スカパー！生中継 Ch179 13:50〜（解説：平川弘、実況：宮永真幸、リポーター：永井公彦）
--試合速報--
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ゴールデンウィークも終盤に差し掛かる５月５日の第１１節、札幌ドームでは勝点９の１５位札幌と、同８ですぐ下の１６位につける東京Ｖが札幌ドームで対戦する。
ホームの札幌はなかなか波に乗れていない。２連敗の直後で迎えた前節の熊本戦は、前線の配置に変化をつけた新しい布陣で挑みながらも０−０のスコアレスドロー。連敗は止めたものの、勝点３を取ることができず、まだまだ流れを引き寄せられていない状況だ。ただし、石崎信弘監督はポジティブに捉えている。「前半の内容からすると勝点１はありがたい」。なかなか思うようなパフォーマンスを発揮できないなかで、勝点を得たことを少しでも浮上の契機に変えていこうという構えなのだろう。
そして、中盤の底でプレーする芳賀博信はこう状況を見ている。「ウチは若い選手が多いから、結果が出ないとなかなかリズムに乗れない。だけど、結果を得られれば勢いに乗ることができると思う」。ひとついい形で勝つことができれば、流れを大きく変えることができるかもしれない。このホームゲームを、重要なものと位置づけている。
対する東京Ｖの前節は、こちらも１−１のスコアでのドロー。８３分に平本一樹が貴重な先制点を挙げ、そのままホームで勝利を収めるかと思われた後半ロスタイムに失点。勝利が目前まで迫っていただけに悔しさが残る試合となってしまったが、「先に失点する悪い癖が、ここ最近は抑えられるようになってきて、ゲームをコントロールできるようになっている」と川勝良一監督は手痛いドローゲームのなかにも、しっかりと収穫を見出している。相手がダイナミックに縦パスを蹴りこみ、スピーディに攻めるスタイルで終始押し込んで来たが、それに対して受け身になることなく、積極的にカウンターを繰り出していた。そういった部分を振り返っても、やはり手応えの多いゲームだったということなのだろう。
引き分けをどう捉えるのか。もちろん、勝てなかった以上課題はある。だが、勝ったゲームでも完璧な試合運びができていたということはシーズンを通じても、そうそうあるものではない。となるとやはり、課題を認識しつつも、いかにそれを受け止め、結果に関わらずポジティブなメンタルで日程を進めていくか。それがシーズンを戦い抜くひとつのポイントなのだろう。石崎監督も川勝監督も、キャリアの豊富な指揮官。前節からわずか中２日というスケジュールではあるが、しっかりとしたメンタルコントロールでこの一戦に試合に向けた準備をしてくるはずだ。
試合の焦点としては、札幌の採用するフォーメーションが挙げられるだろう。前節の札幌は、キリノの１トップながらも、全体的に見れば３トップに近いものでスタートし、後半からは２トップへと変更している。札幌が前節スタート時の布陣で挑んできた場合には、東京Ｖとしては左右サイドバックのポジショニングが重要になってくるはず。札幌はサイドに張り出す選手も積極的にインサイドへと入り込んでくるため、ここでしっかりとしたディフェンスができなければ、苦しくなる。ただし、逆にここでうまくボールを奪うことができれば、相手サイドバックの前には有効なスペースが生まれるわけだから、素早いカウンターでの強襲が可能だろう。また、札幌が２トップで挑んできた場合は、キリノ、近藤祐介という縦への強引な突破ができるストライカーが並ぶことが予想されるため、ここでも左右サイドバックがうまくセンターバックをフォローできるかどうかが、守備のポイントとなるはずだ。
なかなか上位へ進出することができないでいる両チーム。この試合を浮上のきっかけにしようという思いは、どちらも極めて強いはず。熱い試合になることは間違いない。
以上
2010.05.04 Reported by 斉藤宏則
