5月16日(日) 2010 J2リーグ戦 第13節
福岡 2 - 1 横浜FC (13:03/レベスタ/6,137人)
得点者:10' 大黒将志(横浜FC)、75' 田中誠(福岡)、82' 永里源気(福岡)
スカパー!再放送 Ch182 5/20(木)14:30〜(解説吉村寿洋実況南鉄平リポーター森田みき)
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時間は82分、右サイドから宮路洋輔が投げ入れたスローインが大久保哲哉の頭上を越えて、ゴール前にこぼれる。そこへ飛び込んできたのは永里源気。激しくDFと競り合いながらも体勢を崩さず、レベルファイブスタジアムに集う福岡に関わる全ての人たちの思いを乗せて右足を振り抜いた。揺れるゴールネット。突き上げる両拳。そして大歓声がスタジアムを包みこむ。 誰もが待ち望んでいた逆転ゴールに、スタジアムのボルテージは最高潮に達した。
そして、4分のロスタイムを経て試合終了のホイッスルが鳴る。福岡は今シーズン初の逆転勝利を挙げた。
福岡にとっては苦しい戦いだった。立ち上がりの主導権を奪いながらも先制点は横浜FC。10分、福岡が最も警戒していたセットプレーから、最も警戒していた大黒将志に奪われる。その直後の11分には中町公祐が、さらに27分にも丹羽大輝が、決定的なシュートを放つが、GK大久保択生のファインセーブに阻まれてゴールが奪えない。やがて福岡の攻撃に手詰まり感が漂い始める。
先制された試合の成績は2分5敗。ボールを一方的に支配するものの、守りを固める相手を崩しきれないのがここまでの福岡。このゲームでも、先制点を奪ったことで素早くブロックを作って待ち構え、福岡のミスに乗じてカウンターを仕掛ける横浜FCの前に、過去の試合と同じような展開を繰り返した。そして前半は0−1で終了。いつもと同じことの繰り返しにスタジアムを閉塞感が包む。
しかし、後半に入ると流れが変わり始める。「せっかく先制しているのに、どっちが勝っているのかわからない状況だった」(田中輝和・横浜FC)。第4節から5連敗。そして第10節から3連敗中というチーム事情が影響しているのか、横浜FCから積極性が消えていく。それに乗じて、永里がこれでもかとばかりに縦への仕掛けを繰り返していく。「4連敗している時(第6節〜9節)はアグレッシブさが足りないなと感じていた。今は自分の一番の持ち味である縦へ仕掛けることを毎試合、毎試合続けて出していこうと思ってプレーしている」(永里)。その永里のプレーが福岡に勢いを取り戻させた。
福岡の同点ゴールは75分。ゴール前の混戦から田中誠が頭で押し込む。「福岡に来て初めてのゴール。ようやくチームに貢献できたという気持ちになれた。サポーターの方たちが喜んでくれる気持ちが本当に嬉しく思えた」(田中誠)。これで一気に流れは福岡へ。逆転ゴールは時間の問題だった。そして82分、先制されると勝てないという呪縛を解き放つゴールを永里が奪った。
12試合中8試合で先制点を許し、総失点の半分がセットプレーからのもの。そして、守備意識の高いチームを効果的に崩す手立てに欠けるなどの福岡の課題が、この試合で全て解消したわけではない。しかし、苦しい試合でも勝点3を奪う力はJ1昇格に欠かせないもの。上位進出を狙うためにも、新たなステップに進むためにも、福岡にとっては勝点3以上の価値のある試合。「今日の勝利は大きかった。意味のある試合になった」。中町は試合をそう振り返った。
一方、横浜FCはこれで4連敗。苦しいチーム状況を抜けだす明かりは見えなかった。「いろんなことが重なっているような気がする」と絞り出すように話す岸野靖之監督の姿が、それを物語る。1人、1人の選手は間違いなく戦っている。しかし、それが一つの糸で結ばれていないように見える。
この日は逃げ切れない部分がクローズアップされたが、それ以上に気になったのがキックオフ直後から緩慢なプレーが連続したこと。結果として粘れなかったことよりも、厳しい状況を脱しなければならないにもかかわらず、集中力と積極性を欠くプレーを繰り返したことに問題の本質が見え隠れする。まずはチームとしての統一感を身に付けることが最優先のように見える。
さて、4月に1つも勝てなかった福岡だが、5月に入って2勝1分。チームが目指すアグレッシブでスピーディーなサッカーが戻ってきた。加えて、「大量得点ではなく、1−0や、2−1の試合を増やさないといけない」と選手たちが常々口にしていた勝利を手にした横浜FC戦。まだまだチャレンジしなければいけない部分は多いが、この日の勝利は、チームが新たなステップへ進むための原動力になることは間違いないだろう。そして、この日の本当の価値は、次の試合の内容と結果で決まる。次節の福岡の相手は北九州(5/22@本城)。福岡は、今シーズン3度目のバトル・オブ・九州を制することで更なるステップアップを目指す。
以上
2010.05.17 Reported by 中倉一志
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