4月28日(水) AFCチャンピオンズリーグ2010
鹿島 2 - 1 全北 (18:59/カシマ/6,490人)
得点者:20' イ ジョンス(鹿島)、22' 野沢 拓也(鹿島)、77' チン ギョンソン(全北)
ホームゲームチケット情報 | 決勝戦は11月13日(土)に国立競技場で開催!
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試合後の鹿島の選手たちは一様に明るい表情だった。普段のプレースタイルからは想像できないアシストを決めた岩政大樹は、ミックスゾーンで待つ報道陣に対し「みんな、アシストの話を聞きたいでしょ」と上機嫌。得点を決めた野沢拓也も笑顔で語り、怪我が心配される内田篤人でさえ嬉しそうな表情を見せていた。予選リーグを6戦全勝で終えラウンド16をホームで戦う権利を得ただけでなく、全北現代という強豪に対し理想的な試合展開で勝利したことが、その理由だろう。全北現代は強かった。しかし、鹿島はそれ以上に強かった。
前回の対戦と同様に[4-2-3-1]のフォーメーションを組んできた全北現代だが、1トップにおさまったのはイ・ドングッではなくルイ・エンリケ。もともと中盤の選手なだけにキープ力は抜群だが、ゴールから遠い位置まで引いてしまうため鹿島守備陣に与える圧力は少なかった。それに加えて両SBも積極的に攻め上がる。「もうちょっと普通に入ると思った」と内田が驚くほどの攻撃的な姿勢を見せてくる。しかし、いたずらに攻撃の人数が増えるばかりでゴールへの道筋が見えない。逆に鹿島の2トップに対し、残っているのがCBの二人という危険な状態を招き、開始早々から興梠慎三の動きを抑えられず、1分に興梠のクロスにマルキーニョス、4分に小笠原満男のパスから興梠のドリブルと鹿島が立て続けに相手ゴールを脅かした。
先に流れを掴んだのが鹿島なら、得点を奪ったのも鹿島だった。20分、左CKにイ・ジョンスが頭で合わせて先制点を奪う。「いいボールが来た」とキッカーの野沢を讃えたが、この得点で全北現代が完全に意気消沈。22分、FKから岩政がヘディングで落とし、興梠がリターンパスを返すと全員がボールウォッチャーとなってしまう。浮き球を岩政がダイレクトで左サイドにいた野沢に送ると、もう誰も対応できず、鹿島が2点目をあげた。
2点のリードを奪ったことで、3失点しなければ予選1位通過できるという大きなアドバンテージを前半のうちに得る。鹿島は無理をする必要がなくなり、しっかりブロックを形成して相手の攻撃に対処。ゴール前の場面は増えたが得点を奪う能力を持った選手はいまだに全北のベンチに座っている。失点の危険性は低かった。
その様相ががらりと変わったのが54分だ。いよいよイ・ドングッが登場、布陣も[4-1-4-1]に変更されると一気に全北がペースを握った。イ・ドングッにボールがおさまるようになっただけでなく、CBの前にワンボランチを据えたことで、CBの2枚を相手にしていればよかった鹿島の2トップは、6番のチン・ギョンソンの存在も考えなくてはいけなくなってしまったのだ。これにより2対2だった状況が2対3となり全北の守備に安定感が出てきた。だが、それでも鹿島の守備陣は集中力を保つ。左サイドのチェ・テウク、右サイドのイム・サンヒョプを内田やフェリペ、新井場徹や野沢が連携を取りながら封じる。簡単にクロスをあげさせない気迫を見せた。中央は岩政と、イ・ジョンスがしっかり蓋をする。77分にミドルシュートを叩き込まれたものの、攻められながらも守備陣形を崩された場面は少なかった。
全勝で予選リーグを突破した鹿島は、ラウンド16をホームで戦う権利を得た。昨シーズン、FCソウルとの戦いではリードしながらも小笠原の退場から窮地に陥り、最終的にはPK戦の末敗退した。あれから1年が経ち、今年こそアジアを制するという決意は固い。つぎのターゲットはオズワルド・オリヴェイラの実弟であるワルデマールが率いる前年度アジア王者の浦項スティーラーズ。対戦日は5月12日である。
以上
2010.04.29 Reported by 田中滋
J’s GOALニュース
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