5月5日(水) 2010 J1リーグ戦 第10節
浦和 2 - 1 名古屋 (14:04/埼玉/55,410人)
得点者:13' ケネディ(名古屋)、48' 柏木陽介(浦和)、55' 原口元気(浦和)
スカパー!再放送 Ch185 5/6(木)17:30〜(解説羽中田昌実況八塚浩リポーター朝井夏海)
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「今日は2面性のある試合だった」とは名古屋のストイコビッチ監督の弁だが、確かに前半と後半で両チームの立場はがらりと入れ替わっていた。
出足が鋭かったのはアウェイの名古屋。立ち上がりから厳しくプレッシャーをかけて浦和を押し込んだ。序盤の浦和は相手の動きを全く捉えることができていなかったが、そこには名古屋のちょっとした仕掛けがあった。名古屋は開始当初こそ4−3−3のフォーメーションを敷き、三都主アレサンドロがアンカー役を担っていたが、しばらくすると選手の配置を変えていた。三都主を左のワイドに移し、右サイドバックの田中隼磨が高い位置を取って、4−3−3から1ボランチの変則的な3−5−2に変化したのだ。
これに浦和の選手は戸惑った。「マークのところでゴチャゴチャになっていた」とポンテが語ったように、守備で齟齬が生じる。特にサイドの枚数合わせで混乱をきたし、1対2、2対3と数的不利を強いられることが多かった。「阿部が来てくれるんだけど、そうなっても2対3にされてどうしても1枚不利という状況を作られていて、最初の方は厳しかった」と平川忠亮も苦戦の原因を振り返っている。
優勢の名古屋に先制点が生まれたのは13分。スローインを受けた三都主がフリーで好クロスを入れると、ケネディがマークを外してピタリと頭で合わせた。浦和にとっては、最も警戒していた形から失点する格好となった。
リードを奪った名古屋はさらに勢いに乗る。ケネディに当ててからサイドへ展開という、シンプルながら実効性の高い攻撃で主導権を握る。17分にはケネディが1人で完全に抜け出し、決定的なチャンスを作った。
一方、試合開始から長らく劣勢を強いられていた浦和も、20分を過ぎた辺りから名古屋の仕掛けに慣れ始め、徐々に反撃を開始する。29分に阿部勇樹のパスから柏木陽介が鋭いシュートを放ち、32分にも柏木がミドルでゴールを脅かす。そして前半ロスタイムにはエジミウソンが決定的なシュートを放ったが、ここは守護神・楢崎正剛がファインセーブ。浦和は田中達也が脳しんとうにより前半途中で交代というアクシデントに見舞われていたが、反攻の糸口を掴みつつ前半を0−1で終えた。
すると後半開始早々、浦和が試合を振り出しに戻す。48分、サイドへの大きな展開からゴール前にボールを運び、原口元気が横に流すと2列目の柏木が右足を一閃。弾丸シュートがゴールネットに突き刺さった。柏木に飛び出した待望の移籍後初ゴールに、5万人を超えた大観衆は歓喜の爆発。埼玉スタジアムは赤い大波に揺れた。
これで試合の流れは変わった。名古屋は気持ちが先走り、前がかりになって攻め急ぐような形が増え、後方に大きなスペースを残すようになる。そして、浦和はその隙を見逃さなかった。55分、相手GKのロングフィードの跳ね返しから速攻を仕掛け、ポンテが千代反田充の致命的なミスから右サイドをえぐってゴール前に折り返すと、フリーで飛び込んできた原口が逆転弾をマーク。浦和がわずか7分間で試合をひっくり返した。
ストイコビッチ監督はビハインドを跳ね返そうと、2失点目を喫した直後に三都主を下げ、杉本恵太を入れる。しかし、結果的にこの采配は浦和を助けた。マギヌン、金崎夢生をケガで欠き、玉田圭司も前半で負傷交代とアタッカーを相次いで欠く苦しい状況のなか、三都主は散発的ながら精度の高いキックをケネディに合わせ、浦和の守備陣に冷や汗をかかせていた。攻め手を失った状況下にあって、ケネディの高さは最後の生命線となるはずだったが、闘利王の不在でロングフィードもないなか、唯一ピンポイントパスを供給できる三都主も消えたことで、放り込み戦術の威力は低下した。そして67分にブルザノビッチに代えて巻佑樹を投入すると、これでパスの出し手がいなくなり、名古屋は詰んでしまった。
リズムをすっかり失ってしまった名古屋を尻目に、浦和はボールをつないで次々とゴールに迫る。結局、追加点が入ることはなかったが、相手のGKが楢崎でなければ、あと1、2点は入っていてもおかしくなかった。浦和は鬼門の名古屋戦で逆転勝利。埼玉スタジアムでは目下3連敗中、1得点10失点と散々な結果に終わっていたが、ようやく借りを1つ返すことができた。
以上
2010.05.06 Reported by 神谷正明
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