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【J2:第10節 柏 vs 愛媛】レポート:田中順也のプロ入り初ゴールを守り切った柏が首位をキープ。敗れた愛媛も後半は柏を凌駕するパフォーマンスを発揮(10.05.03)

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5月2日(日) 2010 J2リーグ戦 第10節
柏 1 - 0 愛媛 (16:04//8,508人)
得点者:30' 田中順也(柏)
スカパー!再放送 Ch182 5/3(月)16:00〜(解説戸塚哲也実況加藤暁リポーター日々野真理)
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愛媛が3試合続けてきたシステムを4−4−2から4−3−3へ変えた理由は、柏のストロングポイントであるポゼッションを封じるという意図があった。リトリートしながらも全体のラインを下げ過ぎず、中盤の越智亮介、赤井秀一、杉浦恭平が柏の中盤のパスワークを消し、そして中盤の両ワイド、内田健太と石井謙伍が柏のサイドバックに高い位置からプレッシャーを仕掛けてパスの出どころを潰す。この愛媛の策は、柏は最終ラインでボールを持ったパク・ドンヒョクと近藤直也がロングボールを前線へ蹴り込む単調な場面が目立っていたことを考えれば、序盤は奏功したと言ってよい。

しかし序盤以降、柏の攻撃のキーマンとなるレアンドロ・ドミンゲスが、ポジション獲りを微妙にずらしながらボールを受け始めたこと、そして右サイドバックの小林祐三がレアンドロ・ドミンゲスに絡み、積極的に高い位置へと攻撃を仕掛けたことに呼応し、柏の滑らかなパス回しが展開された。バルバリッチ監督が「ラインを形成したかったが、簡単にポジションを失ってしまった」と分析したように、柏のボールホルダーに対し愛媛の選手が形成すべきラインから飛び出してプレッシャーを仕掛けたために組織が連動せず、生じた不測のスペースを柏が的確に突いた。
「左から(橋本)和が中へ切り込んだ瞬間、相手の右サイドバックの裏が空きました」と、先制ゴールの場面を振り返る澤昌克の一言は見事なまでに示唆的だ。柏の左サイドバック橋本が愛媛陣内でボールを受けた時、そのサイドでの両者の数的な関係は柏の橋本、澤に対し、愛媛は石井、越智、関根永悟、2対3の状況が出来上がっていたが、愛媛の3人が橋本の動きに引き出されて澤はフリーの状態に。すると橋本から縦パスを受け、DFラインの背後へ抜け出して敵陣をえぐる澤の対応にセンターバックの高杉亮太が引き出される。となれば最後にゴール前へ飛び込んだ田中順也へのマークにズレが生じてしまうのは必然。フリーの田中は澤のグラウンダークロスをピンポイントで合わせて左足ボレーを叩き込んだ。「練習していた形です。(練習の時に)センタリングからのボールが足に当たる感触が良かった」と田中が自信を持っていた形、そして愛媛の守備面のわずかなズレが絡み合った30分の柏の先制弾。田中にとっては待望のプロ入り初ゴールだった。

だがペースを握った柏がそのまま後半もいくと思いきや、そうはいかないのがサッカーの奥深さだろうか。愛媛が後半からシステムを4−4−2へ変え、56分に松下幸平と江後賢一を投入し、そして渡邊一仁を本来のボランチの位置へ戻したシフトチェンジによって、全体にバランスの良さが蘇る。小原章吾と高杉亮太が柏の前線の起点をうまく消し、さらにサイドハーフに回った杉浦や、サイドバックの関根が、前節柏と対戦した熊本と同様に柏の中盤のサイドに生じるスペースを狙って飛び出す。起点を作り出せない柏はパスミスが頻発し、いとも簡単にボールを失う。そして愛媛に押し込まれて後手を踏む悪循環が発生した。
ネルシーニョ監督は「チャンスの時に点を決めていれば、リズムも流れも変えられたのではないか」と話していたが、50分にペナルティエリア内まで切り込んだ橋本の突破とグラウンダークロスから、再び田中がフリーの状況でゴールを狙う決定的な場面があり、こうした追加点のチャンスを決め切れないことも、柏のペースダウンを招いたと思われる。

しかし、それでも愛媛が作り出した後半のチャンスはわずかに51分に立て続けに訪れた石井と内田が放った2つのシュートだった。それらはいずれもGK菅野孝憲がファインセーブで阻み、その他はセンターバックコンビ、パク・ドンヒョクと近藤が集中を切らさずにペナルティエリア内への侵入を最後のところで阻止していた。1−0で逃げ切った柏は、「リーグ最少失点」が表す額面通りの守備力を発揮し、勝点3を掴んだ。

一方の愛媛は、小原、高杉の守備力もまた、試合に敗れたとはいえ評価されてしかるべき。アライールの負傷、金守智哉の出場停止で最終ラインの急造を余儀なくされたものの、小原、高杉が柏の前線に入るクサビのパスからの展開を消し、ポゼッションの起点を封じたことによって、明らかに柏は途中から攻めあぐねていた。悔やまれるのは「もうちょっと早めに変えられたら良かった」という高杉の言葉どおり、失点前に柏のポゼッションに対応できなかったことだろうか。

確かに攻撃面などでは、ともにいくつか課題は露呈した感は否めない。それでも双方の守備力が、ここまでリーグ最少失点とリーグ2位を裏付ける一戦になったことも、また事実である。

以上

2010.05.03 Reported by 鈴木潤
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