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【J2:第9節 甲府 vs 札幌】レポート:成長を実感。4ゴール、4連勝で甲府が昇格圏内入り(10.04.30)

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4月29日(木) 2010 J2リーグ戦 第9節
甲府 4 - 1 札幌 (15:00/小瀬/11,779人)
得点者:17' マラニョン(甲府)、34' 秋本倫孝(甲府)、52' 上里一将(札幌)、65' マラニョン(甲府)、90'+3 マラニョン(甲府)
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「今朝の帯広は雪です」
早朝、札幌のホテルをチェックアウトするために慌しく準備をしているとBGM代わりにつけていたテレビでNHKのアナウンサーが言っていた。そして、道民の翼で羽田に着くとTシャツでもいけそうな陽気。これからの季節、札幌はホームでは快適な環境をアウェイチームに提供し、アウェイでは蒸し暑い中で戦わないといけないことを思うと少し気の毒に思った。札幌サポーターが円山公園でジンギスカンを食べながら桜を楽しめるのはもう少し先で、甲府サポーターはとっくの昔に花見を終えている。1試合の勝敗を環境の違いを理由にはしないだろうが、長い目でシーズンを見ればまったく無視できる要素ではないと思った。

甲府との対戦で、前半に思うようなプレーが出来ずに後半によくなるチームが最近は少なくないが、札幌もこの仲間入りをした。甲府の4−3−3の中盤の底は1枚なので狙われやすく、2列目からの飛び出しやDFとMFの間で中途半端なポジショニングを取られると完璧に対応することは難しい。しかし、札幌はこのスペースを使う宮澤裕樹を活かしきれずにいた。奪ったボールをワントップの近藤祐介やその下で動く宮澤に入れてもサポートがいないからほとんど孤立無援。主導権のシーソーは甲府に傾いたまま。そして、17分には吉田豊が奪ったボールからのカウンターを養父雄仁→藤田健と繋ぎ、藤田のスルーパスをマラニョンが決めて甲府が先制する。このゴールが決まったときに「これを決めることが出来るのは強い」と思った。幸運や偶然が味方してくれたゴールではなく、全て狙いを持ってプレーした末のゴールだったからだ。

その後、ディフェンスラインの裏を狙う札幌の積極性に押し込まれる時間帯があったことは反省点だが、34分にコーナーキックから秋本倫孝がヘッドで追加点を挙げるとそんなことは大きな問題ではないような気がしてきた。札幌は0−2とリードされたことで積極性が強くなったが、甲府はそこでリスクを冒すことはなかった。繋ぐことが無理なときはダニエルのロケットクリアやFWにクリアの親戚のようなロングパスを出してリスクを回避する。パス回しでも札幌のプレッシャーでボールを下げる選択を強いられても、それが連続してしまって自陣で破綻することはなく、誰かが縦パスを狙っていたし、3トップも誰かがその準備をしていた。去年からの変化であるが、それがようやく板についてきた感じがする。サッカーはミスのスポーツでもあり、90分間完璧なプレーをすることなんて出来ないから、その時間帯を上手くしのげるようになったことに進化を感じる。

後半は開始早々の49分に甲府が決定機を作ったが、52分に上里一将のミドルシュートがネットを揺らして1点差になると札幌が主導権を握る時間帯が増えていった。甲府の藤田に当たってコースが変わったシュートだったが、上里のシュート力は高く、3戦連続のゴールは札幌の希望を繋いだ。その後も札幌ボールのFKが増えて流れを変えるチャンスだったが、札幌は攻撃力のポテンシャルがあることを示しただけで、ゴールをという希望の果実を取ることはできなかった。甲府はただ単に頑張ったわけではなく、石原克哉、パウリーニョ、ハーフナー・マイクをベンチから投入してシステムを変えて対応した。ボランチを2枚にすることで札幌の縦パスに対応することが狙いの一つだが、CBと連携してキリノや近藤の突破を甲府は防ぎ、65分(3点目)と90分+3(4点目)のマラニョンのゴールに繋げた。4−3−3から4−2−3−1への変化では課題もあるが、セットプレーのキッカー・片桐淳至の力が素晴らしく、1点差になってからのセットプレーでゴール(65分)をアシストしたことは素晴らしかった。そして、札幌には痛かった。最大の課題は他にあると思うが、これで暫くはセットプレーからの失点が最大の悪者になってしまう。

試合後、アウェイゴール裏の2メートルくらいの位置で整列する札幌の選手たち。選手に訴えている札幌サポーターのリーダーらしき人物の気持ちは声が聞こえなくても少しは理解できる。宮澤は「大勢のサポーターが北海道から来てくれている。その気持ちは受け止めないといけない」と話した。札幌のポテンシャルが結果と仲良くなるためには前半のキックオフから0−1か0−2で負けているつもりになって戦うことが必要かもしれない。こういうときはあのオジサン(中山雅史)の魂が必要だと思う。上手いことやろうとする前にパッションを取り戻すことが必要だ。一方、甲府は4連勝で3位と昇格圏内に入ったが、シーズンはまだ三分の一も過ぎていない。5月5日のホーム柏戦(第11節)を意識しすぎれば次のアウェイ戦で連勝は止まる。選手から気の緩みは感じなかったから老婆心が過ぎるのかもしれないが、一戦必勝の姿勢で次節は復調・横浜FC戦に臨みたい。

以上

2010.04.30 Reported by 松尾潤
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