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【J2:第8節 札幌 vs 水戸】レポート:セットプレーの好機を生かした水戸が敵地で見事な勝利!札幌は終始押し込みながらも、手痛い敗戦を喫してしまった。(10.04.26)

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4月25日(日) 2010 J2リーグ戦 第8節
札幌 1 - 2 水戸 (13:03/札幌ド/11,430人)
得点者:45' 作田裕次(水戸)、58' 上里一将(札幌)、68' 作田裕次(水戸)
スカパー!再放送 Ch181 4/26(月)23:30〜(解説:野々村芳和、実況:永井公彦、リポーター:藤井孝太郎、プレーヤー解説:堀井岳也)
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多くの時間、札幌がボールをコントロールしていながらも、ゲーム全体は水戸がコントロールしていた。そういう試合だった。

前節は試合が組まれておらず、しっかりとコンディション調整を行なってこのホームゲームに臨んだ札幌は、立ち上がりからやはり動きが良かった。高い位置からの守備が連動しており、4分には藤田征也が相手の横パスをカットして宮澤裕樹へラストパスを通したし、7分には岡本賢明が独特のリズムでのドリブルから1トップの近藤祐介にクサビのパスを当て、グループでの小気味良い攻撃を見せていた。
また札幌は右サイドバックに、公式戦初出場となる堀田秀平を先発起用していたが、この選手も落ち着いたプレーぶりを披露。ボール保持時に相手のアプローチを受けても、慌てることなくボールを斜めに持ち出してパスコースを作り出すなど、的確な判断ができていた。給水のタイミングも良かったし、この日くらいのパフォーマンスができれば、今後の戦力として十分に計算できると言っていいだろう。

プレーのクオリティは、やはり札幌が水戸を圧倒していた。同じ4−2−3−1のシステムを採用していたこともあって、特に1トップと2列目の選手との連動性などは、その差がわかりやすく見て取れた。また、現代サッカーでは最終ラインから前線までがコンパクトに保たれている時間帯が多いため、上下にスペースを求めるよりも、左右の横幅をうまく使えるチームこそがボールをコントロールすることができる。水戸は逆サイドにスペースを見つけても大きな展開をすることができず、途中に1人ないし2人を経由することで時間を要してしまい、相手にケアされる、あるいは横パスを狙われるといった場面が幾度もあった。それに対し札幌は左足での強力なキックを持つ上里一将が一本のパスでボールサイドを変えてしまうなど、ダイナミックさでも水戸を上回っていたのだ。

ただし、ボールポゼッションやプレークオリティーの差が、必ずしも結果に反映されるわけではないのがサッカーである。結果を言ってしまうと、多くの部分で札幌が水戸を上回りながらも、もっとも重要な部分、つまり結果を出したのは水戸だった。

「シュートはたくさん打たれましたけど、そんなに脅威を感じるシュートはなかった」と水戸の木山隆之監督は振り返る。札幌は前半から水戸陣内を脅かし、スピーディなパス交換からチャンスは作ったものの、最終的には角度のあるエリアからはなかなかシュートを打つことができないでいた。作田裕次、大和田真史で組む水戸のセンターバックがアタッキングサード中央付近をしっかりと固めていたため、札幌は知らずのうちに窮屈なゾーンにボールを運ばされていた印象が強い。

そうして札幌が攻撃を続けながら突入した前半ロスタイムに、水戸が右CKから作田の蹴り込みで先制点を奪うと、58分に上里のゴールで一度は札幌に同点とされたものの、68分に左CKからまたも作田が決めて水戸が追加点。札幌に攻めさせておいて、4度得たCKのうち2つを得点に結びつけるという合理的な試合運びで、水戸が敵地で見事に勝点3を獲得した。

さて、あらためて試合を振り返ってみたいのだが、パフォーマンスやチームの連動性という部分ではやはり札幌が水戸を大きく上回っていた。しかし、勝点3を得るための現実的な戦い方という部分では、水戸の一日の長があった。そうしたことを踏まえると、この試合をどう見るべきなのだろうか? 

第三者としての意見すぎて申し訳ないが、負けた札幌の方は、この試合だけを考えた場合はそれほど悲観的になる必要はないだろう。ボールもしっかり動いていたし、守備ブロックを形成した相手に対してもクサビのパスを当てて丁寧に崩していった。そのポジティブなスタイルは、非常に見応えあった。グループとしての成熟度が高まれば、さらに質の高いアタッキングサッカーが見られそうな気配である。だが、結果に結びつかなければ意味がない、という見方もできるので、このあたりは難しいところだろう。札幌はJ1昇格を目指しているわけで、そのために必要なのはとにかく勝点である。ただし、結果だけを追求しての昇格は07年にすでに経験をしているので、その時とは違ったアプローチでの昇格を目指しているということなのだろう。

一方で勝った水戸。勝点3を得たのだから、基本的にはオールオーケーである。ただしその一方で、受け身の戦い方をしながらシーズンを戦い続けるには、フィジカル的な面を考えると難しい部分も多い。今後、上位を狙っていくにはマイボールの時間を増やす戦い方も必要になるかもしれないだろう。

J2で争っているのは、唯一、昇格だけである。その意味では全てのチームがJ1昇格をかけて戦っているわけで、それを達成するために必要なのはとにかく勝点である。ただし、本当に勝敗だけがすべてなのであるならば、試合を見る必要性があまりなくなってしまうではないか。やはり、どういうサッカーをしていたのか、その部分からも目をそらすことはできない。

以上

2010.04.25 Reported by 斉藤宏則
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