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--試合速報--
ヤマザキナビスコカップ特集ページ | 皆の投稿で作るスタジアム情報
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川崎Fと並びJ最多の4名をW杯に送り込む名古屋だが、それだけに残るヤマザキナビスコカップ予選は苦戦を強いられることになる。リーグ屈指の選手層を誇るといえども、代表クラスの選手を欠けば戦力ダウンは必至。それが攻守の要であればなおさらだ。守護神・楢崎正剛とDFラインの統率者・田中マルクス闘莉王、チャンスメーカー玉田圭司に攻撃の基準点ケネディ。まずは彼らの代役を見つけることからゲームはスタートする。
GKのポジションは、西村弘司と高木義成が争う。いずれ劣らぬ実力者たちは、リーグで2試合ごとに交代でベンチ入りしており、おそらく指揮官の中での評価は五分。予選リーグ開幕戦では西村が出場しているため、今回は高木にチャンスを与えるかもしれない。闘莉王の代役は千代反田充で決まりだろう。リーグ浦和戦では致命的ミスを侵しているだけに、人に強い持ち味を存分に発揮し、汚名返上といきたいところだ。
一方で中盤から前は、代役探しとともに負傷者の穴を埋める作業に苦心しそうだ。現在、マギヌンと三都主アレサンドロが負傷離脱しており、リーグ戦で出番を得ているメンバーは12名。中盤はブルザノビッチ、ダニルソン、吉村圭司、中村直志のうち3名で、前線は巻佑樹を頂点に、金崎夢生と小川佳純が両サイドを固めることが濃厚だ。残るメンバーを鑑みれば、サブには若手が少なくとも3名は入ることになり、やや心許ないラインアップになる。彼らが予想をいい意味で裏切る好プレーを見せることは、この試合における重要な要素でもある。
しかも大宮は鈴木淳監督就任後から見違えるような動きを見せている。特に際立つのがボールを失ってからのボールへのアクションだ。いわゆるネガティブ・トランジッションが非常に速く、相手にビルドアップをさせる余裕を与えない守備が光る。リーグ12節では広島の定評あるビルドアップをさせずに、ロングボール中心のものに追い込み完封。得点こそなかったものの、復帰したラファエルと石原直樹のツートップは十分な脅威となっていた。191cmの長身DFマトのセットプレーも健在で、決して侮れる相手ではない。
名古屋はまず、大宮のハイプレッシャーをいかにしのいでいくかがポイントになってくる。闘莉王の正確なロングフィードからの攻撃が望めず、またそのプレーを抑えられた時の混乱はリーグ鹿島戦で露見したばかり。縦に速い展開を中心にしていた今季の戦い方より、昨季までのポゼッションサッカーの比重を強くしていく必要があるだろう。ボールに群がる大宮の選手たちをいなし、その上でゴールまで迫る攻撃を展開できるかは、増川隆洋や阿部翔平らDFライン、そして中盤の選手たちにかかっている。
現時点でリーグ得点ランキング単独トップに位置するケネディ不在による決定力低下は、チャンスの数でカバーするしかない。そのためにも名古屋の持ち味「だった」ポゼッションサッカーで、アグレッシブな大宮に対抗したいところ。メンバー、起用法、戦術面、すべてにおいて新たな可能性を見出したい一戦で、名古屋がどのような振る舞いを見せるか注目したい。
以上
2010.05.21 Reported by 今井雄一朗