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【J2:第9節 水戸 vs 東京V】レポート:パスサッカーを貫いた東京V、4ゴールで圧勝!なすすべなく敗れた水戸は、大きな決断の時を迎えている。(10.04.30)

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4月29日(木) 2010 J2リーグ戦 第9節
水戸 0 - 4 東京V (16:04/Ksスタ/2,508人)
得点者:17' 平本一樹(東京V)、50' 菊岡拓朗(東京V)、70' 柴崎晃誠(東京V)、76' 佐伯直哉(東京V)
スカパー!再放送 Ch183 4/30(金)15:00〜(解説戸塚哲也実況野村明弘リポーター高木聖佳)
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違和感を覚えざるを得なかった。前節札幌戦後のチームの表情に、だ。
札幌相手に防戦一方の展開を強いられ、ほとんどチャンスらしいチャンスを作り出すことができなかった。それでも水戸は粘り強い守備をしながら1失点に抑え、そしてCKから2つのゴールを決めて勝利をした。勝点3を得たことは素晴らしいことだが、内容的にはあまりにも守備的すぎた。それは当初水戸が目指したサッカーではなかったはず。それだけに札幌から帰ってきたチームからは勝ったことに対する喜びの声が出るのと同時に内容への不満が出てくることだろうと予想をしていた。しかし、「あんなにうまく行くと思わなかった」と語った木山隆之監督をはじめ、チーム全体から札幌戦の戦いを“よし”とする雰囲気が漂っていた。

開幕戦こそ攻め勝って勝利をおさめたが、その後は中盤を支配され、守備的な戦いを余儀なくされた。ただ、「中盤の構成力で勝てるようにしたい」と以前から口にしていた吉原宏太を中心に開幕からの数試合は『攻める』意識は感じられた。だが、試合ごとにリスクを冒すシーンが減り、ゴール前に人数を固めて守る戦い方が板についてしまった。そして、前々節福岡戦で耐え忍んで勝利をおさめたことでチームは一気に守備的な戦いへとシフトしていった。

結果が出ない中でも戦い方を貫いてきた東京Vと完全に戦い方を変えてしまった水戸。両者の積み重ねの差が点差に出たと言っていい。
序盤は水戸がペースを握った。DFラインからロングボールを蹴り込み、東京VのDFを押し下げて攻め込んだ。ベンチに座っていた吉原が「序盤は安心して見てられた」と言うほど、積極的な出だしを見せた。だが、木山監督は違う感想を持っていた。「ボールを持たされた」。これまでの水戸は相手にボールを支配され、守備を固めることでリズムをつかんできた。しかし、この試合では東京Vが無理にプレスをかけてこなかったことにより水戸が前に出る格好となってしまい、守備のバランスを崩すこととなった。

17分、東京Vがカウンター。鋭い攻守の切り替えで右サイドを飛び出した菊岡拓朗からのクロスを平本一樹が頭で合わせて東京Vが先制する。1点のビハインドを負い、水戸は攻勢に出たいところだったが、東京Vのパスワークに翻弄される。中でも河野広貴の個人技にはいいように振り回された。組織的な守備ができないため、常に1対1の状況を作られてしまい、河野に次々と突破を許すことに。そして50分、巧みなフェイントで水戸DFをかわした河野からのスルーパスを菊岡が蹴り込んで追加点。その後も攻め手を緩めなかった東京Vがミドルシュートで2点を追加し、4−0の圧勝をおさめた。
前節・甲府戦で終了間際の失点により敗戦を喫した後、周囲からは「無理をせずに勝点1を取る戦いでもよかったのでは」という声があがったという。だが、そうした雑音を川勝良一監督は断ち切るため、選手たちに「1−1で終わる気はなかった。攻めて2−1か1−2にするかだった」とあらためて『攻める』意識を強調して今節に臨んだのであった。これまで8試合でわずか4得点の東京Vだったが、その徹底した姿勢が大量得点につながったことは間違いない。結果が出ずとも自分たちのサッカーを見失わなかったからこそ、チームは進化を見せたのである。「今後に向けていいゲームだった」と川勝監督は笑みを見せた。

一方、水戸はどうか。「攻守によくないことがたくさん出た」と木山監督が振り返るように、90分通していいところは一つもなかった。ボールの取りどころが定まらず、ボールを持ってもロングボールを蹴り込むだけで、攻守においてチグハグさだけが目立った。そうなってしまったのも、戻るべき場所がないからではだろうか。そこでの東京Vとの差は顕著であり、それが結果として表れることとなった。たった1つの敗戦だが、これまで築いた土台のもろさを露呈したという点で点差以上に痛い1敗だったと言えるだろう。

ただ、まだ9試合が終わったところ。今こそもう一度自分たちを見つめ直すチャンスである。逆にここで見つめ直さなければ、手遅れになりかねない。今季の水戸はどんなサッカーを目指すのかをはっきりさせる必要がある。果たして「水戸ナチオ」のままでいいのか。2年間かけて築いてきた攻撃サッカーを諦めてしまっていいのか。
今、水戸は大きな決断の時を迎えている。

以上

2010.04.30 Reported by 佐藤拓也
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