スカパー！生中継 Ch181 19:20〜（解説：佐藤正美、実況：梨子田友和、リポーター：木村雅子）
--試合速報--
ファミリーJoinデイズ | お絵描き企画| スタジアムグルメ
勝敗予想ゲーム！29日13:00締切り！|皆の投稿で作るスタジアム情報
----------
前節、開幕から７試合どうしても開けることができなかった重い扉がついに開いた。１対０という僅差の勝利。決して磐石な戦いぶりではなかったが、草津の選手たちは必死でその扉をこじ開けた。そのパワーとなったのはこれまでに味わった屈辱だ。流した涙の分だけチームは強くなる。今季初勝利を挙げて士気上がる草津が、正田スタに富山を迎えてホーム初勝利&連勝を狙う。
「富山？それはやっぱり気になりますね」。昨季富山でコーチを務め今季草津の指揮官に就任した副島博志監督にとって今試合は特別なゲームとなる。新指揮官のもとチーム再構築に取り掛かる最下位・草津と、新戦力との調和を図る17位・富山。チームがまだ完成していない点では両チームの置かれた状況は似ている。だがすべての力を合致させれば現状を打破することは可能だ。草津、富山ともに今ゲームを浮上の足掛かりにしたいところだ。
富山は前節、徳島相手に２点を先制しながら後半に３点を叩き込まれて痛恨の逆転負け。前々節甲府戦でも５失点を喫して２試合計８失点となっている。徳島、甲府という攻撃力の高いチームが相手だけに評価が難しい部分もあるがダメージは残る。相手を知り尽くす副島監督は「富山のウィークポイントは十分過ぎるほど分かっている」と語る。
ただ富山・楚輪監督も副島監督の手の内を把握しているはずで、草津対富山という因縁の対決は心理戦の様相を呈してきた。草津は、富山の２トップ・黒部光昭、苔口卓也の決定力はもちろんのこと、昨季苦しめられた朝日大輔、木本敬介のMF陣にも細心の注意を払う必要があるだろう。
前々節まで「４−２―３−１」のシステムを採用していた草津は、岡山戦で「４−４−２」へと変更して勝点３を手にした。指揮官によると先週からチームの意識を変えていったという。副島監督は「それまでは守備から入って結果が出せずにネガティブになっていたので、『守備から攻撃』ではなく『攻撃から守備』というイメージを植えつけた」と説明する。「高い位置でボールを動かすことで選手それぞれの長所が出てくるようになった」（松下裕樹）。意識改革を実行した草津は、本来の姿を取り戻すことに成功した。
そして初勝利の原動力になったのは、ポゼッションだ。２節以来、６試合ぶりに先発へ戻った熊林親吾、ボランチに入った櫻田和樹が阿吽の呼吸でショートパスをつなぐことによりチームのリズムは確かに変わった。相手陣内で時間を作ることで、松下裕樹、佐藤将也、佐田聡太郎らが積極的に攻撃参加を繰り返した。決勝点となる松下のPKもその流れから生まれた。熊林が「ボールを回すことで一昨年から取り組んできた形が自然と出てきていたと思う」と話せば、佐田は「去年までの攻撃的なスタイルと、臨機応変な今年のサッカーがうまく融合していた」と手応えを口にする。今ゲームで再び結果を手にすることができれば草津の手応えは確固たるものとなる。
開幕８戦目にして初勝利を挙げた草津だが喜びに浸る雰囲気はなく、気持ちは富山戦へと向かっている。闘将・戸田和幸は「勝つことはできたが、チームの勝点はたったの４しかない。これからが重要だ」と引き締める。２トップに位置に戻った高田保則は「チームのベースが出来たのでこれからは積み上げていくだけ」と巻き返しを誓う。草津の逆襲はここから始まる。
以上
2010.04.28 Reported by 伊藤寿学
