本文へ移動

今日の試合速報

国立競技場に10,000名様無料ご招待 9/14 19:00KO 国立競技場 FC東京vs名古屋
国立競技場に10,000名様無料ご招待 9/14 19:00KO 国立競技場 FC東京vs名古屋

J’s GOALニュース

一覧へ

【J1:第8節 清水 vs 大宮】レポート:素晴らしいファイティングスピリットの大宮に苦しめられた清水。後半には自力で流れをつかみ、山本真希のゴールで再び首位に。(10.04.25)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
4月24日(土) 2010 J1リーグ戦 第8節
清水 2 - 1 大宮 (13:04/アウスタ/15,156人)
得点者:58' 兵働昭弘(清水)、76' 坪内秀介(大宮)、86' 山本真希(清水)
スカパー!再放送 Ch184 4/25(日)20:00〜(解説:三浦泰年、実況:田中雄介、リポーター:真鍋摩緒)
顔写真クイズ|皆の投稿で作るスタジアム情報
----------
試合前のゲームプランという意味では、意図していたことができたのは、明らかに大宮のほうだった。だが、やはりサッカーは、それだけで勝敗が決まるものではなかった。

立ち上がりで目立ったのは、大宮の気迫と出足の良さ。短いパスをつないでボールを運んでいくという形はほとんどないが、奪ったら縦へという意識が徹底し、それに2トップの藤田祥史と石原直樹が食らいついていく。そこでマイボールにできなくても、ボールを持った清水の選手に素早くプレスをかけ、高い位置で奪い返してゴールに迫っていった。また、清水DFが跳ね返したボール対する出足も非常に良く、セカンドボールを拾ってまた縦へという形で攻撃を継続していく。
そうした大宮の戦い方は、“キック&ラッシュ”というよりも“キック&プレス”という言い方が的確か。体力的な負荷はかなり高いが、大宮の選手たちは賞賛すべき頑張りを見せた。ラファエルと藤本主税を欠いて前線や中盤でなかなかタメを作れない中で、こうするしかないという面もあるだろうが、好調な清水に対しても十分に通用することを示した。
そのため序盤は、予想に反して大宮のほうが相手陣内に押しこむ時間を長く作った。そこから先の攻撃は、サイドから早めにクロスを入れていくのが主な狙い。日本代表でもテーマにしている形だが、ニアの裏を狙う低くて速いクロスを入れ、そこに藤田や石原が飛び込むという場面を何度か見せた。だが、そこでGK西部洋平を脅かすほどのシュートにつなげられなかったのは、今の大宮の課題であり、清水DF陣の頑張りでもあった。

試合が落ち着いてくると、清水がポゼッションする時間も徐々に長くなっていったが、今度は縦パスがなかなか入らない。その原因は、大宮が素早くコンパクトな守備のブロックを作って、清水の縦パスのコースを消したことにある。そこで清水が無理にパスを入れてくれば、途中でインターセプトするか、素早いプレスで受け手をつぶすかで、前線の起点を封じていった。そのため清水は、なかなかボールを前に運ぶことができず、小野伸二が良い位置でボールを持つこともできず、思うように自分たちのリズムを作ることができなかった。
清水としては、大宮をゴール前まで押し込み、MF陣のポジションを下げることができれば、カウンターになっても前に出るのが遅れて対応しやすくなるという狙いがあった。だが前半は、その押しこむ時間もあまり作れなかった。

しかし、清水がチームとして成長していることを実感させるのが、「流れは悪いけど、焦りはそれほどなかった」(兵働昭弘)という発言。実際、思うようにゲームを作れない中でも、徐々に自分たちで修正を図り、前半の最後から後半にかけて、少しずつだが着実に攻略の糸口を見出していった。もちろん、その背景には、流れが悪くても守備でバタバタする場面がないことも貢献している。
そして後半13分には、ボスナーのフィードを左に開いた小野がうまく処理して、すぐさま中央に速いパス。これに2列目から兵働が飛び込み、ファーストタッチでボールを浮かせて左足で強烈なボレーシュートを放ち、豪快にゴールネットを揺らした。本当にわずかな隙間を攻め崩した先制ゴールは、今の清水の力を象徴的に示した場面でもあった。

だが、それでも大宮はあきらめない。その後も、流れをつかんだ清水が押しこむ時間を増やし、チャンスも作っていったが、最後のところで大宮の守備陣が踏ん張り、虎視眈々とチャンスをうかがっていた。そして、31分の金久保順(後半19分〜)の右CKからセンターバックの坪内が飛び込んで気迫で押し込み、試合を振り出しに戻した。

その後は大宮の勢いが復活して、引き分けで良しとすることなく、勝点3を狙って攻めに出ていく。それによって、どちらに転ぶか本当にわからない一進一退の展開になったが、勝負を決めたのは、誰も予想しなかった一発だった。
41分の右スローインからタッチライン際でボールを受けた山本真希が、DFをわずかに外して速いクロスを入れると、これがゴールに向かってニアポストぎりぎりに決まった。狙って打ったとすればスーパーゴールだが、これが今の清水の勢いだろうか。
最後は、マトを前線に上げた大宮のパワープレーにもきっちりと対応して2-1のままタイムアップ。これで清水は、ホームでは今季4戦全勝(公式戦で5戦全勝)とし、再び首位に浮上。開幕からの公式戦無敗記録も10に伸ばした。

その清水を最後まで追い詰めた大宮に足りなかったのは、最終的な崩しのところ。自分たちの流れに持ちこんだ前半でも、シュートはわずか2本。打ち合いの時間もあった後半が5本。清水のシュート数も90分間で8本に抑えたが、ここが開幕戦以来の勝利をつかむための課題となってくる。だが、現状のメンバーでやるべきことは十分にやれていたのも事実。今後も我慢強い戦いは続くだろうが、選手たちの表情を見ても、自信を失うという雰囲気は見られなかった。
一方、清水のほうは、今季に入ってゴールを決めた選手が11人(公式戦では12人)に増えたことも大きな収穫のひとつ。そこは昨年と対照的な部分で、今季の躍進の原動力にもなっている。小野伸二にはまだゴールがないが、そこは次節の浦和戦で期待したい。

以上

2010.04.25 Reported by 前島芳雄
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2024/08/04(日) 00:00 ハイライト:横浜FCvs千葉【明治安田J2 第25節】