本文へ移動

今日の試合速報

国立競技場に10,000名様無料ご招待 9/14 19:00KO 国立競技場 FC東京vs名古屋
国立競技場に10,000名様無料ご招待 9/14 19:00KO 国立競技場 FC東京vs名古屋

J’s GOALニュース

一覧へ

【J1:第11節 清水 vs 新潟】レポート:前半アグレッシブさを欠いた清水が、狙い通りに戦った新潟に完敗。今季初黒星を喫し、公式戦の開幕以来無敗記録は12でストップ。(10.05.09)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
5月8日(土) 2010 J1リーグ戦 第11節
清水 0 - 2 新潟 (15:04/アウスタ/15,396人)
得点者:19' 西大伍(新潟)、43' ミシェウ(新潟)
スカパー!再放送 Ch185 5/10(月)09:30〜(解説:三浦泰年、実況:田中雄介、リポーター:真鍋摩緒)
勝敗予想ゲーム | 皆の投稿で作るスタジアム情報
----------
清水にとっては、今季公式戦での初黒星。しかも、これまでの戦いで見られた勝負強さがほとんど感じられない0-2の完敗。これでは周囲から「小野がいないと勝てない」と言われてもしかたない。ただ、真の敗因は、もっと別のところにあったように思える。

前半の清水のシュートはわずか1本。きっちりと守備のブロックを整え、球際でも厳しくプレッシャーをかけてきた新潟に対して、まったく自分たちのリズムで攻めることができなかった。そこには新潟の戦略の影響もあった。
新潟・黒崎久志監督は、ボランチをあえて小林慶行と本間勲のベテランコンビに変えて、バイタルエリアに穴を開けないことを重視。DFラインも高く保って、中盤との距離をコンパクトに保ち、流動的に動く清水の3トップに良い形でボールを入れさせないことを徹底させた。また、警戒していたヨンセンへのロングボールに対しても、センターバックが粘り強く競って、周囲もセカンドボールをよく拾い、なかなかつけいる隙を与えなかった。
それに対して清水のほうは、「最近のゲームでは、前半は相手の様子を見てしまっているというか、慎重に入りすぎている部分がある」(長谷川監督)という状態。パスを出す側にも受ける側の動きにも、思いきりの良さや迫力が不足し、新潟にとってはパスを予測しやすい状況になってしまう。慎重であるがゆえに、かえってパスを止められてしまうという悪循環に陥っていた。もちろん、そこに小野伸二がいれば、自然にある程度の変化をつけられただろうが、小野がいなかったからダメだったという類の問題ではない。
さらに19分には、マルシオリシャルデスの右CKから西大伍にに決められ、先制点を奪われてしまう。清水にとっては2試合連続のセットプレーからの失点だが、新潟にとっては、他の長身選手に注意が集まる中、伏兵の西がうまくニアサイドに飛び込み、「あれは狙い通りの形」(西)という鮮やかな先制点だった。

その後も、清水の目が覚めることはなく、新潟は要所でパスをしっかりとつないで攻撃でもペースを握る。40分には、左サイドバック・酒井高徳のオーバーラップから、早いタイミングのクロスに矢野貴章が飛び込んで決定的なシュート。これはわずかに左に外れるが、点が取れそうな雰囲気という意味でも新潟のほうが上回っていた。
そして43分には、ゴール左のスペースにうまく飛び出した本間の落としから、ミシェウが持ちこんで右足でゴール左隅に決め、前半のうちにリードを2点に広げた。この場面での清水の守備は、人数は十分に揃っていたにも関わらず、ミシェウに対する寄せが遅れて容易にシュートを打たせてしまった。こうした守備の面でも、アグレッシブさという要素はたしかに欠けていたと言わざるをえない。

後半の清水は、リーグ戦初先発のセンターバック・廣井友信に代えて、高木純平を左サイドバックに入れ、フィードの良い児玉新をセンターバックに移動させて、攻撃の活性化を図った。チーム全体としても、ようやくアグレッシブな姿勢が強くなり、2分に藤本淳吾が、3分に伊東輝悦が惜しいシュートを放つなど、立ち上がりからチャンスを作って一気にリズムを立て直した。
「後半は、相手のイヤなところイヤなところに顔を出して、ボールを動かして展開できていた」(兵働昭弘)という言葉通り、3トップにも良い形でボールが入り、小野がいなくてもやればできるということを証明した。だが逆に言えば、なぜそれが前半からできなかったのか。この試合でもっとも悔いが残る部分だった。

後半だけで清水はシュート10本。完全にペースを握っていたが、今度は決めるべきところを決められないという問題が浮上する。この試合が通算100試合目の出場となった岡崎慎司も、14分には得意のダイビングヘッド、25分にはより決定的なシュートを放ったが決めきれない。「GKも見えていなかったし、自分がもっと余裕を持っていれば、決められたと思う」と彼自身も悔しさを口にした。

新潟の身体を張った守りやGK東口順昭のファインセーブにも阻まれ、結局清水は1点も返すことが2-0のままタイムアップ。後半の早いうちに1点を返していれば、少なくとも引き分けに持ちこめる可能性は十分にあったし、失点を1点だけに抑えていれば、逆転することも可能だったはず。それだけに、出場した選手たちにとっては、本当に悔しい初黒星となった。
シュートが入るかどうかは水ものという部分もある。だが清水の場合、入るときは次々に入るが、入らないときは打っても打っても決まらないという明暗が、試合によって大きく分かれる傾向があることは否めない。ここも、1年を通して安定した強さを発揮していくためには、克服しなければならない課題となってくるだろう。

もちろん、無敗で首位の清水に、狙い通りに完勝した新潟にとっては、非常に大きな自信となった勝利。3連勝という結果も、しっかりと実力で勝ち取ったものだということを、アウェーの地でサポーターに示した。

一方、無敗が続いていた清水は、それがイケイケの勢いにつながっていたのではなく、逆に流れを壊したくないという慎重さを生み出してしまっていた。そのことが、3人が出場停止になったこの試合で、大きく表面化したと言える。
 だとすれば、次に向けてより慎重になってしまうのは最悪のパターン。気持ちを切り替え、ある意味開き直って、昨年一度も勝てなかったFC東京(1分4敗)に対してアウェーでアグレッシブな戦いができるかどうか。それが本当に大事になってくる。

以上

2010.05.09 Reported by 前島芳雄
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2024/08/01(木) 20:45 ハイライト:広島vsシュトゥットガルト【Jリーグインターナショナルシリーズ2024 powered by docomo】