スカパー！生中継 Ch185 18:50〜（解説：未定、実況：未定、リポーター：未定）
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前節の愛媛はアウェイで無敗の首位・柏に挑んだものの、勝点を奪うまでには至らなかった。柏の攻撃を封じるために４試合ぶりの４−３−３とし、故障者や出場停止で手薄なディフェンスラインには、本来はボランチの渡邊一仁を左サイドに配置。入り方こそ悪くはなく、「最初はブロックを作ってロングボールを蹴らせる形に持っていけたが、ポゼッションから隙を作られた」と赤井秀一が振り返ったように、前半３０分にサイドを崩されて失点。ボールを動かして隙を作り、ゴールを狙う形は愛媛が目指すところと通じるが、それを目の前で見せ付けられた格好となった。
ただ、そのままで終わらなかったところに今季の成長ぶりも感じられた。「システムを変えてから通用した部分もあったし、柏が相手でも手ごたえも感じた」と赤井が語るように、後半開始早々には右サイドを崩し、内田健太がペナルティエリアに入り込みフリーでシュート。GK菅野孝憲のファインセーブに阻まれたが、狙いを持った攻撃をどの試合でも、そして相手が柏であっても披露できた。「回数は少ないができたところもある。（よりシュートを増やし、ゴールを奪うには）複雑に考えることはなく、ゴール前での枚数を増やすことが大事」とバルバリッチ監督は指摘するが、あとは今取り組んでいるポゼッションをシンプルにゴールを奪う動きへと結び付けられるように繰り返していくだけ。今節、ホームに迎える栃木はしっかりと守備の組織を整えてくるチームだけに、愛媛にとっては今まで以上にこの課題を突きつけられる９０分になるだろう。
愛媛にとっては高杉亮太のセンターバック、渡邊の左サイドバックという急造のディフェンスラインでも柏戦を最少失点で乗り切った点も見逃せない。誰が出ても大きくチームのパフォーマンスを損なわなかったという点は重要だ。しかも、中２日で迎える栃木戦を前にDFアライールが練習に復帰。途中出場ながら松下幸平もここ２試合は守備でチームを引き締め、柏戦と比較しても今節は守備陣の台所事情が改善されてきた。さらに「日程が厳しいのはどこも同じだが、我々は前の３週間でそれに耐えられる力を作ってきている」とバルバリッチ監督もコンディション作りには自信をのぞかせる。２点を奪って徳島を粉砕した栃木の攻撃は決して侮れないが、連戦の最後をホームで迎えられるという巡り合せも愛媛にとっては悪くない。
その相手となる目下のライバル・栃木は現在１０位。（愛媛は勝点差１の９位）。「栃木は結果も出しているし、栃木に限らずどこが相手でも気を抜けば叩かれるリーグ」とバルバリッチ監督は改めて気を引き締める。ただ、これまでも福岡や横浜FCなど、目の前のライバルをホームで下し勝点を伸ばしてきた愛媛。そしてホーム４連勝に向けて高まる期待に対しても監督は「これまでの成績はすごく良いわけではないが、満足できなくもない。ただ、今までのことを振り返るのではなく、次の試合に最大限集中すること」と目の前の一戦を重要視する。数字上、愛媛から上を見れば勝点３差は４位大分までが射程範囲。逆に、下を見れば１３位岡山までがその範囲となる。この混戦の最中に巻き込まれているのは栃木も同じ。連戦の締めくくりは、両チームにとって結果が浮沈の鍵を握る重要な一戦だ。
それでも、冷静に現在の状況を分析してくれた指揮官の表情が最後に緩んだのが、ゴール裏でのパフォーマンスの件。前回のホーム、福岡戦でラインダンスに加わらなかった件を問うと「勝利は選手たちのものだから」と控えめな発言をしたあとで、「加わることに問題はありませんよ」と穏やかな表情で答えてくれた。愛媛にとっては勝負強さを見せ、３連勝を成し遂げたホーム。しかし今季、バルバリッチ監督はまだ歓喜の輪に加わっていない。ゴールデンウィーク最後の一戦で、サポーターの記憶にも残る勝利を目指し、愛媛は栃木とのライバル決戦に臨む。
以上
2010.05.04 Reported by 近藤義博
