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【J1:第8節 川崎F vs 神戸】レポート:先手を取り続けた川崎Fが、ゆとりのある試合運びで快勝。ケガで都倉を失った神戸は、劣勢を挽回することができず。(10.04.25)

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4月24日(土) 2010 J1リーグ戦 第8節
川崎F 3 - 0 神戸 (14:05/等々力/17,669人)
得点者:5' レナチーニョ(川崎F)、49' 黒津勝(川崎F)、78' 鄭大世(川崎F)
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中村憲剛の復帰の影に隠れてはいるが、この試合を動かした殊勲者として黒津勝の名前を上げざるを得ない。神戸にとって、前後半開始直後の失点が試合展開を大きく左右したからである。黒津の最初の仕事は前半5分の場面。エリア内で倒されてPKを奪い、レナチーニョの先制点をお膳立てする。さらに後半開始直後の49分には自らが決めて点差を2点に広げた。

先発での復帰戦ではあるが全く問題のないプレーぶりの中村に加え、稲本潤一をも擁する川崎Fの中盤に対し、神戸は無理をすることはなかった。というよりもむしろ中盤での主導権争いで劣勢を強いられる展開となる。最終ラインで奪ったボールはシンプルに前戦の都倉賢へとつながれ、2トップでコンビを組む小川慶治朗を中心とした選手がセカンドボールを意識した。そして実際に神戸はその攻撃によってチャンスを作り出していた。川崎Fがそうした戦いに慣れていなかった事も神戸にプラスに作用する。だからこそ、前半5分という時間での先制点の意味は大きかった。

「試合が落ち着かない中で点が入った。あれで落ち着けたかなと思います」と川崎Fの先制点について話すのは田坂祐介。神戸が都倉に当てたボールのこぼれ球に注意を払っていたという田坂にとって、1点のリードの意味は大きかった。すなわち、無理に攻めに出る必要がなくなり、ある程度の守備を作りやすくなったからである。そして実際に試合は川崎F側に有利に進む。

神戸にとって不運だったのは都倉賢が肋骨を痛め、前半で退かざるを得なかった点。最終ラインからシンプルに前方に蹴るスタイルの神戸の攻撃にとって、体を張ってポストを演じられる都倉のプレースタイルはうってつけのものだった。その都倉に代わり、大久保嘉人が後半からピッチに立つが、中盤からのパスが期待できない事もあり、前半ほどには攻撃の形を作ることができなかった。

先制点を奪い、守備に力を注げるようになっていた川崎Fに対し、神戸は攻撃の足がかりになっていた都倉を失う。そしてさらに、後半開始直後に黒津が追加点を決める。これで完全に試合の流れは川崎F側に傾くのである。後半61分に小川に代わりピッチに立った吉田孝行は2点をリードされた状況について「点を取られた後、引かれてスペースが無くなりました。ああなると難しいですね」と話している。中盤でイニシアチブを握れない神戸に対し、川崎Fは無理をせず横パスをつなぎながら神戸の穴を探り、時折鋭い攻撃を見せた。

後半78分には鄭大世が相手ボールを奪い取りエリア内へ。対応した河本裕之ともつれたプレーが決定機会阻止と認定されてPKが宣告される。また河本は一発レッドの判定を受けることとなった。川崎FのPKのファーストチョイスはレナチーニョ。しかし、前日のPK練習時の双方の誤解から、鄭大世がPKスポットへ。これをポストに当てながらも鄭大世が決めて川崎Fが逃げ切り体制に入る。

FWとして得点のほしい鄭大世は「後半3点目が入った後にもっと裏に蹴って欲しかった」と話すが、そこで川崎Fは落ち着いたパス回しを始める。一人少ない神戸はプレスのかけどころを定めることができず、ボールを囲い込むこともできなかった。もっともっとゴールを決めたい、との鄭大世の気持ちは分からないではないが、前半のうちに3点をリードしていたメルボルン戦で、果敢にバトルを繰り広げた結果、退場に追い込まれるという苦い経験をしている。だからこそ、チームメイトは余計な軋轢を生み出す場面を極力控えたのであろう。そうした判断を、試合中にチームの中で下せていたと言う点で、成熟した試合運びだったと言える。

足に少々の問題を抱える稲本を80分に。さらに後半ロスタイムには中村を交代させた高畠監督の判断は、もちろん水曜日に行われるACL・北京戦を視野に入れているからであろう。そしてそうした交代采配を実現できる得点差を作った事の意味は大きかった。

川崎Fにしてみれば、0-3で敗れた浦和戦を払拭する3-0での快勝で北京戦に向けて弾みをつける試合だったと言える。対する神戸は、前後半の立ち上がりの失点を跳ね返すだけの力強さを持てていなかったという事。そしてそれはつまり、そうした時間帯に失点した事が全てだった、という試合だった。

以上

2010.04.25 Reported by 江藤高志
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