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ヤマザキナビスコカップ特集ページ | 皆の投稿で作るスタジアム情報
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およそ1ヵ月半前の記憶はいまだ頭の片隅に鮮烈な印象を残している。J1第5節、湘南は埼スタで浦和に1−2で敗れた。敗者にとって一概に悪い内容とは言えなかったが、反面、力の差を見せつけられた感は否めない。ボールを失えば浦和はすかさず取り囲み、戻りも速い。ほんの一拍の遅れが手の届かぬ永遠であるかのように、攻撃から守備への徹底した切り替えが湘南の速攻を許してくれなかった。かたや彼らの攻撃は鋭い。先制点となったポンテのPKをはじめ、前半にしるされた湘南の4枚の警告のうちの3枚は浦和のカウンターに端を発していた。
「優勝できる力がある」と、反町康治監督は折に触れて浦和を評している。事実、ポゼッションはもちろん、攻守の切り替えに明らかなように、統率された組織のなかで個が活きている彼らのチームとしてのパフォーマンスはソリッドで洗練されている印象だ。
湘南は今節、その浦和を迎えることになる。両者の平塚での対戦は、ひも解けばともにJ2で迎えた2000年までさかのぼる。当時から支えてきたサポーターにとっては感慨もひとしおだろう。
「ボールを奪ったあとのプレーを大事にしたい」そう語るのはFW中山元気だ。くだんの浦和戦に途中出場し、後半ロスタイムに一矢報いている。
中山は続ける。
「自分がゴール前に抜け出したときのように、チームの走力を活かし、前を向いてボールホルダーを追い越していけるといい。みんなで同じ絵を数多く描ければ、勝つチャンスはきっと来るはず。個人としてもチームとしても積極的に、らしくプレーしたい」
中断まえ最後のリーグ戦となったG大阪戦の翌日には、磐田と練習試合を行なった。オフ明けはサーキットトレーニングに始まり、タフなメニューをこなしている。田村雄三が左ヒザ関節内クリーニングのために手術を行ない、野澤洋輔の状態も心配される一方、奮起が期待される選手たちの意気とピッチから伝わってくる熱が馬入の冷気をも吹き飛ばす。反町監督も、「選手はいい緊張感を持ってトレーニングしているし、研ぎ澄まされた精神状態にある。彼らのそうした気持ちに期待している」と週末を見据えた。
思えば、動きの質や攻撃を最後までやりきるといった課題が浮かんだくだんの浦和戦を機に、湘南は自分たちの戦いをあらためて見つめ直したものだった。ふたたび相まみえる今節は、歩の進みを確かめうる一戦とも捉えられる。ヤマザキナビスコカップでは阿部勇樹と田中達也という湘南戦でもとりわけ目を引いた両名が日の丸のために抜けるが、層の厚い浦和はメンバーが代わっても道標となろう。リーグ戦18位からリスタートする湘南にとって、内容を得たい週末である。原点を思い、活き活きと躍動したい。
以上
2010.05.21 Reported by 隈元大吾