スカパー！生中継 Ch181 14:50〜（解説：羽中田昌、実況：前田真宏、リポーター：土橋 諒、プレーヤー解説：堀井岳也）
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J1もJ2も潮目が変わりつつあるように見える。これまで勝てていたチームが引き分けたり勝てなかったりすることが少し目立つ。連戦、対戦相手、ケガ人などの理由も考えられるが、開幕時点で上手く噛み合わなかったチームがようやく軌道に乗るようになってきたことも理由の一つだろう。現在3連勝中の甲府は第6節までは11位から17位までの間をウロウロしていたが、第8節終了時点で6位まで順位を上げた。まだ1試合の勝ち負けで順位が大きく動く状態だが、消化試合が1試合少ない甲府にとって2位（千葉）、3位（大分）と勝点差が3になったことは活力になる。今節の結果で10位の福岡が甲府の上に行く可能性もあるので「安心」は禁止だが、活力を結果に変えて昇格圏内入りして更に大きな活力を手にしたい。
札幌はここ3試合で1分2敗。新聞記事には楽しい話は書いていない。システム変更や先発選手の入れ替えで現状打開を図るものの、セットプレーからの失点が大きな課題として圧し掛かっている。昨シーズン19ゴールのキリノも今期はノーゴールで柏戦（第6節）から先発を外れている。去年は13試合負けなしで順位をググッと上げた時期もあったが、今年は試合数が減っているので「昇格」という希望のためには早めに潮目を変えなければならない。また、日ハムが苦戦しているので、どんなときでも応援してくれるサポーターだけでなく、勝ち馬に乗りたい道産子をコンサ号に乗せるためにも勝ちたい。前節は堀田秀平が先発を果たしたことはいいニュースだが、能力を発揮できるようになるまでにはもう少し経験が必要。愛媛から獲得した内村圭宏が腰痛で出場が難しい現状で明るい話を探すことが難しい。「ゴン（中山雅史）とキリノか近藤祐介のツートップ」を見てみたいが、石崎信弘監督が現状打開のためにどんな手法を取るのか注目している。
3連勝で6位に順位を上げた甲府が14位の札幌に勝てる保障なんてあるわけないから今節も必死で立ち向かうしかない。ゴールデンウィークの連戦ということを考えれば、先のことを心配したくなるが目の前の試合に勝つことでしか「希望」を育てることは出来ない。ヤマザキナビスコカップやチャンピオンズリーグで勝つことを心配しなくてもいいので、甲府は一戦必勝で行ける所まで行くだけ。ただ、試合間隔が短くなるゴールデンウィークは選手の負担が大きくなるから、選手起用が難しくなる。甲府で存在感を高めている養父雄仁だが、前節の東京V戦を見れば4試合連続先発の疲労を感じる。慣れれば大きな問題はなくなると思うが、ゴールデンウィークの連戦中に先発出場の連続に慣れることは難しいだろう。甲府のキーマンになりつつある養父のコンディションを下げないようにする使い方が一つのポイントになる。東京V戦では途中出場の石原克哉が良かっただけに、先に養父で行くのか、先に石原で行くのかという興味が沸く。
養父か石原かという中盤の選択肢にはほとんど不安は感じないが、現時点での最大の問題は3トップのダイナモであり、バランサーでもある大西容平の不在（ケガ）。前節は片桐淳至が3トップで先発したが、マラニョン、金信泳、片桐の3トップは全員が主張の強いタイプ。「オレオレ3トップ」ではちょいとバランスが悪い。大西は、マラニョンや金が「オレオレ」になれば自分のプレーを変えてバランスを取っていたが、片桐はそれが似合うタイプではない。しかし、片桐にしか頼めないのも現実。松橋優という選択肢もあるがもうちょっと時間が必要。前節と変更なく片桐が先発するのなら渇望をエネルギーにした成長を見せ付けて欲しい。
以上
2010.04.28 Reported by 松尾潤
