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【J2:第9節 草津 vs 富山】レポート:主将・松下裕樹、魂の無回転シュート炸裂! ホーム初勝利を挙げた草津は連勝街道ばく進中! 決定力不足に泣いた富山は痛恨の3連敗(10.04.30)

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4月29日(木) 2010 J2リーグ戦 第9節
草津 2 - 1 富山 (19:35/正田スタ/2,703人)
得点者:4' 松下裕樹(草津)、53' 堤健吾(富山)、84' ラフィーニャ(草津)
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ゲーム開始の1時間ほど前から正田スタは急激に冷え込んでいった。ピッチに吹き付ける北風は時間とともに強まり、GWとは思えないほどの冷寒な空気がスタジアムを覆い込んだ。だが開始4分、草津側スタンドは衝撃のゴールによって熱狂に包まれることになる。

ゴール正面やや右約30メートルの位置でFKを得た草津は、主将・松下裕樹がボールをセット。そして、ゆったりとした助走から自慢の右足を振り抜く。右足から押し出されるように放たれた無回転シュートは、ピッチに漂う冷気を切り裂きながら、富山GK中川雄二へ向かって加速していく。

止める。だれもがそう思った瞬間、ボールはGKの手前で急激な変化を見せゴールネットへと吸い込まれた。「無心で蹴ることができた。練習でも絶対にできないような弾道だったので、入った瞬間、『うぉーすげぇ!』って思った(笑)」(松下)。ホーム敷島で数々の伝説を創り上げてきた男・松下が再びクラブの歴史に彩りを加えた。

松下の無回転弾によって先制した草津は、3バックのシステムを採用してきた富山をいなしてワンタッチでボールをつないでいく。松下、熊林親吾、櫻田和樹が中盤で悠々とパス交換し好機を演出していく。「富山の中盤にスペースがあったので余裕を持って回すことができた」(熊林)。草津は、復活の雰囲気を十分に漂わせながらゲームを進めていく。

だがアクシデントが待っていた。前半35分に熊林が負傷交代、チームは微妙にリズムが崩れていく。起点を失ったチームは途端に攻撃のバリエーションが減り、富山に主導権を渡してしまう。櫻田は「少しずつリズムが狂って修正できなくなってしまった」と振り返った。

なんとか前半を乗り切った草津だが後半も劣勢の時間が続いていく。そして、再三に渡り失点を繰り返してきた後半立ち上がりの「魔の時間帯」にCKを与えると、ニアサイドで堤健吾に合わされて痛恨の失点。ゲームは53分にして1対1の振り出しに戻る。

後半は明らかに富山のゲームだった。失点によって迫力をなくした草津は、直後の54分、59分に富山に決定機を許すと、チーム全体が浮き足立ち、雑なプレーを連発。前半とは全く別のチームとなってしまう。「失点してガクってなってしまった」(御厨貴文)。富山の決定力不足に助けられた草津は終盤、菊池大介らの「個」を活かして突破を図り、一進一退の攻防へと持ち込む。

そして迎えた84分。草津の決勝ゴールはまたしても松下のFKから生まれた。強風を利用した左サイドからの絶妙なキックがGKを越えてファーサイドへ。「狙い通りのキック。オレっていいボール蹴るなあと思った(笑)」(松下)。そのボールをラフィーニャがDFと競り合いながらも体全体で押し込んで執念のゴール。前半に風下を選択した草津にとっては地の利を生かした勝利となった。敷島に吹いた風は、まさに「神風」だった。

3バックで挑んだ富山はゲーム序盤こそリズムがつかめなかったが、時間の経過とともにシステムがチームにフィット。草津をギリギリのところまで追い詰めた。しかし楚輪博監督が「フィニッシュに力を使わなければいけない」と語ったように、決定力不足に泣いた。3連敗となった富山は今が正念場だ。

今季初のホーム戦勝利で連勝を達成した草津だが、手放しで喜ぶわけにはいかない。ゲーム序盤の戦いからは「強さ」が感じ取れたが、一転して後半は「弱さ」が垣間見られた。この日の勝利は運に恵まれた部分もあり、「強さ」と「弱さ」が同居したチームは、まだどちらに転ぶかわからない状況だ。「内容的にはまだまだ足りない。上位陣を倒すためにはもっとチームを成長させないといけない」(高田保則)。草津の戦士たちは、単に勝利を求める旅から、真の「強さ」を追及する旅へと進路を変えた。もう後戻りはできない。

以上


2010.04.30 Reported by 伊藤寿学
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