スカパー！生中継 Ch178 12:50〜（解説：未定、実況：山田浩史、リポーター：木村雅子）
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ゲームは、正直だ。前節アウェイ岐阜戦、3連勝をかけて敵地に乗り込んだ草津だが、ギクシャクした戦いをみせて返り討ちにあった。ピッチコンデションの影響もあったもののチームとしての課題が修正できなければ結果をつかむことはできない。そんなことを改めて教えられたゲームだった。前々節ホーム岡山戦では、「強さ」と「弱さ」が同居していたが、前節は「弱い」チームに傾いた。チームは依然として予断を許さない状況が続いている。今節は勝点７で並ぶ１７位草津と１８位北九州の下位直接対決となるだけに意地でも負けられない試合だ。
課題の一つは後半の立ち上がりだ。草津は前節、後半４分と後半６分に連続してゴールネットを揺らされた。後方からのフィードに対してFWをフリーにした１失点目の守備は明らかに集中力を欠いた。また、失点後にトーンダウンする悪い癖は相変わらずで、その隙を突かれて追加点を奪われた。前節J初出場を果たしたGK伊藤拓真は「決められてはいけない時間帯に２点目を取られた」と悔やんだ。草津は７節大分戦では後半３分、９節富山戦では後半８分に失点。後半早々の失点によって失速するパターンが続くだけに早急な措置が求められる。
開幕から１０試合が経過したが、相手の草津対策もじわじわと見え始めてきている。４戦３得点とゴール量産体制に入ったラフィーニャへのマークは試合ごとに激しさを増す。相手守備陣２、３人がラフィーニャを囲むシーンが目立ってきた。また守備面では、前節の岐阜もそうだったがスピードの乏しい草津センターバックの裏を狙うシーンが増えている。草津が上の順位を狙うためにはDFラインの強化は欠かせない。リーグの進行とともに浮き彫りになる課題をクリアしたその先にだけ勝利は存在する。
今季J2へ参戦した北九州は初めて正田スタのピッチを踏むことになる。しかし昨季JFLでは群馬県高崎市で行われたアルテ高崎戦で昇格を決めただけに相性の良い土地だ。佐野裕哉、桑原裕義のダブルボランチを中心としてパスワークを展開するチームで現在１勝４分５敗。わずか１勝に留まってはいるものの、８節では大分相手にドローに持ち込むなど粘り強い戦いを見せる。「『地上戦』になれば戦いやすいが、簡単なゲームにはならない」（副島博志監督）。草津は昨季、富山、栃木の昇格組に初対戦で敗れ「初モノ」に弱い傾向があるだけに慎重かつ大胆な戦いが必要だ。
北九州には、草津にとって忘れられないプレーヤーが在籍している。宮川大輔。２００２年のクラブ発足時「初期メンバー」で０４年のJ2昇格を経験、０５年まで草津でプレーした。クラブの伝説となっている０４年の天皇杯５回戦では、横浜FM相手に先制ゴールを決めた。さらに草津のJ2元年となった０５年にはクラブJ初ゴールを叩き込んだ。強靭なフィジカルと強烈なシュートは健在で、性格も変わっていないと思われるが（笑）、その風貌とキャラクターは多くの草津サポーターから愛された。そんな彼のJカムバックには心から敬意を表したいと思う。
草津と北九州はポゼッション主体のチーム同士となるだけに今節は好ゲームの予感が漂う。だが、同時に言い訳の利かないゲームでもある。草津は現在２勝１分７敗で１７位に位置しているが、今季のチームの力はこんなものなのだろうか。リーグ戦は３分の１を迎えるが、そろそろ本気で上を狙う姿勢をみせてもらわなければ下位にどっぷりと浸かることになってしまう。草津にとっては内容と結果が求められるゲームで、必要なのは勝点３のみ。中２日の過密日程で行われる今ゲームは、草津の底力が試されることになる。
以上
2010.05.04 Reported by 伊藤寿学
