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【J1:第10節 京都 vs 清水】レポート:柳沢敦のメモリアルゴールも、清水の猛攻の前に力尽きて逆転負けの京都(10.05.06)

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5月5日(水) 2010 J1リーグ戦 第10節
京都 2 - 4 清水 (13:04/西京極/14,016人)
得点者:31' 柳沢敦(京都)、34' ドゥトラ(京都)、54' 藤本淳吾(清水)、59' ヨンセン(清水)、78' 藤本淳吾(清水)、83' ボスナー(清水)
スカパー!再放送 Ch183 5/6(木)17:00〜(解説未定実況寺西裕一リポーター和田りつ子)
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第10節、西京極での京都と清水の戦いは、清水の鮮やかな逆転勝利で幕を閉じた。

京都は、柳沢敦、ドゥトラ、ディエゴの前線に、角田誠、片岡洋介、チエゴの中盤、左サイドバックに攻撃力を持たせようと中山博貴を配置した。相手の4枚のディフェンスに対し、柳沢ら3枚の前線がコントロールする形を取り、角田らの中盤がスライドして清水の中盤を潰しにかかった。
試合は、「前半は自分たちのリズムでサッカーが出来なかった。今日のゲームに向けてメンバーを代えて、その辺の勢いというところに前半は押された」と試合後に清水・長谷川健太監督が語る通り、京都のペースで前半は進んだ。その勢いそのままに、31分に、ドゥトラが落としたボールを柳沢が相手DFをかわしてゴール前に運ぶと落ち着いて決め、J通算100ゴール、そして第一子誕生を祝うメモリアルゴールで京都が先制する。そして3分後にはFKからドゥトラが頭で決めて、自身のJ初ゴールで京都が2−0とした。

後半、清水は兵働昭弘、辻尾真二を投入し、反撃に出る。そして54分に、エリア内で岡崎慎司のドリブル突破を倒されたことで得たPKを藤本淳吾が決めて1点差にすると、その5分後に小野伸二のクロスにヨンセンが頭で合わせ同点とする。
この後、69分に中山博貴が2枚目の警告で退場となり、京都は10人での戦いを強いられることになる。そして78分、エリア内で胸トラップをした岡崎を倒してしまい、京都は再びPKを献上。これをまたもや藤本淳吾に決められ、清水に2−3と逆転を許す。その直後に清水は太田宏介が2枚目の警告を受けて退場。両チーム10人対10人の同数での戦いになった。
だが、83分に30m以上はあろうFKを強烈な弾丸シュートでボスナーに決められ、京都は2−4と突き放されてしまう。そしてタイムアップ。2点リードしながらも、清水に逆転負けを喫した。

試合後、清水・長谷川監督は、2点リードされて焦りを感じていながらも「1点返せば流れがこちらに来る」と選手に話して後半へ送り出したことを明かした。その「流れ」を引き寄せたのは後半から投入された兵働と辻尾だ。辻尾は右サイドで積極的な攻撃を見せると京都の中山博貴を押し込む。さらに、兵働がやや引いて、つまり深みを持って京都のマークをかいくぐると、シンプルに前に出してリズムを作った。この兵働の判断の良さを長谷川監督は試合後「彼のプレー」と評したが、これが清水に落ち着きを与えた。こうした背景があっての押し込みで、それがPK獲得につながったのである。
この1点で反撃の狼煙を上げると、後は普段通りの清水だった。前線から、特に岡崎、ヨンセンの献身的な守備と本田拓也の判断の良い飛び出しからのチェックで京都の攻撃の芽を摘み、兵働、藤本が積極的に仕掛ける。こうして京都を制圧していった。
前半は、フォーメーションとメンバーを代えた京都に後手を踏み、京都ペースでの2失点。しかし、後半は清水がペースを握っての4得点。ラストのボスナーのFKも清水の武器の一つであることを考えれば、現在の実力、勢いの差というものを清水は、確実に、そして的確に発揮したと言えるだろう。

京都は、この敗戦を受けて、加藤久監督体制下では初となる最下位に転落した。
前節の大宮戦と似ていると感じさせる点があった。大宮FW石原直樹と清水の岡崎慎司、2人のFWに翻弄された点である。石原は2得点に注目が集まるが、それ以上に京都DFに執拗なプレッシャーをかけてきた。石原だけでなく、大宮MF・金久保順も同様に京都をイライラさせる様なプレッシャーをかけてきた。清水の岡崎は後半、積極的に裏を走ることで京都に揺さぶりをかけただけでなく、例えば後半10分、左サイドの中山のドリブルに付いて行きファウルを誘ったように、ボールに食らいついていく姿勢を見せた。こうしたボールを強奪するような中盤からの前のディフェンスで、京都はじりじりと追い込まれていった感じを受ける。
前半の京都はこのボールを奪いに行く守備を見せたが、後半、ボールに寄せる守備はあってもボールを奪いに行く守備はほとんどなかったのではないだろうか。前からの守備が、というよりも、全体的に危機感の希薄さを感じた。
点を取るしかない相手に執拗なボールへのアプローチをしかけられないと、結局、最終ラインにしわ寄せが来る。京都のゴール前でギリギリのプレーが続くのは、ここにも要因があるはずだ。それが、失点、或いはPK献上につながったのだろう。

「これまでの努力を続ける。後は我慢しかないのかなと思います」と加藤監督は試合後語った。だが、我慢では変わらないのではないだろうか。シーズン終盤の、あの残留争いに巻き込まれての「もう後がない」という状況のように、全体的に危機感をプレーに出さなければならないだろう。
10節を終えた段階だが、あえて、「京都、残留に黄信号」と警告を発したい。

以上


2010.05.06 Reported by 武田賢宗
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