5月5日（水） 2010 J1リーグ戦 第10節
Ｇ大阪 4 - 4 川崎Ｆ　（19:03／万博／20,317人）
得点者：33' 宇佐美貴史（Ｇ大阪）、39' 森勇介（川崎Ｆ）、59' 二川孝広（Ｇ大阪）、63' ルーカス（Ｇ大阪）、74' 楠神順平（川崎Ｆ）、80' 楠神順平（川崎Ｆ）、82' 明神智和（Ｇ大阪）、90'+1 楠神順平（川崎Ｆ）
スカパー！再放送 Ch185 5/6（木）12:00〜（解説山野孝義実況高野純一リポーター田野和彦）
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過去、幾度となくハイスコアの試合が繰り広げられてきた『ガンバ大阪vs川崎フロンターレ』。西野朗監督体制が敷かれた02年以降をみても、05年はヤマザキナビスコカップを含めて4度対戦して、2-2の引き分けの後は、3-2、3-2、4-2（いずれもG大阪が勝利）。06年は等々力での一戦が2-3で川崎F勝利、万博での一戦は4-0でG大阪が勝利。07年、08年に至っては、いずれもG大阪が4点を失って敗れている。言うまでもなく、これらは、攻撃力をウリにするチーム同士の対戦だからこそのスコア。『獲られても、獲ればいい』という両者のプライドが真っ向からぶつかり合っての結果とも言える。

という過去の対戦を振り返っても、ある程度『打ち合い』の試合になることが予想された同カードだっだが、この日の4-4というスコアを見ての通り、これまでにも増して打ち合いの試合になった。

幕開けはG大阪MF遠藤保仁の絶妙クロスに合わせてヘッドで決めたFW宇佐美貴史のゴールだった。「ヘディングでのゴールは珍しいけど、あまりあそこに自分が入っていけてなかったから獲れなかっただけで、ああやって入っていけばしっかり点に絡めるということがわかりました」とは試合後のFW宇佐美のコメントだが、MF遠藤のクロスもドンピシャながら、ニアにつめたFWルーカスの後ろから飛び込んだFW宇佐美のヘッドも完璧で、G大阪は願ってもいない先制点をものにする。だが、川崎Fも負けていない。その7分後、右サイドを切り裂いたDF森勇介がFW黒津勝とのワンツーからゴール前に抜け出し、そのまま右足でうまく流し込んで同点弾を叩き込む。以降は、スコア的にも振り出しに戻った中で、お互いにバランスを崩すことなく互角に渡り合い、前半を1-1で終了。勝負は後半に持ち越された。

ゴールラッシュは、その後半に待っていた。
59分にMF二川孝広のゴールで追加点を奪ったG大阪は、63分にも、相手DFのミスを拾ったFWルーカスがゴールを奪い、3-1と川崎Fを一気に引き離す。しかし、残り20分を切ったあたりからG大阪の運動量が落ち、ラインが下がり始めたのを川崎Fが見逃さず。中盤を支配しながら、さらに前線への圧力をかけてG大阪を押し込むと、74分に途中出場のMF楠神順平が1点を返し3-2とG大阪にプレッシャーをかける。更に80分には再びMF楠神。相手DFのボールをかっさらい、そのままゴール前に持ち込んで落ち着いてコースをとらえ、再び同点に追いつく。

対するG大阪も満員のホームサポーターに応えようと気迫を見せ、82分にはMFルーカスのパスを中央で受けたMF明神智和が距離のある状況でシュートを選択。豪快に振り抜いた右足から放たれたボールが相手DFに当たって角度を変えてゴールに吸い込まれる。キャプテンの気迫のこもったゴールに、沸きあがる万博記念競技場。
だが、この日3度目のリードを守り切ることはできなかった。

4分と表示されたロスタイム、1分を過ぎた時間帯。完全にゴール前にべた引きになり、受身になってしまっていたG大阪の守備陣からこぼれたボールをMF楠神が拾ってシュート。一度は、この日再三にわたる好セーブを見せていたGK藤ヶ谷陽介の手に阻まれたが、そのこぼれ球をMF楠神がしっかりと捉え、「大学2年生時の練習試合以来で、公式戦では高校、大学を通じても初（楠神）」となるハットトリックを達成する。結果、4-4。それぞれ『攻撃』という点では、『らしさ』を発揮し、また高い個人技を見せつけながらゴールをこじあけたという印象だが、『守備』においてはミスから失った点も多く、課題を感じざるを得ない90分だった。

以上


2010.05.06 Reported by 高村美砂