5月16日(日) 2010 J2リーグ戦 第13節
札幌 2 - 2 大分 (13:03/室蘭/7,208人)
得点者:4' キリノ(札幌)、31' 森島康仁(大分)、41' オウンゴ−ル(札幌)、77' チェジョンハン(大分)
スカパー!再放送 Ch185 5/19(水)14:00〜(解説大森健作実況永井公彦リポーター藤井孝太郎プレーヤー解説堀井岳也)
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終盤は両チームが得点を求めて激しくボールにアプローチし、肉弾戦の様相に。どちらも勝点3を求めてタフに戦った試合だったが、結局は2−2のスコアのままタイムアップの笛を聞いた。
この試合、札幌も大分も前節から変化をつけて臨んでいた。札幌は開幕から左サイドバックの定位置を確保していた岩沼俊介が全治3ヶ月の負傷( /jsgoal_archive/official/sapporo/00101258.html )で離脱中、前線の近藤祐介も腰痛で欠場するなど、負傷離脱者が目立っていた。一方の大分もセンターバックのチャン・ギョンジンが負傷( /jsgoal_archive/official/oita/00101084.html )で、攻撃の大黒柱であるキム・ボギョンも韓国代表合宿のため不在。双方に人材的な問題があり、札幌は前節まで採用していた3−5−2のシステムから4−2−3−1へと変更。大分も基本システムだった4−4−2から、リベロに菊地直哉を置いた3−5−2へと変えていた。
そうして始まった試合は開始直後から動く。4分、高い位置でボールを奪ったキリノがそのままドリブルで持ち込んでシュート。当たりの強さとスピードという、キリノの武器がモロに発揮される形で札幌が先制点を奪ったのだ。
この日のキリノは大分にとって脅威となっていたはずだ。開幕からしばらくはなかなかコンディションが上がらず無得点試合が続いていたキリノだったが、前節も含めてこの試合では「キリノの特徴を活かす」(石崎信弘監督)という狙いから、札幌は前線のスペースにシンプルにボールを送り込むプレーを増やし、キリノの良さを引き出した。そのプレーからキリノが抜け出し、チャンスになるという場面がこの試合では何度もあった。
そうした状況を受けて、前半途中に大分の皇甫官監督が早くも動く。3バックの中央にいた菊地を中盤に上げ、4−4−2のシステムに変更をしたのだ。これはもう当然の策だろう。左右アウトサイドにスペースがある3−5−2ではキリノに有効なスペースを与えてしまうため、ここに人を配置するシステムにすることでキリノの突破にフタをしてしまおうということだ。
そして、この采配は攻撃面にも機能していた。3−5−2のときには中盤の底でプレーしていた東慶悟が、システム変更により左MFに位置に上がる。精度の高いキックを持つこの選手がより前目の位置に移ったことでチャンスの質が高まったのである。また、それまではトップ下にいる内田昂輔が飛び出すためのスペース作りも意識しなければならなかったため、森島康仁、チェ・ジョンハンの2トップの動きにはどこかぎこちなさがあったが、「慣れている」(皇甫監督)という4−4−2に戻ったことで動きが整備されたのである。そして31分、東からのパスを受けた森島がボックス内で強さを見せ、同点ゴールを流しこんだ。
41分のオウンゴールにより札幌が2−1でリードして突入した後半。その立ち上がりは札幌が優位に立った。高い位置でパスがスムーズに回るようになり、チーム全体のテンポが良化していったのである。50分過ぎには敵陣のバイタルエリア付近で何本ものパスが上下左右にリズム良く動き、非常にリズミカルな攻撃を披露。札幌は勢いを増していった。
パスが回るようになった要因としては、新加入選手や今季からポジションを得た選手に負傷離脱があったことで、ピッチ上のメンバーが昨季の長丁場を戦ったメンバーとほぼ同じになったということが挙げられるだろう。51試合という昨季のリーグ戦を戦ったメンバーは、連係面の部分ではかなりの熟成度があると言っていい。近藤が持つ力強いドリブル突破といったような飛び抜けた武器はないが、パスワークの部分では一日の長を発揮し、リズムを生み出したのである。この辺りは、昨季から大きくメンバーが入れ替わった大分にはないアドバンテージだった言える。
ただし、ここで積極的に動いた皇甫監督のベンチワークが試合の流れを見事に変えた。64分、前田俊介を前線に投入し、東を左に、チェ・ジョンハンを右のサイドに張らせる4トップに近い形へとシフトチェンジ。そこにダイレクトでパスを供給することで札幌のラインを深く押し下げることに成功したのだ。
そして77分、大分は敵陣深くでFKを獲得し、この好機からチェ・ジョンハンが押し込んで再度同点としたのだが、そのFK獲得は札幌MF砂川誠に倒されて得たもの。敵陣深くで相手MFに倒されたということは、やはりチームとして札幌を押し込んでいたということなのだろう。
そして、タイムアップ。3連敗をしていた大分としては勝って連敗を止めたかっただろうし、3戦負けなし中だった札幌も勝って勢いをつけたかったはず。そうしたこともあって終了間際は激しいフィジカルコンタクトの場面が幾度も見られ、白熱したゲームとなった。分け合った勝点1を今後どのように生かしていくか、それが両チームの大きな課題となるはずだ。
以上
2010.05.17 Reported by 斉藤宏則
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