スカパー！生中継 Ch363 14:00〜（解説：金田喜稔、実況：土井敏之、リポーター：杉山真也）
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前節を落とした川崎Ｆにとって、大事な試合である。優勝を狙おうかというチームにとって、連敗は許されないものだからだ。たとえば高畠勉監督は「リーグ戦では浦和に負けていますし連敗はできない」と発言。また田坂祐介も「優勝するようなチームはここで連敗はしないと思う。しっかり勝って、次につなげられればと思います」と話している。チームは高みを目指すというモチベーションを土台とした負けられない思いを共有しており、雰囲気自体は悪くはない。浦和戦は結果として０−３と大敗しているのだが、内容としての完敗ではなかったという点も、チームに救いを与えている一つの要因であろう。
前節の浦和戦を終え、連戦から一時的に開放された川崎Ｆは1週間の時間を有効に使い休養をとりつつチームの立て直しを図ってきた。そんな中、チームにとってもサポーターにとっても待望の選手が完全復活を目指して練習に取り組んでいる。もちろん中村憲剛である。中村は試合2日前に行われた紅白戦で主力組に入りプレーし復調ぶりをアピール。その中村について高畠監督は「90分使えるかはやってみないと分からないですが、90分の前提であとは状況を見て判断したい」と話し先発起用に前向きな発言を残している。また中村本人も「次も大丈夫です。選手としては準備しているつもりです。持てる力を出し切りたい」としつつ「チームが勝つことを優先させたい」と話し、チームが勝つために、求められるなら力を出したいとの考えを示していた。
対戦相手である神戸について小宮山尊信が語る「堅いイメージ」はチーム内の共通理解となっており、田坂は「神戸は守備のブロックを中盤とディフェンスラインとで作っている。そこは堅いのかなと思います」と警戒している様子。ただ、それでも穴はあるとの認識を示してもいて「間々でパスを通せばチャンスにはなるのかと思います」と試合展開を予想していた。今季の川崎Ｆは、前から出てくる相手に対しては、打ち合いの試合に持ち込むことで数多くのチャンスを作り出せているが、その一方で固いブロックを形成する相手に対しては思うように攻めきれないという傾向が出ている。そもそもプロサッカー選手が複数人で組織的に守備を固めれば、それはなかなか崩せないもの。つまりこの試合では守備ブロックを固く作ることのできる相手に対し、パスワークでどのように崩すのかがポイントとなるだろう。そしてパスが大事だという点で、中村の復帰は意味がある。
稲本潤一は中村と田坂のコンビについて「田坂とケンゴが前にいると、パスが回りますよね」と話している。最終的に川崎Ｆの中盤がどのような構成になるのかは分からないが、中村を軸とした川崎Ｆの中盤が、そのパスワークでどのように神戸の守備ブロックを攻略するのか、まずは注目したい。
ちなみに神戸と言うと、川崎Ｆにも所属していた都倉賢の存在を忘れてはならないだろう。マッチアップする事になるであろう寺田周平は「神戸は都倉を起点とした攻撃がパターンになっている。そこは止めたいですね」と話していた。またその都倉から電話が来たという井川祐輔は「楽しみにしてるみたいですよ」と含みのあるコメントを残している。
都倉に関しては高畠監督も「J2で、もまれて非常に成長してJ1に戻ってきたと思います。違うチームですが、共にやってきた仲間として嬉しいですね」と話しつつ「成長しているので彼の仕事をさせないようにしたい。彼が起点になるとサイド攻撃が生きてきますからね。そういう意味では起点にさせないようにしたい」と警戒していた。
都倉は日本人選手の中では稀な、戦える選手であり日本代表の岡田武史監督には彼をぜひ南アに連れていって欲しいと思っている今日この頃だが、それだけ警戒する必要がある選手だという事も言える。川崎Ｆはその都倉を生かした神戸の攻撃を封じ込めつつ、イニシアチブを握る戦いで勝点3を手にしたい。この試合に勝利し、気持ちよくACLグループステージ最終節のアウェイ北京戦へとつなげて欲しいと思う。
以上
2010.04.23 Reported by 江藤高志
