スカパー！生中継 Ch183 18:50〜（解説：梅山修、実況：鈴木英門、リポーター：内田拓志）
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リーグ戦未勝利で最下位に沈む新潟だが、ここ2試合の公式戦で1勝1分けと調子は上向きになりつつある。その2試合ともにスタメン出場のミシェウが好調だ。ヤマザキナビスコカップ・Ｃ大阪戦（14日）では決勝点を挙げるなど、ツートップの一角に入り、流動的な動きで前線をリード。リーグ戦初勝利のカギを握る一人だ。
広島はこの1週間で3試合目と日程的には苦しいが、チーム状態は上がっている。決定力のある佐藤寿人に期待がかかる。
前線、中盤、ゴール前、そして両サイド。ミシェウは起点を作りやすい位置に的確に顔を出す。22日に行われた紅白戦、1本目は矢野貴章と、2本目は大島秀夫とツートップを組んだ。「FWと言っても、僕の場合は名前だけ。貴章や大島だけじゃなく、マルシオ（リシャルデス）やヨンチョル（曹永哲）の近くでプレーすることも多い」。意識しているのは相手の嫌がる位置に、味方が受けやすいタイミングでパスを出すこと。そのためにどんどんポジションを変える。
カップ戦のＣ大阪戦、リーグ戦の第7節名古屋戦と、2試合連続でスタメン出場中。黒崎久志監督は「後ろを向かずに、前に行く姿勢がある」と評価する。Ｃ大阪戦で、新潟は今季初勝利を挙げた。ミシェウのゴール前に走りこんでのボレーが決勝点になった。自在な動きで味方の攻撃を組み立てた。広島はＣ大阪と同じ3バック。「広島戦ではボランチの後ろ、DFの裏のスペースを狙っていきたい」。いいイメージをあてはめやすい。
コンディションの良さがプレーに反映されてきた。今季千葉から移籍してきたが、2月のキャンプ時は別メニュー。左の内転筋、腹筋、恥骨など複数の故障を抱えていた。日暮清ヘッドトレーナーの指導の下、手を抜くことなくリハビリに取り組んだ。課題だった体幹の強化にも着手。「もう完治した。何の不安もない」と手ごたえがある。
新潟は現在最下位、その状況を脱出したいという思いは強い。「みんな頑張っている。サポーターも頑張っている。早く結果を出してみんなで喜びたい」。やすらぎは3月に来日した夫人と一人娘の存在。生後5カ月の長女は、まだビッグスワンで観戦したことはない。広島戦も夫人とともに自宅でミシェウの帰りを持つ。「ゴールを決めて、勝って、サポーターとバンザイをし、娘に報告をしたい」。24日をそんな1日にする。
広島は21日に名古屋戦を終え、中2日でアウェイに乗り込む。18日の鹿島戦から始まり、1週間で3試合の強行日程だ。しかも主力に故障者が続出。ベストの布陣が組めない。それでも勝点をしっかりと積み重ねている。
鹿島戦は相手の攻撃をしのいでスコアレスドロー。名古屋戦は終了間際に佐藤寿人が決めて逃げ切り。分厚い中盤が攻守に機能し、しぶとい試合を続けてきた。特にここまで4得点と佐藤の好調ぶりが際立つ。新潟の黒崎監督は「寿人の裏を狙う動きは要注意」と警戒感をあらわにする。
新潟は広島のサイドの裏を突き、広島は新潟の最終ラインの後ろを狙う。ともに前線にスピードのある選手をそろえるだけに、我慢比べから一瞬のすきを逃さず、チャンスをものにする展開になる。
以上
2010.04.23 Reported by 斎藤慎一郎（ニューズ・ライン）
