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【J2日記】熊本:ケガ人ゼロの舞台裏 (10.05.10)

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(C)井芹貴志

ウォーミングアップ、クールダウンでも先頭を走りながら、選手たちの様子に気を配る

(C)井芹貴志

全体練習後も、各選手の求めに応じて体幹トレーニングの指導などを行なう

12節までを終えて5勝4分3敗の勝点19で6位と、開幕から1桁順位を維持している熊本。この成績を支えている最も大きな要因が、最後まで走り切れるようになったことだ。

熊本は今シーズン、高木琢也監督が就任会見で語った通り、プレシーズンから徹底的に走り込んだ。しかしプレシーズンだけ鍛えれば1シーズン通して戦い抜くフィジカルが完成するかと言えばそんなはずもなく、シーズンに入ってからも継続した強化が行なわれている。

そうした面でチームを支えているのが、大塚俊介フィジカルコーチだ。開幕前は「1日10kmを目安に」という高木監督の要望に応える形でランニング中心のトレーニングメニューを組み、シーズンが始まってからも、ゲーム明けの身体を起こすトレーニングや、戦術メニューに入るまでのウォーミングアップなどを取り仕切る。当然、ランニングの時には選手たちと一緒に、しかも後ろを振り返って声をかけたりバックステップを入れたりしながら走るわけで、そのキツさはもしかしたら選手以上、かもしれない。

そうした取組みが成績にも表れているわけだが、もう1つの大きな成果が、負傷などで長期離脱した選手が開幕してから1人もいないこと。前節、見事なアシストを記録した宇留野純が一時期肉離れで戦列を離れていたが、復帰までに長い時間はかからなかったし、普段の練習でも別メニューの選手がいない状況は過去にもあまり例がない。
「“走れるようになった”とか“足がつらなくなった”という感覚は、選手たちにもあるみたいですね。長い距離を走る事で血液の循環が良くなって、足がつりにくくなる効果はあります。筋肉に負荷をかけることで補強的な意味合いもあるので、結果的に怪我の予防に繋がっているのかも」。

走らなければサッカーにならないが、やっぱりしんどいから「基本的には、皆フィジカルは好きじゃない(笑)」と認める。だが、特に今季から加入の南雄太や渡辺匠といったベテラン選手が積極的に体幹トレーニングに取り組んだり、声を出して雰囲気を盛り上げたりしてくれることで、「若い選手たちにも刺激になっているし、すごく助かっている」と笑う。

大塚が熊本に来たのは2008年。自身も横浜Fマリノスのジュニアユース、市立船橋高で選手としてプレー。プロ選手を目指していたが、選手としてもパフォーマンス向上を意識しながらトレーニングしていたことで、徐々に指導者への興味がわき始め、「行き着いたのがフィジカルコーチ」だった。
トレーニングに正解はなく、各種の研究発表やトレンドにも敏感で、他チームのフィジカルコーチとの情報交換にも余念がない。「やってみないと分からない部分もある」と、試行錯誤を繰り返しながら、常に効率良くトレーニングできる方法を考える。

そんな大塚に夢を聞くと、「大きな事言うといろいろ言われるのだけど」と、照れながらも答えてくれた。1つは、熊本のJ1昇格。そしてももう1つが、日本人プレーヤー全体のパフォーマンス向上に貢献する事だ。
「“日本人のフィジカルが弱い”っていうのは、国際的な舞台での逃げ道になっているのではないかと思うんです。そういう事を言われないようにしていきたいし、トップチームだけじゃなく、下部組織でもそういう面を整えていくことで、フィジカルだけじゃなく、トータルのパフォーマンスまで含めて変えていければと思いますね」。

夢の実現に欠かせない日々のトレーニングは、「監督やスタッフ、選手たちとの共同作業」。これから夏場を迎えて選手たちのモチベーションを上げる事も難しくなるが、トレーニングの成果がゲームで出る喜びを待ちながら、選手たちと一緒に、これからも大塚は走り続ける。

以上

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2010.05.10 Reported by 井芹貴志
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