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【J1:第8節 京都 vs 山形】レポート:ロスタイムに山形・田代有三が決勝弾!山形の逆転劇に京都は沈む。追加点にこだわった京都・加藤久監督の真意はどこにあったのか。(10.04.25)

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4月24日(土) 2010 J1リーグ戦 第8節
京都 1 - 2 山形 (13:04/西京極/8,073人)
得点者:42' 角田誠(京都)、82' ハンドンウォン(山形)、90'+2 田代有三(山形)
スカパー!再放送 Ch184 4/25(日)23:00〜(解説:上田滋夢、実況:寺西裕一、リポーター:和田りつ子)
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攻守を目まぐるしく変えた京都と山形の一戦は最後に山形・田代有三が決勝弾を決め、勝負に終止符を打った。

メンバーに変更のなかった両チーム。立ち上がりから京都がサイドを突いてゲームを優位に進めた。山形もカウンターからチャンスを作る。23分にシンプルな繋ぎから北村知隆がミドルレンジからシュートを放つなど積極性を見せたが、いずれも崩すというよりも京都のブロックの前からのシュートで、相手の最終ラインを突破するというアイディアはあまり感じさせない。だが、京都もサイドをえぐるシーンはあったが完全に崩し切ってのフィニッシュも少なかった。
スコアが動いたのは、前半終了間際の42分、左サイド森下俊がドリブルで仕掛けたことで得たFKを、ディエゴが中に入れると裏にポジションを取った角田誠が頭で合わせ、山なりのシュートで山形から先制点を奪う。

後半、山形は宮沢克行に代えてキム・ビョンスクを投入。左サイドを活性化させると、今度は京都が西野泰正に代えてドゥトラを投入。柳沢敦を右に置いてドゥトラを中央に据えた。ここから攻守が目まぐるしく変わり始める。後半18分には古橋達弥がシュートを放てば、22分にはドゥトラからディエゴと繋いで中山博貴がシュートを打つなど、互いに一歩も引かない展開に。

後半32分に、山形が下村東美(OUT秋葉勝)、ハン・ドンウォン(OUT北村知隆)を入れ、田代のワントップに古橋、ハン・ドンウォンの2シャドーがフォローに入るという形にすると、後半37分、京都のクリアを拾った宮本卓也がシュートを放つとそのこぼれ球にハン・ドンウォンが頭で押し込み同点とする。そしてロスタイム2分、右サイドの下村のクロスに田代が劇的な決勝弾を叩きこみ山形に逆転勝利をもたらした。

試合後、山形・小林伸二監督は「システムを思い切って変えたのが上手くいった」と、選手投入後、点を取り切るために下した判断に喜びを表した。
対して京都。山形・古橋の試合後の「結構、サボる選手もいたので」というコメントが気にかかるところか。山形にとっては1点リードされた状況で、京都に守備を固められると思ったのが、固めるというよりも、攻撃に出て守備に戻れない選手が多かった、という印象を述べている。山形はリードされて後半、気持ちを入れ直して攻勢に転じている。それに対し京都はドゥトラを入れ、追加点を狙いに行った。
結果、攻守が目まぐるしく変わる展開となり、攻撃の攻め残りの出た京都は山形のロングボールを多用する攻撃に押し込まれる様になる。試合後の指揮官のコメントが印象的だ。「ホームゲームの中で1-0のまま終わらそうと思ったら、センターバックの間に一人、守備的な選手を入れて5人でラインを引くという方法もあったと思います。ただ、今日は、自分はそれを選択しなかった」

一番のポイントは、「なぜ、加藤久監督はそれほどまで追加点にこだわったか」ということ。勝点3にこだわるなら、守備的に戦って1-0でも良いはずである。なぜ、追加点取らなくてはならないと考えたのか。

結局、監督の次のコメントが、今、京都の抱えている弱さがある様な気がしてならない。「1-0でリードしている時の気持ちの持ち方とか、もう少し、相手の攻撃を受けて立つという部分ではなくて、前に出てディフェンスをするというところがあれば失点はしなかったという風に思います。それが、守るというと本能的に下がるという、そういう悪い面で、気持ちの上で守りに入ったというか、そこを突かれた試合だったと思います」
絶対に引いてはならない。気持ちを強く持って前に出て行かなければならない。その意識、その姿勢を導きたかったのではないか。
それを選手に試合中に伝えようと考えた結果が、「攻撃に出る」という采配になったのだろう。
今節、後半の戦いでやりたかったことは「積極的に攻撃に出て、ボールを奪われれば、そこから守備が始まってボールを奪いに行く」というものだったのではないだろうか。それが選手の多くが「攻撃」だけ強く意識付けされてしまい、「奪われれば前から守備」又は「一度きちんとした守備ブロックを作ってショートカウンター」という基本が抜け落ちてしまった様に感じさせた。

今節の敗戦は水本ら守備陣というよりも、指揮官の攻撃的采配が逆に前線の守備を怠らせた部分にあると感じる。敗れたので、加藤監督の采配は評価できない。だが、前に出る強い気持ちを持たせたいという、加藤監督の方向性は大いに評価できると思う。後は選手が加藤久監督の意思をどう汲むか、に今シーズンはかかっているのではないだろうか。

敗れたので強くは言えないが、京都の攻撃は試合を重ねるごとに、成長は感じさせている。両サイドバックの森下と増嶋竜也はパスコースを切られるとドリブルで突破を仕掛けていた。先制点も森下のドリブルからだ。もともとセンターを担っていた二人だが、機を観て、個の力でも突破出来るようになったのは大きな成長である。
そして、片岡洋介と角田のつなぎ。今節の攻撃の起点は彼ら二人だった。片岡は展開の判断が遅くボールを奪われるシーンもあったが、ディエゴを前で勝負させるために何度も顔を出しボールを繋ぎ、攻撃の潤滑油として効いていた。
次節、大宮戦。京都は片岡を守備面でのスペシャリストとして重宝しているだけでなく、攻撃の起点としての活躍を期待して起用しているということを、片岡自身が古巣のサポーターに是非、示して欲しい。

以上

2010.04.25 Reported by 武田賢宗
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