのサイドを務めるＭＦアレックスが左サイドバックに入ったが、スタメン争いに名乗りをあげたのが負傷箇所の回復で戦列に復帰したＤＦ和田拓三だ。和田も出場すれば今季２試合目で「相手はちょうど僕が前に所属した東京Ｖ。チームとしてもどうしても負けられない一戦なので、ここで勝ってまた波に乗れればと思う」と話した。
対する東京Ｖは、第13節終了時で４勝３分５敗の勝点15の12位だが、９節で水戸に４−０で勝利してから、３勝２分と負けなし。特に目をひくのが、その５試合の総失点は第10節鳥栖戦の１点のみで、３試合連続無失点の堅守だ。ＧＫ土肥洋一、ＤＦの土屋征夫と富澤清太郎の落ち着いた守備に加え、ＭＦの柴崎晃誠、昨季は千葉所属の佐伯直哉のボランチコンビの読みのうまさを生かした守備も光る。チームとしても、相手ボールになると素早くポジションを整え、しっかりとブロックを築く守備が機能している。
また、攻撃では、開幕当初はサイドバックでプレーしたがＦＷに戻り、前線でボールを収めて攻撃のリズムを作る平本一樹が効いている。今節は前節の退場処分でＦＷ飯尾一慶が出場停止だが、入れ替わりに前節は出場停止だったＭＦ河野広貴が復帰。河野、ＭＦの菊岡拓朗、高木俊幸＆善朗兄弟など、細かなパスワークもドリブルの仕掛けもうまい攻撃陣が、攻撃的なサッカーの千葉の守備の隙を狙ってくるだろう。
前節の東京Ｖがセットプレーからの平本のゴールで１−０の勝利を収めているだけに、千葉は課題のセットプレーの守備にも十分注意したい。帰宅時の足取りが重くなるほどつらく苦しかった練習は、今節からまた走りきり、勝ちきるため。その成果を見せてほしい。
以上
2010.05.21 Reported by 赤沼圭子
