5月15日（土） 2010 J1リーグ戦 第12節
Ｆ東京 2 - 2 清水　（14:04／味スタ／28,114人）
得点者：26' 平岡康裕（清水）、68' 藤本淳吾（清水）、85' 長友佑都（Ｆ東京）、87' 松下年宏（Ｆ東京）
スカパー！再放送 Ch186 5/17（月）07:30〜（解説前田秀樹実況田中雄介リポーター日々野真理）
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F東京が清水と味の素スタジアムで対戦し、２−２で引き分けた。勝点１を分け合ったが、「前半からF東京のペースだった」と、長谷川監督が話すとおり、主導権はF東京が握り続けた。試合開始からチームとして粘り強くボールを保持してゴールへと迫ったが、先にゴールネットを揺らしたのは清水だった。前半25分、小野伸二が右サイドからのFKをニアサイドに放り込むと、走りこんだ平岡康裕が頭で合わせて先制点を奪う。小野が「練習どおり」と語る快心の形でスコアを動かした。F東京はボールを保持して穴を探るが、清水は守備のバランスを崩さなかった。

１−０のスコアのまま前半を折り返すと、F東京の城福浩監督は、ここから交代カードを次々と切っていく。まずリカルジーニョと、赤嶺真吾をピッチに送り出して4-1-4-1システムへと変更させる。ワントップには赤嶺が入り、中盤のトップ下は徳永悠平と平山相太が務める。両サイドには突破力のある石川直宏と、リカルジーニョを配置した。この形で攻め入るも、ゴールは奪えない。

逆に清水が追加点を奪う。68分、中央右からのFKを、藤本淳吾が直接ゴールへとねじ込む。左足から放たれたボールは壁の上を越えて、ゴール右上へと突き刺さった。だが、「（F東京は）０−２になってからやることがはっきりしたと思う」と、本田拓也。2点のビハインドを負ったF東京はここからさらに攻撃的にシフトする。

「セットプレーで効率よく点が取れて、逃げ切ればいいと考えていました。ですが、最後は、負けなくてよかったという展開になってしまった」（清水・長谷川健太監督）

そこで城福監督は、石川に変えて松下年宏を投入する。長友佑都を右サイドハーフに置き、今野泰幸も中盤へとポジションを変える。

攻撃的なポジションへと移った長友が85分に、清水の堅牢をこじ開けた。GK西部洋平が弾いたボールをダイレクトで蹴り込むと、長友の右足から直線で結ばれたようにゴールへと突き刺さった。そして、87分には自陣でボールを奪うと、長友がドリブルで相手陣内へと攻め入り、サイドに流れた赤嶺へと繋ぐ。中央に放り込んだボールは相手DFがクリアするが、そのボールを松下が叩き込んで同点ゴールを挙げた。その後も、一方的にゴールへと迫ったが、清水も粘り強く守って２−２で試合終了の笛が鳴った。

「優勝を目指すF東京と勝点を分け合えたのは冷静に考えれば、悪くない結果」と長谷川監督。小野が体調不良でベストコンディションではなかったことを考えると、最低限の勝点を持ち帰ることに成功した、清水にとっては悪くない結果だった。

F東京は前節山形戦で３−０の快勝を収めた。その勝利を支えたのが、「相手が嫌になるほどのパスワーク」（城福監督）だった。攻撃時に、中盤のサイドハーフのポジションを下げて、ボランチを３枚にする。最終ラインと、その３ボランチで粘り強くボールを回して相手の体力を奪った。梶山陽平を欠いたチームのオプションとしては、大きな効果を発揮した。

逆に今節は、梶山がフル出場を果たしている。中盤で高いキープ力を持つ梶山をアンカーに置くことで攻撃に人数を割くことができた。このオプションで、リーグ１、２を争う清水の堅い守備をこじ開けたといえる。

これでリーグは一時、中断する。F東京は５戦未勝利が続くなど、リーグ前半戦は期待通りの活躍ができなかった。だが、後半戦に向けて「手ごたえがある」と、城福監督は語る。試行錯誤の中で手に入れた様々なオプションを駆使してリーグ戦での巻き返しと、ナビスコ連覇を狙う。　

以上

2010.05.16 Reported by 馬場康平