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【J1:第9節 広島 vs F東京】レポート:十八番のパスワークで、広島は苦境を打ち破る。28分での平山交代の荒療治も奏功せず、F東京連敗(10.05.02)

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5月1日(土) 2010 J1リーグ戦 第9節
広島 2 - 1 F東京 (19:04/広島ビ/19,549人)
得点者:24' 山岸智(広島)、56' 森重真人(F東京)、68' 山崎雅人(広島)
スカパー!再放送 Ch185 5/3(月)09:30〜(解説沖原謙実況君崎滋リポーター掛本智子)
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左から羽生直剛が放ったクロスを、平山相太は待ち構えていた。

ピンポイントだ。決定的だ。

しかし、シュートは枠の外。ヘッドの瞬間に槙野智章が必死に足を伸ばしてブロックした執念が、前半5分に飛び出した決定的なシュートを枠外に運び出した。ただ、非常に危険なシーンを見せつけられ、平山の存在には脅威を感じた。
ところがF東京・城福浩監督の判断は違ったようだ。すぐにFW赤嶺真吾にウオーミングアップを命じ、28分には平山に交代を命じた。

「今日の28分間だけのプレーだけで判断したわけではない」

試合後の会見で、城福監督は言葉に鋭さを込める。試合の主導権を握りながらも、決定機をゴールに結びつけることができない状況が何試合も続いていたことから、「何かを変えないといけない」と指揮官は判断し、早いタイミングでの平山交代につながった。その4分前、広島が見事なパスワークから先制したことも、決断の引き金となったのだろう。

ここで、そのゴールへのストーリーを追ってみよう。22分51秒、平山のシュートを槙野がブロック。こぼれをリカルジーニョと競り合った森崎浩司が横竹翔にパス。それが始まりだ。
横竹から左サイドに開いた佐藤寿人へ。佐藤は無理をせずに服部公太へバックパス。槙野、中島浩司、森崎浩、さらにJリーグ初先発を果たした3年目の丸谷拓也、そして槙野から中島、丸谷から横竹へ。ここまでのパス回しはスロースピードだ。

「広島は、ウチが食いつかないと攻撃はできない。だけど、ボールを取りにいかないと、ずっとパスを回されてしまう。だから、行けるなと思った時は(プレスに)行くことを、意識していた」
F東京の守護神・権田修一の言葉である。このシーンでもゆったりとパスを回す広島の最終ラインに対し、平山とリカルジーニョがプレスをかけにいった。その動きに連動して、石川直宏が横竹に、梶山陽平も森崎浩について前に出る。必然的に、F東京陣内にはスペースができる。

横竹のバックパスを受けたGK西川周作が中島へ。平山がプレス。中島のバックパスをダイレクトで西川がロングキック。これがスイッチとなって一気にスピードアップする。
右足から放たれた正確無比なボールを、山岸智がヘッドで前のスペースに落とすと、そこを予測した高柳が今野泰幸を引きつけた上で、山岸へ横パス。徳永悠平を引きつけて山崎雅人へ、さらに長い距離を走ってきた服部公太にスルーパス。ゆったりとしたパス回しに食いつかせた結果、山崎も服部もフリーになっていた。あとはゴール前のアイディア。クロスを佐藤がヒールパスで流し、オフサイドぎりぎりに飛び出した山岸が冷静にゲット。22本のパスをつなぎ「緩急のリズム」と「縦横のパス」でスペースを創る、広島にとって十八番と言っていいゴールだった。

後半、F東京が強烈な圧力をかけてゴールに迫り、ショートコーナーから森重の同点弾が生まれて、完全に主導権を握る。疲れから運動量が落ちた広島はボールキープもできず、攻め手がないようにも見えた。だが68分、広島は反撃に転ずる。
CKをキャッチした西川から中島へとつなぐ。李忠成・佐藤を経由して再び中島、さらに横竹・山岸と経由して三たび中島がキープ。この過程でF東京が広島の攻撃を遅らせた一方、広島の選手たちも次々と相手陣内に入り込む。
中島の縦パスを李がペナルティエリア付近で受け、反転する。徳永・長友・森重で囲い込み、ドリブルで仕掛けた李に対して徳永が足を出す。しかしボールは、前に入った山岸の足元に。「積極的な姿勢がそういう流れを生んだ」と李は語る。
山岸が深い位置まで侵入し、クロス。この瞬間、ゴール前には山崎・李・佐藤・丸谷の4人の紫戦士が。一方のF東京は権田と椋原だけ。パスワークと運動量で数的優位を局面で創りだす広島のスタイルでF東京の守備を完璧に崩し、山崎が移籍初得点をネットに突き刺した。

広島らしくないパスミスも多く、主導権はF東京が握っていた。しかし、その中でも我慢を続けて得点を重ねるしたたかさは、間違いなく成長の証。当初は堅くなっていた丸谷も時間の経過と共に機能し始め、球際を強く戦って何度もボールを奪った。「誰が出ても、広島のサッカーは変わらない」と中島は胸を張る。

F東京の状況は難しい。23本のシュートを放ちながら、セットプレーからの1点のみ。今季初の連敗・5試合連続勝利なしに加え、「28分間での平山交代」の荒療治も明確な効果が出なかったこの敗戦のダメージは、ただの1敗の重さではない。「得点できないのは、自分の指導力のいたらなさ」と試合後に唇を噛んだ城福監督が、仙台戦までの中3日、選手たちにどのようにアプローチを仕掛け、チームを立て直すか。正念場がやってきた。

以上

2010.05.02 Reported by 中野和也
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