5月16日(日) 2010 J2リーグ戦 第13節
栃木 1 - 0 富山 (16:03/栃木グ/3,330人)
得点者:27' リカルドロボ(栃木)
スカパー!再放送 Ch182 5/17(月)12:30〜(解説田中真二実況篠田和之リポーター萬代裕子)
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J2参入同級生のカターレ富山を1-0の僅差で撃破し、栃木SCはホーム2連勝を飾り、6位に浮上した。これで9試合負けなし、4試合連続無失点。「負けない栃木」の要因を問われた松田浩監督の、会見での受け答えが興味深い。「コミットメント」、「戦闘集団」、「一戦必勝」と、今季を戦う上でのキーワードが凝縮されていたからだ。ワンプレー、ワンプレーに魂を込め、責任感を持ち、眼前の試合を死に物狂いで取りに行く集団こそが、2010年のチーム始動日に指揮官が思い描いた理想の形。一足飛びにとはいかなかったものの、つまずいた開幕戦の頃と比べれば、確実な成長が見て取れる。キャンバスの空白は、かなりの部分が塗り潰され、完成形へと近付いている。だからこそ、栃木は好調を維持できている。
前節、結果を残した3バックから本来の4バックへと戻した富山は、栃木のDFラインを引っ繰り返すボールを供給し、苔口卓也の持ち味であるスピードを活かした攻撃を徹底。11分には苔口がミドルを飛ばした。栃木はリズムが掴めずに苦しむも、相手ペースの時間帯を自慢の堅守で耐え抜き、22分に米山篤志の絶妙なパスに高木和正がダイアゴナルランでペナルティエリアへと侵入。高木の鋭い動きに付いていけなかった中田洋平がファウルを犯しPKを獲得する(中田は一発退場)。しかし、リカルド・ロボはGK中川雄二の間合いに入ってしまい、PK失敗。
得点機を逸するも、「いつまでも悲しんでいる時間はない」と気を取り直したロボ。嗅覚を働かせたのは27分。岡田佑樹が右サイドで2人をかわし、GKとDFの間、ここしかないというポイントに入れたボールをワンタッチで仕留めた。ミスに気落ちせずに、ひたすらゴールを目指す。ストライカー気質を有する“ゴールゲッター”ロボの強いメンタルがゴールを引き寄せた。
「相手が1人少なくなったこと、1点リードしていることで少し慎重になっているように感じた」(松田監督)
先制後の栃木に勢いは見られない。自らのミスを引き金にカウンターを食らうシーンが散見されたからだ。アグレッシブさが失われたことで数的優位も霞んでいく。数的不利の富山が盛り返し、50分には足助翔から苔口にパスが渡り、最後は後方から走り込んだ渡辺誠が至近距離でシュート。だが、無情にも枠を捕らえきれず。絶好機を逃した富山は朝日大輔のボールに触れる回数の増加と共に反撃態勢を強めるも、栃木が要所を締めながら上手くゲームを運んだことで勝点3を奪い取られた。
敗れた富山はアウェイ6戦6敗。結果は残せていないが、終了のホイッスルが鳴るまで戦い抜く姿勢は貫かれ、「残り時間が少なくても、どっちの人数が多いのかなと思うくらいだった」と楚輪博監督は選手の健闘を称えた。試合内容への確かな手応えはあるが、結果に繋がらないからもどかしさは募る。「ひとつ何かが変われば波に乗れると思う」と川崎健太郎が言えば、黒部光昭は「内容が良くなっているということは挽回できるチャンス」と付け加えた。楚輪監督は信じている。「この頑張りを続ければ結果は出てくると思う」。未勝利のアウェイで勝点を得るためのきっかけが欲しい。
勝ったものの松田監督は今後さらなる飛躍を果たすために、相手が1人少ない状態での試合運びに注文を付けた。もっと楽に試合を進められるはずだ、と。ただし、1点を守り切る困難さを考えれば価値ある1-0だとも解釈している。今季初の1-0での勝利を佐藤悠介は、こう振り返る。「こういうゲームをやると、もうひとつ強くなれると思う」。
これまでは複数得点を挙げなければ勝てなかったが、最少得点差でも勝てた事実はチームにまたひとつ自信を加えた。「負けて学ぶこともあるが、勝って学べるようにしたい」とは昨季、米山が頻繁に口にした言葉だ。数的優位を活かし引いた相手を攻め崩す課題を富山からもらったが、勝って学べるようになったことは大きなステップだ。
次節は“目の上のたんこぶ”5位・ロアッソ熊本との直接対決(5/22@水前寺)。「J2戦国時代」の風雲児となるのは栃木か、熊本か。昇格争いに首を突っ込むためのチケット争奪戦は激戦必至だ。
以上
2010.05.17 Reported by 大塚秀毅
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