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【ヤマザキナビスコカップ 山形 vs 清水】レポート:成果と課題が混在するスコアレスドロー。山形、清水ともに今後へつながる勝点1 (10.04.15)

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4月14日(水) 2010 ヤマザキナビスコカップ
山形 0 - 0 清水 (19:30/NDスタ/4,102人)
★ヤマザキナビスコカップ特集ページ
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雨に濡れたピッチ。直近のリーグ戦から山形は5人、清水は9人を入れ替えて始まった。清水のキックオフ以降、山形は守備でボールを触りこそすれ、意図して動かそうとする前にそれを手放すことになった。5分にはGK植草裕樹のFKを田代有三が落とし、宮沢克行のミドルシュートにつなげたが、15分前後には佐藤健太郎、下村東美が中盤でパスカットしたボールも大きく弾かれ、一瞬にして清水ボールになった。
ビルドアップではトラップミスで相手に詰められることもなく、バックラインを中心にボールを回し、攻撃の機会をうかがっていた。その清水のポゼッションの大きな原動力となっていたのは、センターハーフの伊東輝悦だ。この日、アンカーは山本真希に任せていたが、山形が田代に当てるボールのセカンドボールの軌道をいち早く読み取って拾い上げ、山形の選手が視野のないまま足元に付けようとすれば体を寄せて奪い取り、正確にていねいに味方に預けた。

18分、右サイドバック・市川大祐から細かくつながれたボールは高い位置まで駆け上がった太田宏介に渡り、クロスを永井雄一郎がダイレクトで打ち込む。これが枠を逸れたあとも、22分の直接FKで藤本淳吾がバーの上をかすめるシュートを放つなど、いいリズムで攻撃を展開していた。しかし25分、キックオフ時3.2度という低い気温が災いしたか、センターバックでプレーしていた児玉新が左ももに違和感を訴え、ピッチを退くアクシデントが発生。ここは仙台戦で先発し、得点も挙げている平岡康裕の登場でディフェンスラインの落ち着きは保たれた。

山形がボールロストを繰り返すのは、コントロールの難しさのほかにも「マイボールになった瞬間に、ボールを持ってない選手がいかにボールを引き出してあげるかとか、いいポジションを取れるか。そこのボールを拾ってからの動きがないから相手も寄せやすい」(下村東美)という理由があった。しかし、相手の決定機を最小限に抑えながら、30分以降には徐々にボールが足元で収まりを見せ始め、それとともにシュートチャンスも増えていく。
24分、スローインから山田拓巳のマイナスクロスを田代がニアでシュート。33分、FKの跳ね返りを下村がミドルレンジから狙い、36分には園田拓也のロングフィードから北村知隆とともに田代が飛び込み、40分には山田のパスをニアで受けた北村が突破からシュート、サイドネットを揺らした。その後もボールをつなぎながらサイドバックを押し上げた山形がサイド攻撃するがゴールを割れず、前半は0-0で終了する。

後半、田代をキム クナンに代えた山形は、キムの高さを活かしてフリックオンを試みるだけでなく、スピードを活かして左サイドのスペースへ抜ける動きを繰り返した。しかし、北村のヘディングシュートにつながったほかは効果的なクロス、シュートを繰り出せず、勢いはしだいにトーンダウン。早いリスタートで仕掛けた68分には、こぼれ球を山田がクロスでゴール前に送るが、キム、ハン ドンウォンともに飛び込むもののシュートは打てなかった。

「前半はシュートが少なかった。もっとシュートを打っていこう」と送り出した清水・長谷川健太監督も、まずは両サイドを押し上げるとともに、選手交代でも動く。57分に藤本から原一樹にスイッチ。さらに70分にはまたも負傷で永井から長沢駿への交代カードを切ることになったが、76分にはその長沢がカウンターでドリブルを仕掛ける。しかし、大前に託したフィニッシュはサイドネットを揺らすにとどまった。
77分、山形はハンを古橋達弥に代えると、パイタルで自在に起点をつくり、さばく古橋を経由してサイドからの攻撃を増やしていく。しかし、「後半については今度、そういうこと(間で受けたりターンすること)ができるようになるとちょっと力が入り過ぎてて、最後のパスだったり、フィニッシュだったり、クロスだったりというところが合わないのが現状だった」(小林伸二監督)と、シュート数は思うように増やせなかった。一方の清水も、42分には長沢とのワンツーから伊東がシュートを、44分には大前がポスト直撃のシュートを放ったが、これもゴールはならず。

「非常に組織できちっと戦えるモンテディオ相手に、そんなに簡単に点が取れるとは思っていなかった」と、長谷川監督は無得点に終わった理由を語ったが、敵将の目には「ヨンセンと岡崎がいない。前に収まる選手と裏に走る選手がいないとこんなに違うのかなという感じを受けます」と映っていた。ヤマザキナビスコカップも含めた清水の無敗街道は途切れなかったが、これを長く続けていくために、あるいは途切れても再びそこへ戻るためにも、今日チャンスを与えられた選手たちの奮起は一層求められる。
山形はこれで公式戦3試合無失点が続いている。「新しい選手を5人入れましたけど、うまく頑張ってくれたなと思っています。週末のF・マリノス戦に向けて、好材料ができたと思っています」(小林監督)とその歩みは着実だ。まだ、いつでも点が取れるだけの攻撃力が備わっているわけではないが、それについても「だいぶボールが回るようになってきてるので、次はその本当に細かいところに目を向けてきちっとやっていくことの努力がトレーニングのなかに必要になってくると思います」と小林監督の頭の中にはロードマップが描かれている。咲いたものを眺める楽しみもあれば、咲くのを待つ楽しみもある。

以上

2010.04.15 Reported by 佐藤円
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