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【J1:第12節 磐田 vs 川崎F】レポート:試合への入り方でも球際でも上回った磐田が、3位の川崎Fに完勝。サポーターにも大きな満足感をプレゼント(10.05.17)

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5月16日(日) 2010 J1リーグ戦 第12節
磐田 3 - 1 川崎F (14:03/ヤマハ/14,760人)
得点者:2' ジウシーニョ(磐田)、10' 前田遼一(磐田)、49' レナチーニョ(川崎F)、66' 成岡翔(磐田)
スカパー!再放送 Ch308 5/18(火)11:00〜(解説水沼貴史実況八塚浩)
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キックオフから約1分10秒、駒野友一の右クロスに飛び込むジウシーニョ。彼は昨年7月末に右膝に大ケガ(前十字靱帯断裂および半月板損傷)を負い、このゲームでようやく復帰したばかり。そのヘディングは、約10カ月ぶりの公式戦でのファーストタッチだった。それをゴール左隅ギリギリに決めてしまうあたりは、「ジウシーニョは何か持っている」と柳下正明監督に言わしめる、彼の勝負強さだった。
しかも、それはミーティングで「井川祐輔(右センターバック)と森勇介(右サイドバック)の間に入っていけ」と言われていた通りの形。ケガから復帰したばかりの稲本潤一を前田遼一がドリブルであっさりとかわしたところから始まり、駒野のクロスも素晴らしい精度とスピードだった。

試合後のコメントでは、磐田側は総じて「試合への入り方が良かった」と語り、川崎F側は逆に「入り方が悪かった」と振り返った立ち上がり。それは両チームの出足の差にもはっきり表われていた。磐田はセカンドボールに対する反応も良く、球際の厳しさでも川崎Fを上回って、主導権の握り合いにおいて優位に立つ。それに対して川崎Fは、アンカーの稲本が動きに精彩を欠いた影響もあって、相手の後手を踏むことが多く、なかなか自分たちのリズムを作れなかった。
そして10分には、カウンターから西紀寛の好パスでイ・グノが右サイドに飛び出し、左足でクロス。これをファーサイドに開いてフリーになった前田が角度の無いところから頭で押し込み、早くも磐田が2点目を奪った。
この序盤の2得点は、試合展開にも大きく影響する。その後、川崎Fがポゼッションする時間はある程度増えたが、磐田のほうは素早くコンパクトな守備のブロックを整え、冷静な対応でつけいる隙を与えない。局面局面でのボールに対する出足でも磐田が上回り続け、川崎Fはボールを持っても主導権は握れないという展開が続いた。その結果、前半の川崎Fのシュート数は、わずか3本に抑えられた。

また、その中で大きく明暗が分かれたのが、磐田の右サイドvs川崎Fの左サイドの攻防だ。この試合に4-3-3で臨んだ川崎Fは、磐田の武器である駒野が攻め上がったときは、左FWのレナチーニョが付いていくという約束事だった。川崎Fが主導権を握る展開であれば、駒野を深い位置まで押し込むことができ、そのプランでも大きな問題にはならなかっただろう。だが、逆の展開になると、レナチーニョは駒野に付いていくことができない。
さらに、「レナチーニョが左サイドから中に入るので、マイボールになったときに、右サイドにはスペースがある。そこが我々のストロングポイントとちょうど合ったと思う」と柳下監督が語った通り、駒野は自陣内でもフリーで前を向いてボールを持てる場面が多く、攻め上がったときも易々とフリーになれる状況。右MFの西に、イ・グノや前田が絡んで高い位置で起点を作り、駒野がフリーでクロスを上げるシーンを数多く作った。

そして、12分には駒野の右クロスから前田のヘディングがバーに当たり、18分にも駒野がゴールライン際までえぐって惜しいクロスを入れる。そんな中で、寺田周平を右膝の痛みで欠いた川崎Fは、2失点のシーンも含めて、クロスに対するゴール前のマークの甘さが浮き彫りになってしまった。
そのため川崎Fは、前半のうちに布陣を4-4-2(あるいは4-2-3-1)に変更し、田坂祐介を左サイドに移動させて、駒野を見張らせるやり方に変えざるを得なかった。

後半に入ると、川崎Fはコンディションの良くない稲本に代えて楠神順平、鄭大世に代えてヴィトール・ジュニオールと、ハーフタイムで2人を交代。布陣は前半の途中からと同じで、中村憲剛と田坂のボランチ、右MFに楠神、左MFにヴィトール、トップは黒津勝とレナチーニョという形で反撃を試みた。
一息ついてネジを巻き直した川崎Fは、今度は入り方で上回り、立ち上がりから押し込む展開を作る。そして4分には、自陣左サイドでボールを奪ってからのカウンターで、ヴィトールがドリブルで攻め上がり、黒津の左クロスからレナチーニョがボレーで決めて、早々に1点を返すことに成功した。
逆に磐田にとっては、2点をリードしていながらカウンターで簡単に失点してしまったことは、今後に向けて大きな課題になる。ただ、その後さらに勢いづいた川崎Fに対して、冷静に対応できたという部分では、チームの進化を証明した。もちろん、前半に比べれば川崎Fがゴールに迫る場面は増えたが、磐田は最後のところできっちりと対応し、後半も川崎Fのシュートを4本に抑えた。

さらに、21分にはイ・グノの右からの低いクロスから、交代出場(後半14分〜)の成岡翔がニアにスライディングで入って流し込み、貴重な追加点を奪う。成岡自身も、そうしたゴール前への飛び込みは、常に狙っている形。ジウシーニョの復帰でスタメンを外された悔しさに対して、結果で答えを出す大きな1点となった。
その後も、磐田が落ち着いた守りを継続し、DFラインを引きすぎることなく対応。それほど危ない場面を作られることのないまま2点のリードを守りきり、タイムアップの笛を迎えた。
これで磐田は、ホームで4戦無敗(3勝1分)。今季一番の入場者数(14,760人)となった中断前最後のホームゲームで、試合内容においてもサポーターを大いに喜ばせる戦いを披露できたことが、何より大きな収穫だった。

以上
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