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--試合速報--
ヤマザキナビスコカップ特集ページ | 皆の投稿で作るスタジアム情報
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5週間ぶりのヤマザキナビスコカップ予選リーグ。このリーグ中断期間に一気に決勝トーナメント進出チームが決定する。
そして、京都のホームで行われる第3節は、京阪ダービー。桜色の大阪・C大阪が4年ぶりに西京極のピッチに立つ。今季初の西京極でのダービー。カップ戦の緊張感を是非、スタジアムで。
京都、第12節で横浜FMから勝点1を獲得しリーグ中断に入る。ドゥトラの驚愕ドリブル突破から先制もPKを献上し同点にされた。左サイドバックの中村太亮はこう振り返る。「あの試合、2点取られてしまった。だけど、1点取られた後、みんなで集まって『まだ同点だから』と言っていた。まとまりがあったと思う」。
失点直後、角田誠がゴールにあったボールを拾い上げ皆を集めて気持ちを確認したのだ。そして、同点に追いつく。同点に追いついてからの残り10分あまり、「少なくとも3度の決定機を作った」(加藤久監督)というくらい横浜FMを追い込んだ。
興味をひかれたのは、横浜FMの意識。2−1とリードした後、攻撃の手を緩めて引いたのだ。そのため、京都の増嶋竜也と中村太亮の両サイド攻撃をより輝かせてしまった。そして、京都に同点にされた後、反撃に出ようにも攻撃に迫力を出せなかった。
一度引いた気持ちを再び盛り上げることが出来なかった様に観えた。疲労だけではないだろう。前節、京都が清水にやられた心理状態に似たものがある。気持ちの落ち込み、別に京都だけではないのだ。
対戦するC大阪。注目点は絶対的エース・香川真司の離脱だ。そこには大分から移籍した清武弘嗣が入ることが予想される。リーグでは2試合に出場している清武はテクニックがあり、タイプ的にも香川と似た点があるためC大阪としては戦い方は変わらないはずだ。京都・加藤監督は警戒ポイントに「まずボールを失わない」と家長昭博を指した。家長、清武、さらに乾貴士とテクニシャンを揃える中盤のアタックは脅威。個人技、そして細かなパス交換が攻撃の核となるだけに、そこを集中高く守ってのサイドの攻防が、今節のポイントとなるだろう。
増嶋と中村太。京都にとっては常にだが、彼らの出来が勝負を左右する。特に増嶋は第5節の対戦でC大阪守備陣の裏を取りながらもシュートを防がれた悔しい記憶もあるだろう。指揮官は増嶋の攻撃について「すごくいいアタックを見せている」と称賛している。増嶋が借りを返すか、見どころだ。
「リーグで勝点3は取れていないけどまとまっているし、トーナメントに出たい」と、横浜FM戦で同点ゴールを挙げた宮吉拓実は話した。先述した角田が皆を集めた事も含め、京都、まだ少しだが、空気が変わり始めている。
横浜FM戦の残り10分の中で右からのクロスにディエゴがダイレクトシュートを放つ場面があった。あの瞬間、左サイドの中村太は猛然とGKに詰めて行っていた。そして、GKがこぼさないと判断すると今度は振りかえりもせずにダッシュで守備に戻って行ったのだ。「ボールの状況を観ながらやっているし、練習でやっていること」と本人は話すが、この動きこそ、柳沢敦がいつも口にする「ピンチの瞬間、チャンスの瞬間をどう感じるか」と同じはずだ。
そして、加藤監督はこうした練習での動きを出すのに「半無意識」というキーワードを出し、意識しての動きと無意識に体が自然に動く状態のバランスを表現した。「一戦、一戦の中で、(例えば『絶対に負けられない』とか)意識することが多い。そうではなくて半無意識化するまでサッカーに集中することが大事」としたのだ。
横浜FM戦、同点に追いついたことで京都の半無意識化はこれまでになく高まっていた。それは宮吉や加藤弘堅だけでなく、守備陣の一人一人に至るまで、サッカーだけ、に集中していた様に観えた。だから、京都に流れる空気が変わり始めていると感じさせたのだ。
新潟は、第12節を勝利で終えリーグ中断に入る。9節からの4連勝である。今季、新潟が公式戦初勝利を挙げたのは4月14日のヤマザキナビスコカップ予選第2節。そして5月1日、リーグ今季初勝利を挙げることになる。カップとリーグは別ではない。勝利の感覚が、次に、絶対につなげてくれるはずだ。
予選突破へ。この京阪ダービーの結果が大きく左右するのは明白。そして、両チームとも勝利の感覚が一つでも多い方がいいのも明らか。互いに持ち味を出す好ゲームに期待がかかる京阪ダービー。テレビ中継もない試合です。是非、サポーターの皆さん、西京極での応援をお願いします。
以上
2010.05.21 Reported by 武田賢宗