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【J2:第11節 水戸 vs 横浜FC】レポート:水戸、攻撃的な姿勢貫き、木山体制初の横浜FC戦勝利! またもアクシデントに襲われた横浜FCは一体感を欠き、2連敗。(10.05.06)

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5月5日(水) 2010 J2リーグ戦 第11節
水戸 3 - 1 横浜FC (18:04/Ksスタ/3,466人)
得点者:27' 片山真人(水戸)、39' 吉原宏太(水戸)、88' 西田剛(横浜FC)、90'+2 森村昂太(水戸)
スカパー!再放送 Ch183 5/6(木)20:00〜(解説未定実況西達彦リポーター未定)
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やはり、木山隆之監督率いる水戸はこうでなくてはいけない。随所に攻撃的姿勢を見せて横浜FCを撃破。木山監督就任以来初めて横浜FCに勝利することとなった。

木山監督の攻撃的な姿勢が表れたのがシステムだ。これまでの4−5−1から4−4−2に変更。「家を出る15分前まで考えていた」(木山監督)そうだが、「2トップになったことは前から行けというメッセージだと思った」と吉原宏太が言うように、この決断が選手たちに勢いを与えたのである。中でも片山真人が入ったことが大きかった。「ガチャ(片山)があれだけキープしてくれたので、僕や森村(昂太)が前を向いてプレーができた」という大橋正博の言葉が示すように、183cmの身長を生かしたポストプレーで前線で起点を作り、厚みのある攻撃を生み出した。これまで攻撃の起点ができなかったことで、攻撃する時間が短くなり、劣勢の展開を強いられていたが、この試合では片山のポストプレーによって水戸は攻撃の形を取り戻すこととなったのである。

ただ、最大のキモは大橋のポジションであった。4−5−1ではトップ下を務めていた大橋だが、この試合では右MFに回った。この起用が「水戸らしさ」を取り戻す意志の表れとなった。横浜FCは左サイドに高地系治、寺田紳一といった攻撃的な選手を並べており、そこが強みであった。それに対し、水戸はどう対応するのか迫られた。木山監督は「4−5−1で(サイドに)フタをすることも考えた」というが、それよりも「先手を取りたい」(木山監督)思いが勝り、水戸の攻撃の柱でもある大橋を対峙させることにしたのである。その結果、「(大橋が)ボランチの横で良い持ち方ができていた」(木山監督)。大橋が中盤で主導権を握ったことで、横浜FCの攻撃力を半減させることに成功。そして、大橋がキープしながら時間を作り、藤川祐司のオーバーラップを誘発し、果敢に攻め込む展開に持ち込んだ。27分に藤川の強烈なミドルシュートのこぼれ球を片山が押し込み先制すると、39分には右サイドでの大橋と藤川のパス回しから左サイドへの大きな展開で横浜FCの守備を揺さぶり、最後は吉原がクロスを頭で合わせて追加点。サイドでの攻防で勝ったことが勝利に繋がった。「(大橋の右MF 起用は)トライだった」と話す木山監督の勝負師としての勘が冴えわたった結果となったが、指揮官の「攻撃的に戦う」という意志の表れが選手たちを躍動させ、それが勝点3に繋がることとなった。また、勝利を収めたことと同時に「自分たちの色を再認識できた」と本間幸司が言うように本来の「水戸らしい」戦いを取り戻せたことに大きな価値がある。「久々に胸がスカッとする勝利だった」と話す木山監督の笑顔は、攻め抜いた試合の後だからこそ最高の輝きを放っていた。

しかし、この試合を最も左右した出来事は試合前に起きていた。ウォーミングアップで横浜FC・寺田が左目を負傷。試合中、「(片目が)見えにくく、ぼやけて距離感が分からない」(寺田)状態で戦っていたという。それにより、足元にボールが収まらず、守備でも後手に回ることに。そうした背景が対峙した大橋の躍動を助長することとなった。横浜FCに起きたアクシデントと木山監督の攻撃的な意志が重なったことによって、両者の明暗がはっきり分けられた。

横浜FCにとってはまたしても不運に襲われた格好となった。だが、目の負傷だけでなく、前日夜から体調を崩していた寺田を先発させざるを得ない状況にチームの苦しい状態がうかがえる。まだチームとしてよりも個人の力に頼って戦っていることが如実に表れてしまったと言えるだろう。それは水戸・吉原に「横浜 FCはチームとして戦う力がちょっとルーズだった。個の力に頼りすぎていた」と悟られるほど顕著であった。チームとして、左サイドにできた1つの穴を埋めるほどの力はなく、その隙を突かれて2失点。後半に寺田を下げ、片山奨典を投入してからは同サイドを制圧してペースを握っただけに、悔やまれる45分であった。

試合2日前には、三浦知良が「(大分戦、甲府戦の)2試合でやるべきことがはっきりした。それが2試合での収穫」とチームの成長を強調していたが、この試合でチームは一体感を欠き、積み上げてきたものを出すことができなかった。始動当初から岸野靖之監督は最も「一体感」を大切にしてきただけに、5連敗よりも甲府戦よりも、痛い敗戦となったと言えるだろう。「このチームは今いろんなものが重なっている。大きなものを背負ってしまって……思い切りやれていない。早く取り除いてあげたい」と岸野監督は虚ろな表情で語ったが、その口調に岸野監督らしい力強さは無かった。
一歩進んでは、一歩下がる。例年通りの足取りで横浜FCは戦いを続けている。

以上

2010.05.06 Reported by 佐藤拓也
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