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【J1:第9節 仙台 vs C大阪】レポート:昇格組直接対決3連戦、最後は1−1のドローに。双方の持ち味が存分に表われた激しい試合となった。(10.05.02)

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5月1日(土) 2010 J1リーグ戦 第9節
仙台 1 - 1 C大阪 (15:04/ユアスタ/13,622人)
得点者:62' 鎌田次郎(仙台)、74' アドリアーノ(C大阪)
スカパー!再放送 Ch183 5/3(月)17:00〜(解説鈴木武一実況松尾武史リポーター村林いづみ)
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立ち上がり、ペースをつかんだのはアウェイのC大阪。今節復帰を果たし、アマラウとのブラジル人ダブルボランチを形成することになったマルチネスが、短、中、長距離と全てのレンジにおいて精度の高い球出しからC大阪の攻撃を牽引。彼のゲームメイクによって、技術にあふれる前線の選手に加え、両サイドバックもスペースを与えられた状態でプレーできたのだから、それはC大阪が流れをつかむというものだ。

ただ、仙台もこの日は勇敢に、飲み込んでこんとするC大阪の攻撃の波に対抗した。
確かに、家長昭博、乾貴士、香川真司の「3シャドー」がボールに絡むと、なかなか攻めを切ることは容易でなかったのだが、(昨年までのJ2での印象が強いので言わせてもらえれば)香川と乾のような選手が組んで最もゴールに直結する脅威を発揮していたのは、ペナルティーアーク付近。そこからの足技や、ダイレクトでの展開で前を向かれるのが、攻撃を受ける側としては怖かったところ、この日は彼らにボールを持たれたとしても、それはサイドか、せいぜい左右45度といった辺り。ゴール正面で、仙台は彼らC大阪攻撃陣にさほど自由なプレーは許していない。
危険な場面となりそうならばしっかりとブロックを組んで守る。昨年のチームが高効率にこなしていた守備を、この日の仙台は披露し、C大阪3シャドーの「パターン」による得点は許さなかった。そうしているうちに仙台にも、早いタイミングのセンタリングからC大阪ゴール前で左右に揺さぶる展開によって、前半にはゴール正面で太田吉彰がフリーでシュートを放つ(これは慎重になりすぎたか勢いが無く、キム ジンヒョンがセーブ)場面も。

そして後半、仙台はつかみかけた勢いをさらに加速させるべく、ベンチから関口訓充を、手倉森誠監督の選手交代としては比較的早めのタイミングである53分に送り出す。これが効いた。守備でもチェイシングで仲間の負担を取り去るばかりか、チャンスとみるやサイドに流れたり、後方からのロングボールをしっかりと追い、そこから仕掛けるドリブル突破でC大阪のサイドを押し下げる。さらに呼応する形で、仙台は両SBが攻撃に絡み始める。
この流れから、仙台の先制点は生まれたと言える。攻め上がった右サイドバックの田村直也が果敢にペナルティーエリア内へ仕掛ける。これによって得た右CK、梁勇基から放たれたニアへのボールを中原貴之が競りファーへ流すと、左ポスト付近でそれを受けた中島裕希が、自身の後方でフリーだった選手に落とす。そこにはセットプレーで上がっていた鎌田次郎がいた。セットプレーから頭での得点というのは想定も少しあったが、鎌田が右足を振り抜いたシュートは、何とか触ってコースを変えようと反応したC大阪の選手数名の頭をかすめ、うなりを上げてゴール右上に突き刺さる。仙台にとって4試合ぶりの先制点。仙台は今季、先制点を取れば負けない(3勝1分け無敗)ということ、そもそも3試合ぶりの得点だということもあり、ユアスタに従来の活気が一気に戻った瞬間だった。

だが、仙台にとってはまさに「好事、魔多し」という出来事が、この先に待っていた。さらに自分たちの攻撃が勢いを手にし、しかもC大阪が攻撃をつかさどっていたマルチネスの負傷退場という事態に見舞われていたのだが、74分、まだハーフウェーラインを少し超えたあたりの左サイドで良い展開を受け、少しドリブルを行なった関口。しかし中央の千葉直樹へ送ったショートパスがずれ、ボールは乾に渡る。一気のカウンタを打ったC大阪は、乾からのパスを、マルチネスに替わってピッチに投入されたばかりの小松塁が左で受けて、そのままサイドをえぐる。低く鋭いセンタリングがゴール正面に入ってきたのを、合わせたアドリアーノが倒れ込みながら押し込んで、C大阪は同点に追いついて見せた。
「C大阪の攻撃陣は『攻め残り』がある」。戦前から手倉森誠監督がこう語っていたように、仙台としてはまずい奪われ方をするととたんにピンチを迎えるという認識は持っていた。だがこの場面は、言わば本当に「エアポケット」だった。
一方、C大阪としては、ある意味で狙い通りだったといえる。マルチネス負傷の際、代わりにFWの小松を送り出したレヴィークルピ監督の策は、家長とアマラウだけを中盤に残し、残りの攻撃陣を全て前線に並べた(監督本人曰く)4−2−4。警戒していたはずの仙台の守備に、あえて「前線の迫力」をぶつけていった格好になるが、結果的にこれは大当たりだった。カウンターの撃ち合いとなればC大阪が有利と言えた中で、仙台をそのペースへと持ち込ませた(結果、相手のミスを呼び込んだ)わけだとすれば、恐れ入る。

こうして試合は1−1のドローに。だが双方持ち味を出しての勝点1は、実は思う以上に貴重なポイントなのではないか。願わくば双方、筆者の解釈が間違っていなかったと思えるような内容と成績の向上を見せ、ともにこの先、J1の荒波を生き抜いて行かんことを。

以上
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