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【J1:第8節 C大阪 vs 名古屋】レポート:長居のドラマはまたも90分から。勝ったのは「三度目の正直」となった名古屋。C大阪は名古屋GK楢崎正剛の好守を崩せず(10.04.26)

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4月25日(日) 2010 J1リーグ戦 第8節
C大阪 0 - 1 名古屋 (14:03/長居/13,867人)
得点者:90'+1 玉田圭司(名古屋)
スカパー!再放送 Ch182 4/28(水)04:30〜(解説:山本昌邦、実況:西岡明彦)
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直近の試合で終了間際にドラマを経験したC大阪と名古屋の対戦は、今回も最後に劇的な展開が待っていたが、勝利したのはアウェイの名古屋。90+1分、ケガから復帰した日本代表FW玉田圭司のFKにより1-0と接戦を制して、過去2戦の屈辱を払拭し、「三度目の正直」で白星を獲得。順位を2位に上げた。逆にC大阪は今季初の連勝ならず、最後に力尽きた。

試合を振り返ると、名古屋のストイコビッチ監督の言葉が、端的に内容を表している。「前半は我々がしっかりコントロールして、もちろんシュートまで持っていけていた」と言うように、序盤から主導権を握っていたのは、大黒柱のFWケネディをこの試合でもケガで欠いていた名古屋。開始早々に太ももの違和感を訴えたMFマギヌンまでも失うアクシデントに見舞われながら、ボランチに入ったMF三都主アレサンドロや、攻撃的MF金崎夢生、そして4試合ぶりの出場となった玉田を軸に攻め立てる。

対するC大阪はFWアドリアーノ、MFマルチネスの主力ブラジル人2選手をケガで欠くなか、前半は相手の攻撃を受ける時間が目立ったが、そこを凌ぐと、今季2度目の先発となったMF家長昭博を中心に徐々に盛り返していく。そして、36分には移籍加入後初めてスターティングメンバーに名を連ねたFW播戸竜二が右足から強烈なシュートを放つと、38分にはMFアマラウの右ミドルを播戸が足に当ててラストパス。これを同じくゴール前にいたMF香川真司が左足で押し込もうとした決定機もあったが、枠に入れることができず。結局、前半は0-0でハーフタイムを迎える。

後半について、ストイコビッチ監督は「カウンターの応酬のような形になって、我々がチャンスを作って決められないと、C大阪が今度は得点機を作ったということで、そういう意味ではオープンな、どちらに転んでもおかしくないような、ストレスのかかるゲーム」という表現をしていた。ただし、「ストレス」を感じさせられていた割合は、名古屋のほうが多かった。広島のACL出場により順延されていた第4節を水曜日に行ったこともあって、中3日での試合が続いた名古屋は、後半に入ると疲れもあってかペースダウン。そこからC大阪の猛攻にあう。

C大阪の好機は62分、DF尾亦弘友希の左CKから。DF高橋大輔がドンピシャのタイミングでヘッドを合わせるも、名古屋の守護神、GK楢崎正剛に弾かれ、得点ならず。ここから、C大阪攻撃陣対楢崎の戦いがスタート。名古屋が三都主に代えて守備的MF吉村圭司、C大阪が播戸に代えてFW小松塁を投入し、C大阪攻勢の色合いがより濃くなるなか、C大阪はアマラウの強烈ミドル、家長のペナルティーエリア付近での強シュートなどで立て続けにゴールを脅かす。それでも、好守を連発する楢崎の壁を崩せない。

そして勝負のアヤとなったのは、C大阪レヴィークルピ監督のタクト。2枚目のカードとして公式戦初出場となる19歳のMF丸橋祐介を、緊迫した展開のなかで送り込んだ時だ。当初は疲れの見えたMF乾貴士と代える予定だったところで、尾亦の足の異変を察知した指揮官は尾亦との交代に変更。しかし、これが裏目となった。交代時は自陣での相手のスローインから。丸橋はファーストプレーで玉田のスピードに対応できず、ファウルを犯し、FKを献上。このFKが後に決勝点につながる。レヴィークルピ監督は慌てるようにFK直前にDF石神直哉を投入したが、その直後、「これに賭けるというか、ストレッチをたくさんして、集中していた」という名古屋FW玉田の渾身のFKが、アマラウの頭に当たってコースが変わり、無情にも失点。最後、C大阪は反撃を試みるも及ばず、何とも悔しい敗戦となった。

ただ、丸橋を責めることは断じてできない。丸橋は左サイドならどこでもできるが、今季サテライトで2列目の位置に入ってからメキメキ頭角を表してきた、左足のキックが長所のC大阪U-18出身の選手。1年目にはベンチにすら入れなかっただけに、この大舞台での出場は酷過ぎる。むしろ、左サイドバックが本職なのは石神のほうだ。「メンバー入りが決まったときはうれしかったし、出たら絶対に全力でやろうと思っていた。ただ、ファーストプレーでファウルをしてしまって、それが得点につながってしまい、それが本当に悔しかった」と語る19歳は、これからの選手。この経験を糧に奮起してほしい。

逆に名古屋は3試合ぶりの勝利。数々の逆境のなかでも、最後に白星をもぎとった形だ。「最後まで我々は、自分たちを信じて、強みを出すことができた。今日は本当に意味のあるゲームだった」と胸を張ったストイコビッチ監督。再三のピンチを防ぎ、勝利に大きく貢献したGK楢崎に対して「今日は本当に素晴らしかった。それは疑いようのないことで、本当に我々が必要としているGKが楢崎だ」と最大級の賛辞を贈っていた。

以上

2010.04.26 Reported by 前田敏勝
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