4月14日（水） 2010 ヤマザキナビスコカップ
Ｃ大阪 0 - 1 新潟　（19:00／長居／4,744人）
得点者：76' ミシェウ（新潟）
★ヤマザキナビスコカップ特集ページ
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4月14日、大阪にある造幣局では、毎年恒例の「桜の通り抜け」がスタート。127品種、354本の桜が可憐に咲き誇り、人々を楽しませている。その桜のように、ヤマザキナビスコカップに挑むＣ大阪も桜満開の結果を残したかったが、4年ぶりのリーグカップ戦初陣では、ホーム長居で0-1と敗北。決勝トーナメント進出に向けて、厳しいスタートとなってしまった。一方の新潟は、これが今季公式戦初勝利となった。

ともにリーグ戦から中3日での試合となったが、Ｃ大阪はMFマルチネスが出場停止となり、右太ももに違和感を訴えたDF上本大海も欠場。ボランチはMFアマラウと羽田憲司がコンビを組み、3バックにはDF茂庭照幸、藤本康太、そして今季初出場となる前田和哉が名を連ねた。ただ、継続性を重んじるレヴィー　クルピ監督は、香川真司、乾貴士ら、現状のベストメンバーを揃えて、この試合に臨んだ。
逆に新潟は、10日の浦和戦から6人のメンバーを変更。右サイドバックに木暮郁哉、左サイドバックには19歳の酒井高徳、ボランチの一角に三門雄大、左ワイドMFに西大伍を起用し、前線では日本代表FW矢野貴章と、移籍加入後初先発のミシェウが2トップを組んだ。

試合では、ホームのＣ大阪が序盤から攻め込む。新潟の守備がもたつく間に中盤でボールをカットすると、両サイドの尾亦弘友希、高橋大輔が高い位置を取り、積極的に攻撃参加。そして、前線にチャンスが生まれるものの、13分のアドリアーノのシュートはクロスバー直撃。39分の乾のシュートも新潟GK東口順昭に抑えられ、エースの香川もなかなかドリブル突破できない。香川、乾、アドリアーノの連係も、最後のところでチグハグさが目立ち、ゴールを決め切れず。いつ得点が入ってもおかしくないくらいＣ大阪がペースを握ったが、結局前半はともにスコアレスで終わる。

「前半はフィジカル的に少しぬるかった。もっとハードに行こう！」という指揮官の檄が飛んだハーフタイムを挟み、Ｃ大阪は後半頭から、「勝利を目指すために」ボランチに攻撃力の高いMF家長昭博を投入。「以前の練習でもやっていたオプションの1つとして温めていたプラン」（レヴィー　クルピ監督）で、よりオフェンシブにシフトして点を取りに行く。そして、その家長を起点にボールを動かしていくが、ゴール前を固めた新潟の前に、最後のシュートがなかなか枠を捉えない。
すると、さらに攻撃的な手を打つべく、FW播戸竜二、MF酒本憲幸を投入しようとした矢先の76分、Ｃ大阪は思わぬ形で失点。間延びしたスペースを突かれ、プレスも甘くなったところで、Ｃ大阪の左サイドを新潟FW矢野にドリブルで崩されると、深い位置からの鋭いクロスにも対応が後手に。ゴール前に1人飛び込んできたミシェウに押し込まれてしまい、先制点を献上してしまう。

その後、播戸、酒本がピッチに入り、2バック、2トップのような形で反撃に出たＣ大阪は、「（交代出場する）直前で点が入ってしまったので、もう攻めるだけだと思ってプレーした」という酒本が、右サイドを突破してクロスを上げ続けるも、終了間際の播戸の決定機もポストに阻まれてしまう。結局、相手の身体を張ったディフェンスの前にゴールが遠かったＣ大阪は、悔しい敗戦。17本のシュートを放ちながら1点も挙げられず、ふがいない内容となり、Ｃ大阪イレブンは試合後、サポーターから大きなブーイングを浴びせられていた。

「連係の部分ではみんなでもっと高めていく必要がある」と前田。「全体的な統一感というのが、もうちょっと必要」と家長。すでに公式戦7試合を終えたなかでも、チームワークという部分で課題が残るＣ大阪。今後、連係面でどこまで改善を図ることはできるかが、リーグ戦でも、カップ戦でも、ポイントとなってくるだろう。
一方の新潟は、「どうしても受けに回る場面というのがあり、なかなか攻撃に結び付けられなかった」（黒崎久志監督）なかでも、Ｃ大阪の攻勢を耐え凌ぐと、後半、「今日の試合直前、思い切って使おうと起用した」という指揮官の采配に応えたミシェウが決勝弾。新監督にとっても、うれしい初勝利となった。殊勲のミシェウも「今日の勝ちは重要。これでチーム全体に自信が付く」と述べるなど、新潟にとっては今後に弾みがつく貴重な白星になった。

以上

2010.04.15 Reported by 前田敏勝