スカパー！生中継 Ch180 15:50〜（解説：桑原隆、実況：岡村久則、リポーター：松永直子、プレーヤー解説：名波浩）
--試合速報--
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アウェイ2連戦を終えて、ゴールデンウィーク唯一のホームゲームを迎える磐田。迎えるのは、ケガ人続出の中でもしぶとい戦いを見せている広島だが、ここはサポーターやファミリーで来場するファンのためにも、何としても勝ちきりたいゲームだ。
4月の戦いを公式戦無敗（3勝2分）で終えた磐田だが、5月初戦の前節・横浜FM戦は、アウェイで良い戦いをしながらも0-1の惜敗。まだ勢いに乗るという状態には至っていないが、チームとしては自信を失うこともなく、ゆっくりだが着実に一歩一歩前に進んでいる。
柳下正明監督も、横浜FM戦後には「勝点は取れなかったが、落ち込む必要はない。（次の試合に向けて）まずコンディションを整え、今までやってきたことを継続していきたい」と語っている。メンバー的にも、西紀寛を休ませる可能性はあるが、それ以外は今まで通りの顔ぶれで臨む可能性が高そうだ。
そうした流れの中で、このところ進化が目立つのは、守備の部分。第6節・湘南戦以降の4試合（そのうちアウェイで3試合）では、失点わずか2点。「選手同士の距離感が良くなってきた」という柳下監督の言葉通り、守備のブロックを作った際には、全体をコンパクトに保ち、危険なところにボールを入れさせない守りができている。また、攻守の切り換えも早いため、カウンターを受ける回数も少なく、逆に自分たちのカウンター攻撃では強力な2トップを生かし、良い形でチャンスを作っている。
今季は、ロングボールを多く使ってくるチームに対しては、ラインが下がってしまって苦労しているが、浦和や横浜FMのようにきっちりポゼッションしながら攻めてくるチームに対しては、DFラインを高く保ち、コンパクトな守備ができていた。広島も同じようにポゼッション型のチームだけに、過去2試合の好感触を生かすことができるだろう。
ただし、広島にはDFラインの裏をとるうまさがあるので、その部分は注意しなければならない。広島はポゼッションする中でパス回しのスピードに緩急があり、テンポを変え相手を揺さぶりながら、裏に出すタイミングをはかっている。昨年のホームゲーム（第33節、中山雅史のホーム最終戦）でも、スルーパスから佐藤寿人に完璧に裏に抜け出され、その1失点で敗れてしまった。
今季の磐田も、裏への飛び出しに対しては、まだ盤石な対応ができているとは言えないので、そこは今回の大きなテーマのひとつとなるだろう。DFラインを高く保ちながらも、佐藤や2列目からの飛び出しをいかに防ぐか。そこは、守備面で次のステップに進むための大きな試金石とも言える。
一方、広島のほうは、初体験のAFCチャンピオンズリーグでのハードスケジュールもあって、主力の半数以上を故障で欠く苦しい状況にある。だが、連戦の疲労が出ている中で、ここ4試合は2勝2分という成績を残し、上位相手にも鹿島にアウェイで引き分け（0-0）、名古屋には1-0で勝利している。その粘り強さの原動力は、やはり4試合で3失点という守備での頑張りだ。
広島は、自分たちがボールを保持しているときは、後方の選手も積極的に上がってアグレッシブな戦いをしてくるが、自分たちが守るべき時間帯では、5バック気味になってしっかりと守りを固めてくる。その中で、全員が身体を張った守りを見せて失点を防ぎ、したたかに勝機をうかがうという強さも身につけてきた。
その広島から、磐田がどのようにゴールを奪うかという部分も、もうひとつ大きな注目点となる。もちろん、このところ冴えを見せているカウンター攻撃も重要だが、守りを固められた際にもしっかりと攻め崩してチャンスを作るという部分も、ホームでぜひ見せてほしいところ。また、まだ得点の少ないセットプレーは、接戦になれば攻守ともに重要なポイントになってくるだろう。
両チームの現状を考えれば、派手な打ち合いにはならないかもしれないが、球際は非常に激しくなるはずだし、攻守が切り替わったときのスリリングな攻防も大きな見どころのひとつ。とくにホームの磐田にとっては、ここで勝てるかどうかは非常に大きな意味を持つだけに、選手たちは本当に気持ちの入った戦いを見せてくれるだろう。こどもの日にふさわしい夢や希望に満ちたゲームにするためにも、ぜひ選手とサポーターが一体になって、ヤマハスタジアムを大いに盛り上げてほしい。
以上
