★ヤマザキナビスコカップ特集ページ
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念願のJ1復帰を果たし、2010年シーズンを戦うＣ大阪にとって、J1の特権であるヤマザキナビスコカップ参加も、4年ぶりとなる。大会は3月31日から開幕しているが、その予選リーグ第1節では試合がなかったため、今回の第2節新潟戦がＣ大阪にとっての初陣になる。
J1リーグ戦では、1勝3分2敗の勝点6で、13位のＣ大阪。J2時代に見せた攻撃的なサッカーを発揮することはできず、序盤から苦戦を強いられている。それでも、4月に入って1勝1分と負けなし。第5節ではエースMF香川真司の2ゴールと、FW播戸竜二の移籍後初得点で3-1と京都を下し、第6節横浜FM戦では司令塔のMFマルチネスが退場処分を受けるも、10人で相手の猛攻を凌ぎ、0-0で勝点1を獲得。前向きな成果が得られるようになってきた。
今季初めて中3日での試合となる、J1リーグ戦の合間を縫って行われるヤマザキナビスコカップだが、Ｃ大阪が今、求めていることは「継続性」。J1仕様のチームにするため、メンバーを昨シーズンから大幅に入れ替えたこともあり、Ｃ大阪のレヴィー・クルピ監督は「完成度を少しでも上げたいので、（横浜FM戦のメンバーで）できる限り出られる選手を使いたい」と、現状のベストメンバーで挑む意向を示している。
ただし、攻守の要のマルチネスは出場停止。必然的にボランチには新たな選手が入る。「彼の代わりは難しいものの、その役割を果たせる選手は何人かいるので問題はない」とレヴィー・クルピ監督。「選手1人1人の個性は違うものの、入る選手には中盤でバランスを考えてプレーしてほしい」と、指揮官は中盤の軸となる選手に攻守の安定を求めている。そのポジションにはセンターバックの羽田憲司が入ることが濃厚。京都戦では羽田がアンカーを務めて安定した戦いを見せただけに、この主将のパフォーマンスへの期待は高まる。
対する新潟は、今季公式戦未だ白星なしとＣ大阪以上に苦しみ、J1では最下位に低迷している。特に深刻なのが、決定力不足。ここまで奪ったゴールはわずか2点。J1第1節川崎Ｆ戦（1-2）の曹永哲、第2節磐田戦（1-1）の大島秀夫、この2人しか得点を挙げていない。この状況を打破するためにも、司令塔のMFマルシオ・リシャルデスを軸に、日本代表FW矢野貴章、そして若手の田中亜土夢らの奮起が求められる。
ただし、守備はGK東口順昭らを中心に堅さを見せ、今季3度無失点試合を記録。ヤマザキナビスコカップ初戦の仙台戦も0-0だった。それだけに「ゴールさえ入れば」という思いは強いだろう。「新潟は他とレベルはそんなに変わらない。勝利がないのは不運なだけで、いい選手は多い」とＣ大阪のレヴィー・クルピ監督も警戒している。
Ｃ大阪も新潟も、ともに攻撃面で苦しんでいるだけに、この一戦のポイントは、単純だがズバリ「ゴール」。ヤマザキナビスコカップは予選リーグがたった6試合のため、1勝の価値がリーグ戦以上に大きい。勝つには、当然、ゴールが必要。守ってばかりはいられない。Ａグループ第1節は予定調和のように、全3試合が引き分けだった。「ならば、勝てば1位になるチャンスが出てくる」とレヴィー・クルピ監督。「1試合1試合決勝のつもりで戦いたい」と、Ｃ大阪のＪでの初タイトルに向けて気合は十分に入っている。
両チームにとって、ヤマザキナビスコカップ予選突破のためには今節の重要性はとても大きい。だからこそ、1週間前に日本代表が悔し涙を流した長居の地で、今度は果敢にゴールを狙う白熱した戦いが見たい。
以上
2010.04.13 Reported by 前田敏勝
