スカパー！生中継 Ch183 12:50〜（解説：本並健治、実況：三宅きみひと、リポーター：林智美）
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ともに、苦しい状況が続いている。神戸は開幕戦こそ京都に完勝し、好スタートを切ったものの、以降、挙げた白星は7節の仙台戦のみ。現在、8試合を終えて2勝1分5敗（勝点7）と16位。対する新潟は、未だリーグ戦では一度も白星を挙げておらず、5分3敗（勝点5）で最下位に低迷している。もちろん、まだJ1リーグ戦も序盤だということを考えれば、悲観的になり過ぎる必要はないが、それでも中断期間に突入するまでにある程度、浮上しておきたいと思うのは当然のことだろう。しかも勝点差を見ての通り、今節の結果如何では神戸は最下位転落の可能性があり、新潟はより状況が苦しくなる。ともに調子が上がらない相手との対戦だからこそ、今節を浮上のきっかけにしたいのも両チーム同じだろう。
「5月はこの新潟戦に始まって勝点的に見ても近いチームとの試合が続く。こういうところでしっかりと勝って勝点を積み上げていきたい。ネガティブなまま中断には入りたくないので（三浦俊也監督）」
その『白星』を近づける上でカギになるのはやはり得点力だ。8試合を終えた時点で、両チームの挙げた総得点はともに5。これはJ1クラブ18チーム中、現時点での最少得点数だ。もちろん守りきれれば、試合には負けないかもしれないが、獲れなければ勝てないのがサッカーだけに、欲しいのはやはりゴール。それを、いかに奪い取ることが出来るのかは、試合全体の明暗を分けることになることだろう。
その『ゴール』において注目したいのはやはり両エース。神戸のFW大久保嘉人、新潟のFW矢野貴章だ。二人の今季におけるJ1リーグ戦での戦いを振り返ると、FW大久保はPKでの１得点のみ、FW矢野は未だゴールを挙げられていない状況にある。もちろん、FWの仕事は何もゴールを獲るだけではないが、それでもエースの好調はチームを勢いづける要素の１つ。特にFW矢野は昨年のJ1リーグ戦33試合に出場した中で、彼がゴールを挙げた試合でのチームの成績は6勝2分と一度も負けていない。それだけに、ファンやサポーターが「エースが獲ってくれたら…」と願っているのは言うまでもないだろう。
そのFW大久保については、仙台戦での鼻骨骨折の影響で相変わらずフェイスガードをつけてのプレーが続いているが、「プレー中にずれたり、熱かったり、邪魔なのは間違いないけど、プレーには支障がない。ヘディングをしても問題ないしね」と、視界の遮りなどにも徐々になれて来た様子。痛めていた左足も「蹴っても痛みがないし、怖さもほんのちょっとだけ残っているけど、自分としては完治したといってもいい状態」と、ようやく気にせずにプレーできるようになっていることからも、そろそろ流れの中から、ゴールをこじ開けたいところだ。
「個人的にゴールを獲れていないことに焦りはないし、最初から出れば獲れそうな予感もありますから。ただ、チームとして、今は全くカウンターが効いていないし、遅いからチャンスを作れていないという課題がある。都倉（FW都倉賢）が入った中でみんなの攻撃に対する思考が『都倉に当てればいい』というような感じで一辺倒になっている場面も多いので、そのへんはカウンターとポストプレーというのを巧く使い分けながら、攻められたらいい（FW大久保）」
昨年の両者のJ1対戦成績は、それぞれがホーム戦で勝利を手にする中で1勝1敗。つまり、ホーム戦で戦うには相性のいい相手、という見方もできる。今節、ホームで戦う神戸にとっては『ホームズスタジアム』を後押しにして、勝利を引き寄せたいところだろう。
「今は苦しい状態が続いているけど、監督が目指すサッカーのもとに選手がブレてはいけないし、今は何より『勝点３』を獲ることが大事ですから。チームとしてどういう結果を残すのか、ということに気持ちを一つにあわせて戦いたい（GK榎本達也）。」
尚、今試合は、毎年恒例となった『ファミリーJoinデイズ』。「いい試合をして観に来た人に喜んでもらえたら嬉しいし、一方でプロとして戦う姿をしっかり魅せたい。ハードワークをして戦う姿を、たくさんのファミリーの方に見てもらえたら嬉しいですね」とGK榎本が話すように、熱く戦うであろう選手たちの姿、試合を楽しむことはもちろん、場外広場等々では家族みんなで楽しめるたくさんのイベントが予定されている。そちらも併せて是非、『サッカー』を満喫してもらいたい。
以上
2010.04.30 Reported by 高村美砂
