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【J1:第7節 仙台 vs 神戸】レポート:ルーズボールを収め、仙台のストロングポイントを封じ続けた神戸が、都倉の1点を守りきり6試合ぶりの勝利。仙台は何もできず、ホームでの無敗記録は25でストップ。(10.04.18)

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4月17日(土) 2010 J1リーグ戦 第7節
仙台 0 - 1 神戸 (14:04/ユアスタ/12,119人)
得点者:37' 都倉賢(神戸)
スカパー!再放送 Ch185 4/19(月)05:00〜(解説:鈴木武一、実況:守屋周、リポーター:村林いづみ)
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試合後会見で、質疑応答が終わった後、仙台・手倉森誠監督が自ら切り出し、試合内容について詫びる。ただそれくらい、確かにこの試合の仙台は見るべきものが少なかった。神戸の術中にはまったところもあるが、今後に向けて改善の必要が感じられる敗戦だった。

仙台はこの日、14日のナビスコ杯京都戦で変えていたメンバーを戻し、前節の清水戦を戦ったスタメンと全く同じ顔ぶれをピッチに送り出した。
一方、神戸は仙台とは違うアプローチで、仙台戦に臨んできた。14日のナビスコ杯浦和戦で敷いたDFラインをそのまま仙台戦でも並べてきたのである。
石櫃洋祐、茂木弘人が両SBに入っていたのであれば、それは攻撃への意図を感じさせるものであるが、では右のサイドバックに本来はセンターバックの北本久仁衛、左に冨田大介を投入した意図は何だったのか。答えは高さにあった。
神戸・三浦俊也監督は、仙台の攻撃で気をつけていた点として「フェルナンジーニョの得点力、梁勇基のセットプレー、中原貴之の高さ」を挙げたが、神戸が揃えたDFラインの選手は、総じて高さを持っている選手だった。これが中原の高さというアドバンテージを仙台から奪う。主に中原のマークについた北本は中原との空中戦に勝利し続け、それを嫌がり中原がサイドに流れても、どこに行こうが高い壁が待ち受けていた。冨田は負傷によって、25分という早い時間にピッチを退くが、それでもこの流れは変わらなかった。
梁のセットプレー対策としては、とにかく自陣ゴール前でファールを犯さないことが徹底されていた。梁自身、前半に負った負傷のためいつものようなキックが出来ず、結局セットプレー自体を他の選手が蹴るような状態だったのだが、ともかく仙台は攻撃のオプションの多くを削がれた状態においこまれていたのである。
となれば流れの中で打開する必要があるのだが、この要素において、仙台は神戸に脅威を与えられなかった。
まず、ルーズボールを仙台は全く拾えなかった。中原がポストプレーをこなせなかったこともあるが、対する神戸は都倉賢が、エリゼウ、渡辺広大との争いに負けず、巧みにボールを落とし続ける。そしてそれを拾う中盤の出足も、神戸の圧勝だった。
また少ないチャンスを活かそうにも、仙台の攻撃は迫力が欠けていた。ボールを持っても仕掛けない、攻めのスピードが遅い、後方からの押し上げも少ない、となれば、仙台の逆襲を想定してしっかりと守備の人数を残している神戸の陣形を崩すのは難しい。
その上、この日の仙台は守備陣も、些細なミスを重ねてリズムを神戸に与えている。仙台は全体で見ても、良いところがここまでないのも珍しいというほどの内容だった。

結果的に、そんな仙台に対して勝利するならば、ゴール1つで良い、という形になった。37分、ロングボールが起点となりゴール右で朴康造にボールが収まる、そこからのパスを受けた都倉が、ペナルティーエリア外から利き足の左を振り抜く。戦前からの雪でぬかるんでいたピッチでファーストバウンドが伸びたのか、シュートは林卓人の手をかすめてゴール左隅に突き刺さった。都倉の移籍後初ゴールが、この試合の決勝点である。

前半を通じて明らかな劣勢に立ちながら、手倉森監督はハーフタイムや後半直後に動かなかった。何か運のなさによって前半の内容があったのだとすればそれでも良かったのかもしれないが、そうではない以上、後半から流れが劇的に変わることはあり得ず。この時間帯、神戸前半同様に決定機を作るもののシュートを外してくれていたことを思うと、むしろ運はあったはずなのだが、それを活かせそうな可能性が現れるのは、62分に太田吉彰が投入されるまで待つしかなかった感がある。つまり、遅かった。
仙台は昨年から続けて、リーグでのホーム戦25試合無敗を続けてきたのだが、その記録はこの日潰えることに。対する神戸は開幕戦以来となる勝利を、ゲームプラン通りとも言える内容で手にした。

勝利した神戸から今後を考えると、勝点3は喜ばしい結果ながら、「代償が大きかった」と三浦俊也監督が語るように、ケガ人が2人出てしまったことは今後に影を落とす。これが復帰戦となった大久保嘉人が、88分からの出場にもかかわらず、その短い時間で渡辺との接触によって「(試合後の三浦監督の言葉によると)鼻の骨が完全に折れている」というケガを再び負ってしまった。さらに守備で確かな活躍を期待できる冨田も、試合中に太もも前部の痛みを自ら訴えてピッチを退くなど、運のない展開である。
だが、移籍後初ゴールを決めた都倉を中心としたロングボールからの攻撃は、リスクを負うことなく効果的に相手を苦しめるものとなるかもしれない。代償も大きかったかもしれないが、その分の光明はあったと思える。

対する仙台の方が、この日の試合から考えなくてはいけない部分は多いだろう。
ヒントは、後半から投入された太田の積極性か。「タカ(中原)の高さも、梁さんのセットプレーも封じられるなら、新しい武器が必要」という自覚が、積極的なドリブル突破やわずかなチャンスでのシュートなど、太田の後半のプレーにつながり、実際に攻め手が少なかった仙台の中で、唯一と言ってよいほどに神戸の脅威となっていた。
新たな武器の本格的な台頭、そしてその必要性を、チームはどう感じて、次の試合につなげるか。次節の湘南戦に向けたこの一週間、どのようなチーム作りが行われるかには注目である。

以上
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