5月2日(日) 2010 J2リーグ戦 第10節
熊本 0 - 0 札幌 (13:04/水前寺/6,806人)
スカパー!再放送 Ch181 5/3(月)22:00〜(解説池ノ上俊一実況山崎雄樹リポーター吉田明央)
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前節の鳥栖戦からわずか3日後という状況を考えれば、熊本の選手たちは疲れを感じさせずによく走り、特に前半はほぼペースを握っていたと言えるだろう。だがそれだけに、やはり勝ちきりたかった試合でもある。勝点1を加えた事はプラスに考えていいと思うが、上位に定着、あるいは昇格を目指すという状況であればそうも言っていられなくなる。今日のような試合できっちり3ポイント取れるようになって初めて、強さが身についたと言えるのかもしれない。
連敗中の札幌は、「疲れている時に、札幌とは違う気候のところでやっていかないといけない」(石崎信弘監督)という判断で、トップに4試合ぶりの先発となるキリノを起用。高い位置でボールを収めて起点になる働きを求められていたようだが、そのキリノにうまくボールが収まらない。バックラインからのつなぎでは、中盤で上里一将がよく動いてボールを受けては捌いていたが、前線の流動性が足りず、また熊本の2人のボランチがバランスを取り、特に出場停止の原田拓に代わってキャプテンマークを巻いていた吉井孝輔が執拗に潰しに行くなど、球際では熊本の選手が激しく寄せていたこともあって、前半に限ってはほとんどいい形を作れなかった。
対する熊本は、連動したアプローチからボールを奪って素早く攻撃に切り替えるだけでなく、福王忠世のロングフィードで裏を狙う場面や、両サイドバックも高い位置まで顔を出して攻撃に絡む場面を作った。そうした形ができていたのは、初先発した渡辺匠が機を見ては受けに動いて中継役をこなしたり、左の西森正明が中へ切り込んで行くような動きでフリーになる機会を作ったりと、アンカーぎみのポジションを取っていた札幌の芳賀博信の左右のスペースをうまく使えていたからではないかと思われる。渡辺本人も「奪ってから後の展開が良くなかった」と話しているし、実際にそうしたパスミスなどでチャンスをふいにしたようなシーンもあったが、今日の熊本は、どこかでミスが生じても近いポジションの選手がしっかりとカバーできていた。
攻撃においても立ち上りから積極性を見せていた熊本ではあったが、幾度となく迎えたチャンスもゴールを割るには至らず。33分には松橋章太がドリブルで持ち込んで宇留野純へとつなぎ、最後は吉井がうまくDFの間で受けてフリーでシュートを放つもポスト左にそれ、その後も39分に吉井、42分、44分に松橋がいい形を作るが決まらない。押し込んだ時間帯にチャンスを作りながらも決められなかった事に対して、宇留野のコメントによれば“危険なゲームをしている”と高木琢也監督はハーフタイムに言ったそうだが、やはり後半になると流れが変わる。
札幌の石崎監督は、メンバーはそのままに後半開始時から3-5-2の形へシフト。キリノと近藤祐介を2トップにし、岩沼俊介を1列上げる。このことで熊本は「サイドハーフが低い位置まで戻らないといけなくなった」(宇留野)。だが前節の鳥栖戦で1人少ない状況になっても集中して守っていたことが生きて、最終局面ではしっかりとブロック。逆にインターセプトからのカウンターで先制点を狙うという展開に持ち込む。そこで熊本の高木監督が先に動き、左サイドバックの筑城和人に替え、ドリブルでアクセントをつけられる西弘則を投入。これで少しペースを引き戻した熊本だが、70分、72分の松橋のシュートチャンスも決まらず。前半に比べて攻守の入れ替わりが激しくなり、両指揮官とも終盤にかけて立て続けに交代のカードを切ってそれぞれにいい形を作りはしたが、どちらもゴールは奪えず、結局スコアレスドローとなった。
「前半の内容からすると勝点1はありがたい」とは札幌の石崎監督。確かに暑さや2試合連続のアウェイという状況を踏まえれば難しい試合だったことは否めないが、前半は攻撃も連動性を欠き、守備も中途半端だった印象。課題だったセットプレーからも含め、5試合ぶりの無失点は収穫ではあるが、後半のような戦い方でゲームに入っていくことが今後は必要だろう。
一方の熊本。高木監督が試合後にも話しているように、攻める時間が増えた事、シュートまで持って行く回数が増えた事、さらに後半の札幌のシステム変更にも対応できた事など、最低限の勝点を得た以上の収穫があったのは事実。しかしやはり、内容を結果につなげるために必要なのはゴール以外の何ものでもない。短いスパンでの連戦の影響もあってか、大分や徳島が今節敗れており、勝点で見てもまだまだ上位に手が届く位置にいる。前節と今節の1ポイントを無駄にしないためにも、福岡に乗り込む3日後のバトル・オブ・九州第2戦では、しっかりと勝点3を手にしなければならない。
以上
2010.05.03 Reported by 井芹貴志
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