スカパー！生中継 Ch184 15:50〜（解説森山泰行実況加藤義久リポーター鈴江晴彦）
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前節、岐阜は北九州を相手に1-0の勝利を収め、連敗を2で止めた。今季4勝目で9位に浮上。しかし、この結果とは裏腹に、チームにはまだはっきりとした光明が見えていないのが現状だ。
何度も書いているが、倉田安治監督が就任し、これまでの岐阜のサッカーから一新したことで、今『産みの苦しみ』となっていることは確かだし、倉田監督の本当にやりたいサッカーを具現化するためには、時間が必要なのは分かる。
しかし、それを差し引いても、今の状況がいいかと言えば決してそうではない。9試合を消化して4勝5敗は決して悪い数字ではない。しかし、端的に言うと『スカッとする試合』がなく、何かうやむやが残った試合が続いている。
「いいときは守備でも主導権を握れるのに、今はそれが出来ない。全体的にラインが下がってしまっていて、高い位置でなかなかボールを奪えないし、中盤でタメが少ないので、攻撃の組み立てが難しい」と嶋田正吾が語ったように、ボールを奪う位置、ビルドアップのポイントがはっきりせず、受け身のディフェンスになってしまっていることが、スカッとしない試合の要因のひとつとなっている。もともと今年の岐阜はゾーンディフェンスを基本とし、積極的に前から相手をはめ込んでいく守備を掲げていたが、今はそれが機能しているとは言えない面がある。
それでも前節、無失点に終わって勝点3をしっかりと取り、これまで引き分けなしの4勝を挙げていることは、J2・3年目で岐阜に本当の力強さが出てきた証拠だし、確実にベースアップは出来ている。だからこそ、もう一度自分たちのやるべきことを足元から見直して、仕切りなおしで5月のゲームに臨んでほしい。
この試合、期待したいのは両サイドバックの積極的な攻撃参加だ。岐阜の好調時はサイドバックが積極果敢に攻撃に絡み、サイドでイニシアチブを握っていた。しかし、今はサイドバックの攻撃参加の回数が少なく、特に左サイドからの攻撃が足りず、より攻撃に手詰まり感を生み出してしまっている。
開幕から2ヶ月、すでに9試合を消化しているだけに、そろそろこの流れからの脱却のきっかけを掴まないといけない。そういう意味では、この試合はとても重要になる。対戦する草津は17位だが、開幕から7戦勝ちなしという悪夢から抜け出し、現在2連勝と上向きにある。MF松下裕樹が好調で、彼の正確なキックから、熊林親吾と廣山望の両サイドハーフがチャンスメークをする。攻撃の役割分担がはっきりとしてきたことで、チーム全体にリズムが生まれてきているだけに、注意が必要だ。
今季2試合目となる長良川球技メドウでの試合。サポーターは昨年のように『長良川劇場』が開演することを待ち望んでいる。『長良川劇場2010』を開演するためには、単純な結果のみでは成しえない。だからこそ、草津を相手に質と結果の両方を求めてほしい。そのために前述したように、まずはもう一度自分たちがやるべきサッカー、方向性の再確認をして、この一戦に臨んでほしいと切に願う。このプレビューは単純な試合展望ではなく、あくまで今のチームへの警鐘と叱咤激励と取ってほしい。それほど、今チーム全体がより危機感を持って戦わないと、今後軌道修正しづらくなってしまう危険性をはらんだ状況であるからだ。
以上
2010.05.01 Reported by 安藤隆人
