4月18日(日) 2010 J1リーグ戦 第7節
浦和 3 - 0 川崎F (16:03/埼玉/46,313人)
得点者:7' 細貝萌(浦和)、8' 田中達也(浦和)、72' 堀之内聖(浦和)
スカパー!再放送 Ch185 4/20(火)12:00〜(解説:羽中田昌、実況:下田恒幸、リポーター:朝井夏海)
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胸のすくような快勝劇だった。
「彼らがゴールを決めていた可能性は十分あった」(フォルカー・フィンケ監督)。
確かに。
「レナチーニョのPKが止められていなければ、また変わっていたかもしれない」(稲本潤一)
あるいは。
だが、結果は3−0の完勝。危ない場面があったのは確かだが、多くの時間帯でゲームをコントロールしていたのは浦和の方だった。ホームでは川崎Fに3試合続けて辛酸を舐めさせられてきたが、そんな苦い記憶などきれいさっぱり吹き飛ぶような出来だった。ホーム通算観客動員数が1000万人を超えた記念すべきこの日、埼玉スタジアムは凱歌の大波に揺れた。
勝った方が首位に立つことが決まっていたこの試合、立ち上がりから上位対決にふさわしい白熱の攻防戦が見られた。開始わずか2分、川崎Fは小宮山尊信のフィードに抜け出した田坂祐介がGK山岸範宏を試すと、浦和もそのわずか1分後にポンテのFKを山田暢久が頭でコースを変えてゴールを脅かす。
そして開始7分、早くも試合は動いた。浦和が攻勢をかけ、ポンテの入れたクロスは川崎F守備陣に跳ね返された。しかし、こぼれ球をクリアしようとした谷口博之にポンテが素早く体を寄せると、クリアボールの勢いが弱まり、ボールは細貝萌の元へ。「セカンドのときにあそこにいたことは自分にとってすごくプラスになるし、うまくいったかなと。ただ、そのあとにファーストタッチで失敗したら意味がないし、あのプレーに関してはすごいよかったと思います」。自画自賛の動きでボールを収めた背番号3が左足を一閃すると、ボールはGK川島永嗣の手を弾き飛ばしてゴールマウスに吸い込まれた。
浦和は攻撃の手を緩めない。先制点を奪ってからわずか1分後、今度は田中達也が鮮やかにネットを揺らす。カウンターからハーフウェイライン付近でボールを受けた田中はエジミウソンとのワンツーで敵陣中央に切り込むと、最後は左足を思い切り振り抜き、弾丸シュートをゴールに突き刺した。
試合開始から10分も経たないうちに2点のリードを奪った浦和。だが、川崎Fもいつまでも大人しくしているようなチームではなかった。鄭大世、レナチーニョ、黒津勝の攻撃ユニットに素早くボールを入れ、意外性はなくとも破壊力はあるシンプルな戦い方で浦和のゴールに迫った。18分には黒津の放ったシュートがポストに直撃する惜しいシーンを作り、28分には黒津のパスから鄭が強引にフィニッシュまで持っていったが、惜しくもGK山岸に阻まれてしまった。41分にもレナチーニョを起点に田坂が敵陣深くまで切り込み、最後はプルバックのボールをフリーの谷口が叩いたが、再び山岸の壁に跳ね返された。
川崎Fにこの日最大のチャンスが訪れたのは57分。鄭がペナルティエリア内で倒されたとしてPKを獲得する。決めれば試合の行方がわからなくなる大事なキックを任されたのはレナチーニョ。だが、レナチーニョのPKはGK山岸のスーパーセーブに防がれてしまった。
ゴールが遠い川崎Fは後半開始から中村憲剛、ヴィトール・ジュニオールのジョーカー2枚を一気に投入し、なんとか流れを引き寄せようと試みていた。「サイドを起点に攻撃を仕掛けたいと思い、チャンスもそのような形で意図的に作り出せたかなと思います」と高畠勉監督が振り返ったように、ゴールを狙う形が作れなかったわけでもなかった。
だが、浦和のゲームマネジメントも巧みだった。2点リードという状況を念頭に置き、攻守に渡って過剰なリスクは負わなかった。そしてチーム全体としてバランスの取れた動きを見せるなかでも、とりわけ「2人は守備から動いてそこから起点になっている。あの2人が中盤を支えている」と柏木が称えた阿部勇樹、細貝のボランチ2枚が攻守両面で気を利かせていた。わかっていてもなかなか止められない鄭、レナチーニョの個人能力を生かした攻撃を完璧に抑えられたわけではなかったが、浦和は最後まで体を張ることで川崎Fに自由にプレーはさせなかった。
浦和は静かに受身を取っていたわけでもない。素早い攻守の切り替えからカウンターを仕掛け、川崎Fに冷や汗をかかせた。そして迎えた72分、エジミウソンが3人に囲まれながらもゴール前まで切り込んでシュートを放つと、これはGK川島の好セーブに阻まれたものの、こぼれ球にいち早く反応していた途中出場の堀之内聖がトドメとなる3点目をマーク。その瞬間、埼玉スタジアムは沸騰した。浦和サポーターのボルテージは最高潮に達し、大声援に空気が震えた。これで試合の大勢は決まった。
「最近はチームとして戦えているというのはすごい感じている。チームでできているってことがすごく楽しい」と柏木が充実感を口にすれば、指揮官も「私たちが進んでいる道が正しいことは今日の試合で証明されたのではないでしょうか」と相好を崩す。開幕戦の惨敗を経てここまで積み上げてきた自信が、確信に変わりつつある。
以上
2010.04.19 Reported by 神谷正明
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