スカパー！生中継 Ch180 18:50〜（解説：長谷川治久、実況：寺西裕一、リポーター：林智美）
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順位的にも近いチームとの対戦が続くこともあり５月の４連戦を正念場の１つと捉えていた神戸だが、１日の新潟戦は黒星。５日に行われた前節湘南戦も先行する戦いをしながら堪え切れずにドローと相変わらず厳しい状況が続いている。それでも湘南戦は内容的には決して悪くはなく「これまでの試合に比べると攻撃にもタメが出来た時間帯も長かったし、あとはそれを90分間続けることだけ」とFW大久保嘉人。実際、それまでゴールの匂いがしない試合が続いていたことを思えば、この一戦はMFボッティ、FW大久保のところでタメが生まれたことで両サイドが効果的に攻め上がる回数も増え、中盤も含めて攻撃に厚みが見られた。ただし「２−１で逃げ切るチャンスも、３−１にするチャンスもあったのにそれが出来ずにもったいない」と三浦俊也監督が振り返ったように、どれだけいい内容の試合をしても、獲るべきところで獲り、守るべき時間帯を守り切れなければ白星は手に入らない。今節は改めてその辺りの共通理解を持って試合に挑む必要があるだろう。また、例年なら圧倒的な強さを誇る『ホームゲーム』で今季は、未だ１度しか勝利を挙げられていないというのも気になるところ。中断前最後のホームゲームとなる今節こそ、しっかりと『白星』を手にしたいところだろう。
「今節では前節で出来たことの精度をあげることと、出来なかったことについては短い準備期間しかないとはいえしっかり頭で整理した上で、チームが１つのユニットとして戦うこと。そうすれば結果は出てくる。ホームゲームということで三浦監督のもと、サポーターも含めて全員のベクトルをあわせ、みんなが神戸の勝利のために気持ちを揃えて挑みたい（FW都倉賢）」
注目は両エース対決。神戸のFW大久保嘉人と磐田のFW前田遼一だ。彼らのチームにおける存在感の大きさは今さら説明するまでもなく、同カードでの過去の対戦を振り返っても、それぞれチーム内で最多のゴール数を挙げているが（注：大久保２、前田３）それに加えて、今節はＷ杯メンバー発表前の最後のＪ１リーグ戦になる。その一戦で日本代表FWとしても注目を集める彼らが、どのようなパフォーマンスを示すのかはサポーターも気になるところだろう。
そのFW大久保については、今季奪ったゴールがPKでの１点のみと、得点に飢えている状況だが、本人は「特に気にしていない。そりゃあもちろん点は取りたいし、そのためには前にいたいけど、チーム状況からして、今は前にいても点が獲れないので。それなら中盤に下がって攻撃のタメを作ったり、攻撃を組み立てる役割に徹する方がチームのためになると思いますからね。今はとにかく勝ちたいので、そのためなら自分のゴールよりチームのためのプレーを選択したい」とコメント。自身のゴールへの思いを封印してでも、チームプレーに徹する決意だ。実際、彼が中盤に入ることで前線にタメが生まれれば、サイドで起点を作ることも、そこからクサビを入れて中盤を押し上げ、攻撃を作ることもスムーズになる。それに伴い攻撃の枚数も増えていけば、前節のようにFW都倉ら他の攻撃陣のゴールチャンスは増えるだろうし、大久保自身の得点チャンスも広がりをみせることだろう。
一方、FW前田遼一は前節の広島戦でチームを逆転勝利に導く２ゴールを挙げ、得点王争いでも川崎ＦのFWレナチーニョ、Ｃ大阪のFW香川真司とともに首位に躍り出た。もちろんこれは彼一人の力ではないが、彼自身のキレのある動きからも好調なのは明らか。プライベートでも、第二子が生まれるなど嬉しいニュースが彼の背中を後押しする要素になっているようで、今節もその勢いを繋げるべくゴールを狙いにくることだろう。一方、チームとしても前節の勝利後、柳下正明監督が「自分たちでボールを保持する時間を長くするというゲームができていたので、これをベースとして続けていきたい」と手応えを語ったように、安定した戦いができつつある。それを更に確実なものにしていくためにも、今季初の『連勝』を狙いたい。
以上
2010.05.07 Reported by 高村美砂
