4月29日(木) 2010 J2リーグ戦 第9節
徳島 2 - 3 岡山 (13:04/鳴門大塚/4,688人)
得点者:13' 平繁龍一(徳島)、42' 澤口雅彦(岡山)、55' 津田知宏(徳島)、60' 岸田裕樹(岡山)、83' 臼井仁志(岡山)
スカパー!再放送 Ch183 5/1(土)06:00〜(解説:田渕龍二 実況:榎本真也 リポーター:奥田麻衣)
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徳島のファン・サポーターにとってはかなりショッキングなGW初日になってしまったと言えよう。前節であれほど逞しい逆転劇を披露したチームが、今節はそれと全く逆の姿に…。徳島は2度もリードを奪いながらその度追いつかれ、最後には岡山の見せた粘り強さの前に屈することとなった。
そしてその苦過ぎる結末を招く原因の根本になったと思われるのがメンタル面。厳しさを維持し切れなかったそれが、この一戦における徳島の運命を決めたと推測して間違いないだろう。事実、試合後の選手たちからは「いけるのではないかという甘い気持ちがあったため逆転を許したのだと思います(津田知宏)」「緩んだ雰囲気が間違いなくあったと思います(倉貫一毅)」という声が聞かれ、どの顔からもそれへの反省の色が見て取れた。
とは言え、前節はわずか4日前。しかもその一戦を思い返せば、徳島は逆転した後半にそのメンタル面の大事さを自ら身をもって感じたはず。そこで「なのに、どうして!?」という疑問が生まれるが、その答えは倉貫も前記コメントの後に付け加えたように、チームが前節の教訓を活かして素晴らしいゲームへの入り方をしたからに違いない。もちろんそのこと自体は課題を解決したと評価すべきことなのだが、今節について言うならそれによって新たなメンタル面の問題が顔を覗かせたということだ。
実際にゲーム序盤の徳島の出来はお世辞抜きに良かったと言える。組織として狙い所を共有した意図のある守備によって高い位置でボールを奪い、早いタッチでそれを展開。両翼を積極的に活用した攻撃で岡山の守備に襲い掛かった。またチームはそれを結実させて13分に早々と先制点も奪う。パスの入り所へ厳しく寄せてハーフウェイライン付近右サイドでボール奪取に成功すると、六車拓也が持ち出して早いタイミングで中へ。そのクロスをマーカーの鼻先で掠め取った平繁龍一が、そのままドリブルで持ち込み鮮やかに決めて見せたのだ。さらに徳島の攻勢は止まらない。先制点から4分後に佐藤晃大の鋭い飛び出しからPKを獲得すれば、その絶好機こそ平繁のキックが枠外に逸れ逃したが、それから後もその平繁や倉貫、島田裕介らが中心となって立て続けにチャンスを築いていった。
しかし、こうした出来の良さが知らず知らずのうちに選手たちの気持ちのボルトを緩めていってしまったのであろう。30分を過ぎる頃から徳島には特に守備面での甘さが感じられるようになり、ついに42分にはそれがそのままプレーとして現れたことから同点とされる失点を喫することに。ボールを失ったのは岡山陣内、それもサイドの奥深くであったにもかかわらず、ほとんど抵抗を与えられないままカウンターでスルスルと前へと運ばれ、最後はゴール前で大きく揺さぶられて得点を許したのである。
そして、ここでも時間をそれほど費やさず(後半開始後10分)して取れたからだろうか、徳島は迎えた後半先に追加点を挙げ再び岡山を突き放しながら、残念なことに、それをもボルトの緩みの加速へと働かせてしまう。結果、5分後にはまたしても追いつかれ、その後粘られた末の83分には追い越される3点目まで奪われてしまった。しかもその3失点目の場面ではやはり守りにおける明らかなスキが。自陣から前線に送ったフィードを岡山に跳ね返されたところでこの失点シーンが起こったのだが、徳島のDFラインギリギリでそのボールを拾い得点を決めた臼井仁志は全くフリーの状態におり、そのことから徳島のリスクへの事前対処が甘かったことは否めないだろう。
こうして逆転勝ちを収めた後の大切な一戦を悔やみ切れない形で落としてしまった徳島。「こういう負け方をしてはいけない」と美濃部直彦監督も語ったが、その言葉通り今日の負け方は二度と繰り返してはいけないものであったと言う他ない。ただ、この反省を次節以降に活かせたなら味わった無念さも無駄にならない。それだけに選手たちには猛省のうえ成長させたメンタリティを中2日でやってくる栃木戦でぜひ見せてもらいたいと思う。
対して岡山としては、徳島の選手たちの状態がどうであったにせよ、自信に繋がる見事な逆転勝ちを収めたと言っていい。特にシュート8本で3得点という成果はチャンスでいかに高い集中力を発揮したかをハッキリ物語っており、それは今後間違いなくチームのストロングポイントともなっていくもの。影山雅永監督も「強豪相手にしつこさを見せて勝利を奪い取りました。今後我々の力や気持ちを奮い立たせて、出来ていたことを継続し習慣にしていく」とチームのこれからの成長を見据えていた。いずれにしても岡山にとって、今節は自らの基盤を大いに固められた意味あるものとなったことだろう。
以上
2010.04.30 Reported by 松下英樹
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