4月29日(木)J2 第9節 鳥栖 vs 熊本(13:00KICK OFF/ベアスタ)
スカパー!生中継 Ch184 12:50〜(解説:サカクラゲン、実況:君崎滋、リポーター:ヨンヘ)
--試合速報--
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前節、首位の柏をホームに迎えた熊本は、今シーズン初めての複数失点を喫して敗れた。J1復帰を目指す柏に対して、特に前半は腰が引けたような戦いぶりを見せてしまったが、しかしそのままでは終わらなかった。後半には流れを引き寄せてチャンスを作り、松橋章太の今季2得点目で一矢報いたのである。フランサの投入によって柏のバランスが崩れたという面もあったにせよ、「無得点で終わらなかったことは次につながる」と、その松橋は言う。そして迎える今節の鳥栖戦。ベストアメニティスタジアムに乗り込む熊本にとって、今年最初のバトル・オブ・九州となる。
ここまでの鳥栖との対戦成績をひもとけば、08年は1勝1分1敗、そして09年は2勝1敗と、Jの先輩に対して6試合を戦って3勝1分2敗と勝ち越している。初めてのベアスタでの対戦で感じた高揚感も、山内祐一の決勝ゴールによって九州ダービーでのホーム初勝利を飾った昨シーズン第3クールでスタジアムを包んだ興奮も忘れられない。とは言え、08年、09年とも初戦は今回と同じくアウェイで戦い、いずれも勝点を上げている熊本ではあるが、勝敗がついたケースも全て1点差の拮抗した展開になったことも忘れてはならない。現在の順位は熊本が勝点14の5位、鳥栖が勝点13の7位と、この試合の結果次第で順位が入れ替わる状況とあって、スタンドも含め白熱したゲームになると予想される。
鳥栖は前節に続いてのバトル・オブ・九州。福岡との試合後の会見で「内容はどうでもいい、とにかく勝つ事がすべてだ」と選手たちに話したと松本育夫監督は語っているが、おそらく今節も同様のモチベーションで臨んでくるに違いない。まずはそうした気持ちの面で負けない事が最低条件となる。
戦い方に目をやれば、ひとつには「基本的には前からプレスをかけてくる」(高木琢也監督)という鳥栖に対して、いかにそのプレスをいなすかという点が挙げられる。「ポゼッションするのが理想」と中盤でボールをさばくキャプテンの原田拓は話すが、鳥栖が前線からのプレスに合わせてバックラインを押し上げ、後方に大きなスペースが表れれば、「コンビネーションも合って来て、欲しい所でもらえるようになってきた」と話す松橋のスピードが生きるカウンターのチャンスも増えるはず。状況を見極めてチームとしての判断を共有し、タイミングを逃さずに仕掛けたいところ。一方で、高木監督も「取ってからが早い」と捉えている鳥栖の切り替えにも気をつけたい。特に中盤での人数をかけたタイトな寄せは迫力があり、まずはマイボールを簡単に失わない事もポイントとなろう。
守備に関しては、豊田陽平に合わせてからセカンドボールを拾って展開する形の多い攻撃に対して後手を踏まない事が鍵。「起点を潰してリズムを与えないようにしたい」と、山瀬幸宏、金民友らテクニックのある鳥栖の左サイドにマッチアップすることになる右SBの市村篤司は話す。そのためにも、豊田との関係で動く池田圭、さらには衛藤裕らスペースを見つけては出てくる両サイドも含めた中盤をしっかりとケアしなければならない。そこで優位に立って攻撃につなげることができれば、自ずと熊本のペースに持ち込むことが可能となる。
また、前節熊本が2失点しているのに対し、鳥栖は木谷公亮のヘディングシュートの1点を守って勝っており、セットプレーも注目点のひとつ。金や藤田直之からの精度の高いボールに対し上背のある選手が飛び込んでくるとあって、前節の反省を生かしてしっかりと対応することが求められる。先制点を与えて前がかりになると、裏を取られてカウンターを浴びるリスクが増す。そうした場面を作らせない上でも、「我慢することが大事」(原田)だ。
九州5クラブの中でトップに立ってもJ2全体でトップになるとは限らない。しかし全36試合のうち、1/4に近い8試合を九州のチームと対戦する事を考えれば、このバトル・オブ・九州を制する事が最終的な順位にも影響する事は明らか。特に前節敗れている熊本は、相手が鳥栖であることを抜きにしても、今節は必ず勝たなくてはいけない試合。当日は熊本からも大勢のサポーターが詰めかけるはずで、アウェイとは言え選手たちにとって少なくない力となる。熊本はいまだ負けた事がないベアスタから、KING of B・O・Kへの第一歩を踏み出す。
以上
2010.04.28 Reported by 井芹貴志
J’s GOALニュース
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