スカパー！生中継 Ch183 13:50〜（解説：大西貴、実況：堀本直克、リポーター：重橋秀香）
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前節、愛媛はアウェイでの四国ダービーでスコアレスドロー。勝点を1つ積み上げて現在の順位は13位（勝点8）となり、今節はホームに12位（勝点9）の横浜FCを迎える。順位、勝点こそ似通っている両チームだが、今季序盤戦の戦いぶりは若干異なる。愛媛は開幕戦を落したが、その後は堅守（6試合中、完封が4試合で失点3はリーグ2位）で勝点を積み重ねて2勝2分2敗、五分の星をキープ。得点力に大きな課題（3得点はリーグワーストタイ）を残しつつも、まずは守備のゾーンを整え、大きく崩れることのない試合運びで自らのスタイルを構築しつつある。
その一方で、横浜FCは開幕3連勝と幸先のいいスタートを切りながら、第4節で徳島に敗れるとその後は4連敗。3連勝中は全て無失点で相手を封じていたが、その後はいずれも先制点を許す展開で勝利から遠ざかってしまった。その中でもハードワークを見せ、今季から就任した岸野靖之監督のカラーを出してはいるが、時折見せる隙から失点もしてしまう。さらに、前節の熊本戦ではオウンゴールという不運にも見舞われて悪循環に陥ってしまった。
その悪循環を断ち切りたい横浜FC、そして膨らむ自信を確固たるものにしたい愛媛ともに、今節の勝利をつかめればＧＷの連戦にも弾みがつく。そのために共通しているポイントは先にゴールを許さないこと。ゼロで相手を抑え、そして先制点を取ることが両者にとって勝利につながるゲームプランになる。そのシナリオを実現するために、攻撃に関しては愛媛も横浜FCも絶対的なストライカーを擁する点で一致している。ただ、これまでの試合でそのストライカーを生かし、得点を重ねているのは横浜FC。大黒将志をキーマンに、前節の熊本戦でゴールを決めている西田剛やサーレスらが絡み、「2列目からの飛び出しもある」とバルバリッチ監督が警戒するように、チームとして攻撃のイメージを結果へと結びつけ始めている。
逆に愛媛は福田健二というターゲットがいながら、なかなかシュートまで結びつけられていない。「今節、ホームの戦い方をするために、前に人数をかけやすいフォーメーションを採用したい」と試合前日に語ったバルバリッチ監督。前節、徳島戦での４−４−２と、それ以前で採用していた４−３−３とを決断しかねていたが、いずれのシステムにしても誰かが動き出し、空いたスペースを次の選手が埋めていく作業は同じ。杉浦恭平は「４−４−２だと自分にとって守備の意識を高める必要があるが、自分がもっと仕掛けたりアシストをしたい」とゴールへ向かう姿勢を強める必要性を強調した。また、「前でボールがおさまると上がりやすいし、あとは自分のタイミングを合わせること」と語るのは右サイドバックの関根永悟。「（攻撃に関しては）話し合うよりも感覚を覚えることが必要。それができれば自分たちのものになる」と福田も話すように、個々の積極性に加え、タイミングやその感覚に対するイメージの共有を今の愛媛はチームで高めていかなければならない。
守備で我慢を続け、連敗することなく勝点を拾い続けている愛媛。しかし、ここから上位に食い込むためにはゴールを奪い、勝点3をつかまなければならない。そのための課題はハッキリしている。あとは、それをピッチで表現できるかどうか。安定した守備をベースにゴールへの道筋を見つけることでチームの飛躍が約束される。
以上
2010.04.23 Reported by 近藤義博
