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【J2:第8節 熊本 vs 柏】レポート:復帰したフランサのゴールなどで勝った柏が首位をキープ。熊本は敗れた中にも確かな手応えを得た。(10.04.25)

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4月24日(土) 2010 J2リーグ戦 第8節
熊本 1 - 3 柏 (13:03/水前寺/5,156人)
得点者:26' 近藤直也(柏)、30' オウンゴ−ル(柏)、61' フランサ(柏)、70' 松橋章太(熊本)
スカパー!再放送 Ch186 4/25(日)23:30〜(解説:池ノ上俊一、実況:山崎雄樹、リポーター:風戸直子)
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初めての古巣との対戦を迎えたGK南雄太がウォーミングアップのためにピッチに姿を現したとき、熊本までやってきてゴール裏を黄色く染めた200名前後の柏サポーターは、大きなブーイングを送った。もちろんそれには、遠く離れたチームに移籍した選手に対する変わらぬ愛情と、そのプレーを知っているからこその畏怖からくる、「今日だけは頼む」といった思いも込められていたのではないかと思う。
この試合の数日前、「実際に試合が近づいて、その時になればまた変わると思うけど…、気持ち的には今までの試合と一緒ですよ」と淡々と話していた南だったが、試合後には「いつもよりモチベーションも高かったし、柏に負けた事が悔しい」と述べたように、強い思いはプレーにも表れていた。

22分、それまでもボールを支配して押し気味に試合を進めながらゴールを奪えなかった柏が、熊本の守備陣が密集しているペナルティエリア中央を細かいパス交換で崩して迎えた最初の決定的なチャンス。大津祐樹が放った枠いっぱいのシュートを、南がファインセーブしてCKに逃げる。水前寺競技場のスタンドは沸いたが、柏はこのプレーを境に攻撃のギアを一段シフトアップした。
そして26分、頻繁にボールに触れてはシンプルに捌き、その存在感を発揮していたレアンドロ・ドミンゲスの蹴った左CKから、柏の先制点が生まれる。「いつもドミンゲスがいいボールを蹴ってくれるので、決められて良かった」と振り返った近藤直也が今シーズン初ゴールを頭で決めた。さらに30分、再びCKから柏が追加点をあげ2点のリードに。記録ではオウンゴールとなったが、ヘディングシュートを南が弾いたあと、そこから逆のポストへ振られて詰められた形で、熊本としては「もったいない」(福王忠世)失点だった。

セットプレーでの対応に甘さがあったことは否めないが、前半だけで5本のCKを与えている事からも分かるように、前半の熊本は柏に対して「自由にやらせすぎた」(藤田俊哉)。「外から見ている以上に、彼らがピッチの中でプレッシャーに感じていたかもしれない」と高木監督も話しているが、柏の攻撃に対して全体が引き気味になり、連動した形でプレッシャーがかけられずにアプローチが遅れ、澤昌克や栗澤僚一、さらには橋本和と小林祐三の両サイドバックにも、うまい具合にスペースを使われた。立ち上りからそうした形で攻め込まれたことや、柏の攻撃が近藤やパク・ドンヒョクからの正確なロングフィードを織り交ぜて形を作っていたことでますますラインは下がり、セカンドボールもうまく拾えない。全体のブロックが低いために奪ってからゴールまでの距離が遠く、さらには「本来だったら止めてパスができるのにワンタッチで出してしまう」(高木監督)シーンも目立ち、攻撃に転じてもミスで奪い返されるなど、フィニッシュまで持ち込めずシュート0本に終わった前半は今シーズンで最も悪かった。

後半、柏のネルシーニョ監督は「コンディションや試合勘を戻す上では(2-0という)最善の状況」と、大津に替えて6試合ぶりの出場となるフランサをピッチへ送る。コンディション的にはおそらく5割前後だったのではないかという印象だが、緩急をつけたマジカルなプレーの片鱗を見せ、61分にダメ押しゴールを決めるあたりに格の違いを見せつけた。しかしその奔放なプレーは、柏の組織立った連動性に対して良くない方に作用して、ゲームのパワーバランスが熊本側に傾く事につながっていく。
熊本は後半から筑城和人に替え、CBとして渡辺匠を投入し、「柏さんが4-4-2のボックスでサイドが空くので、ワイドなポジションをとる選手を置く方が効果的」(高木監督)と、市村篤司を一列上げた3バックのようなシステムに。フランサがあまり高い位置でプレーせず、そのことで熊本に対する柏の前からの守備が緩み始めて、徐々にボールが動くようになると、0−3となった後も松橋章太、市村、宇留野純などが絡む形で幾度かチャンスを作り、70分、左サイドに寄せてから逆へ展開。市村からボールを受けた松橋が今季2点めとなるゴールを決めて1点を返した。その後はゴールを奪えず柏が逃げ切る結果となったが、熊本は最後まで攻める姿勢を崩さなかった。

「早い段階で点が取れて、優位にゲームを進められた」(近藤)柏は、8戦無敗で首位をキープ。しかしネルシーニョ監督が「勝点3を取れた事が唯一の救い」と話したように、決して完勝とは言えない内容。技術、戦術両面で個々の能力の高さを感じさせたものの、後半に押し込まれる展開になったこと、そしてそれを組織として修正できなかったのが今後の課題となろう。
一方の熊本にとっては、敗れこそしたが「ここがJ2のトップだということが分かったと思うし、やれた事、やれなかった事がハッキリした」と南が言うように、全く通用しない相手ではないことを掴めた試合。柏の選手交代も影響しているが、後半になってリードされた中でも流れを引き戻した点は収穫と言える。ドラマティックな展開にはならなかったけれど、現在の立ち位置と目指すべきところを再確認したという意味では、クラブの歴史の中で1つの転換点となるゲームだったことは間違いない。次節、熊本にとって今年初めての「バトル・オブ・九州」となる鳥栖戦に、今日得たものを注ぎ込みたい。

以上

2010.04.25 Reported by 井芹貴志
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